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2018年10月29日

最先端のAIが見守る災害に強い都市

 大都市への人口集中は、今後もさらに続くと予想されている。突発的に発生する事件・事故や、近年多発する地震や集中豪雨などの災害に対し、混雑する街で安全・安心を守るにはどうすればいいのか。防災に先進的なICTを活用する東京都豊島区の取り組みと、NECが最新鋭の技術で目指している街の姿を紹介する。

国内で最も人口が集中する街の課題

 東京都豊島区は、人口密度が全国第1位だ。さらに、利用者数が世界第2位の池袋駅を中心街に擁している。このような極めて人口が集中する街では、災害時の混乱が強く懸念される。災害発生時には、区内のリアルタイムな情報を一元的に把握できることが望ましいが、職員によって個別に情報収集する以外に手段がなかった。職員には限りがあり、現地で確認しきれない。また、防災カメラが設置されていても、すべてを見落とさずチェックし続けるのは困難だ。

池袋駅前の様子

一元的な情報収集で迅速な対処が可能に

 そこで区は、新たな総合防災システムの導入を決断し、NECと整備を進めた。このシステムでは、防災カメラの映像から混雑をリアルタイムに検知できるAI 「群衆行動解析技術」を導入した。これはNECが世界で初めて開発した技術で、混雑度や人流を解析し、混雑度が事前に設定した閾値を超えた場合、職員にアラートをあげて知らせることができる。

 こうした情報を災害対策本部に一元的に集める仕組みができたことで、迅速な判断が可能になった。

 幸いにも導入後に災害は発生していないが、2016年に埼玉県新座市の火災によって電車が大規模な運休となった際には、池袋駅前が混雑する様子をカメラが捉え、災害対策本部からリアルタイムに状況を把握できることが実証されている。

総合防災システムイメージ図
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総合防災システム画面イメージ

AIの活用を広げてさらに災害に強い街へ

 豊島区とNECでは、SNSやスマートフォンから得た情報を分析して活用するために、高度自然言語処理プラットフォームの実証評価を総務省委託事業として進めている。例えば帰宅困難者対策訓練にて訓練参加者に災害情報を発信して頂き、その情報をリアルタイムに収集・分析することで、適切な対策につなげることができる。

 豊島区で災害対策を担う今浦危機管理監は、今後のAI活用について次のように語る。

 「災害などの情報の収集・分析を迅速に行うには、AIなどの手助けが欠かせません。これからも共に豊島区の将来を描き、先端技術で安全・安心を実現できるパートナーとして、NECに信頼と期待を寄せています。」

豊島区 危機管理監
今浦 勇紀氏

 NECはこうした世界最先端技術を世界に広げ、災害に強い都市づくりに貢献すべく、まずは10万人が集まっても30分先まで混雑しない経路を導く技術を目指して「群衆行動解析技術」に磨きを掛けている。

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