

「dotData」データ分析プロセス自動化で
人では思いもよらない「宝」を探り当てる
企業における膨大なデータを分析し活用するためには、データサイエンティストなど高度なスキルを持った幅広い人材が求められている。しかし、データ分析をビジネスで活用する重要性が高まるにつれ、限られた人材をいかに確保するかが企業の課題になっていた。
データ分析を行うための高いハードル
データ分析では、膨大なデータから結果に影響を与える要素「特徴量」を見つけ、「予測モデル」を設計する必要がある。しかし、企業がデータ分析をビジネスに活用するためには、「時間がかかる」「高度なスキルが求められる」「結果をビジネスに活用しきれない」という課題がある。
そこでNECは、データ分析プロセスを自動化する「dotData」を開発。従来、特徴量の作成は人間のみが行える職人芸とされていたが、世界で初めてAIによる自動化を実現。また「ホワイトボックス」により導き出される結果は、説明できる根拠が示され経営判断に活用することが可能となる。
経験豊富なデータサイエンティストと同程度の結果を導き出す
日本航空は、マーケティングをはじめ、さまざまな領域で高度なデータ活用を推進しており、AIを活用した取り組みにも積極的だが、データ分析を担う高度な専門人材の不足や、膨大なデータを十分に活用する方法に課題を持っていた。
そこで日本航空は、会員がWeb上でどのような行動をしているかをテーマにしたデータ分析の実証実験をNECと共同で実施した。この実証実験により「dotData」が導き出した結果は、これまで経験豊富なデータサイエンティストが導き出した結果と同程度の分析を短時間で行えることが実証された。
「宝」を見つけられることが何よりの価値
結果に影響を与える要素「特徴量」の作成では、人が容易に思いつく「直前に国際線に乗っている人」ではなく、直近何日間という具体的な期限、そして搭乗・旅客により付与条件が異なる搭乗マイルに注目した、「直近42日間の国際線搭乗マイルが多ければハワイ線を購入しやすい」などの、人では得がたい傾向を得ることができ、お客さまに対してこれまで以上に細やかで適切なタイミングでキャンペーンを案内することが可能となる。
マーケティングだけでなく日本航空内のさまざまなデータ分析を推進・支援している渋谷氏は、「dotData」への期待を次のように話す。
「これまで人間にしかできなかった意味のある特徴量の作成が「dotData」により自動化されることに正直驚きました。私たちが思いもよらなかった特徴量が見つけられることで、新しい施策の気づきにもつながります。」

1to1マーケティンググループ アシスタントマネジャー
渋谷 直正 氏
今後は機体整備などのマーケティング以外の分野においても、「dotData」を活用することで、分析の事前知識がなくともデータ分析の活用ができるようになるのではないかと期待されている。