2017年03月10日
SECURITY SHOW 2017レポート
サイバーとフィジカル NECならではのセキュリティ技術で、社会をより安全・安心に
NECグループは、2017年3月7日(火)~10日(金)の4日間にわたり、東京ビッグサイトにて開催されました「SECURITY SHOW 2017」に出展しました。多くの方にご来場いただき、厚くお礼申し上げます。

NECグループブースでは、都市や社会を安全・安心に守るため、フィジカルセキュリティとサイバーセキュリティ両面の先進的な取り組みや具体策を、展示やデモンストレーション、オープンセミナーで紹介しました。
イベントの様子をレポートします。
群衆から個人をリアルタイムに特定できる!新世代顔認証
目に入るのは98インチの大型ディスプレイ。ここで紹介しているのは群衆から個人をリアルタイムに特定できる「新世代顔認証」です。
顔認証の用途には、空港の出入国管理や入退場ゲートなどで対象者がカメラに自ら顔を向ける「積極的認証」での活用、対象者が気づかないうちに顔認証を行う「非積極的認証」の活用があります。VIPの来訪を検知し最適なおもてなしをする、介護施設で要介助者を見守る、行方不明者や指名手配犯を防犯カメラ上で探すなどといった使い方が想定されます。
群集の一瞬の動きを高フレームレートで撮影し、複数の人をリアルタイムに顔認証処理を行う必要があります。監視するエリアも積極的認証に比べると格段に広くなるので、1台のカメラで監視できる範囲が広がるよう、高解像度にすることが効果的ですが、処理の負荷が高くなります。これらの要件に認証精度を犠牲にすることなく対応する、非常に高度な技術が要求されます。

NECはこれらの要件を満たす技術を持っています。
まず、認証精度とスピードについては、米国の公的機関であるNISTによる公開ベンチマークにおいて3回連続1位(1)となっているNECの顔認証エンジン「NeoFace」を活用して実現しています。
高解像度への対応については、「NeoFace Accelerator」が、これまでのソフトウェア処理に比べて約20倍の高速化を実現します(2)。4Kカメラからの映像を、これまでの高精度を維持しつつ、Full HD同様の30FPSのリアルタイムで認証することが低コストで実現可能になります。
複数の顔情報を同時に素早く認証するには、リアルタイム顔認証ソフトウェア「NeoFace Watch」をご用意しています。「NeoFace Accelerator」にも対応可能です。
NECの顔認証技術はブラジルの14の国際空港ではウォッチリスト照合に活用されているほか、アルゼンチンのティグレ市での防犯対策など、40ヶ国以上、100システム以上の導入実績があります。これらのノウハウ・技術を生かし、お客さまに最適な顔認証の活用を提案していきます。
(1)プレスリリース:NEC、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術 ベンチマークテストで3回連続の第1位評価を獲得
(2)先行して海外向けに販売開始。日本国内は2017年度3Qより提供予定
ウォッチリストにない不審者を特定する
これまでの顔認証は、事前に対象の顔情報を入手しデータベースに登録している人物を識別していました。一方で、事前に対象となる顔がわかっていない中で、特定の人物を見つけ出すといったニーズもあります。たとえば、連続する事件現場に共通して現れている人物を見つけたり、あるいは店舗に頻繁に来店しているお客さまを見つけたりといったニーズです。
これは、従来の顔照合では非常に難しいとされてきましたが、NECは独自技術「時空間データ横断プロファイリング」を開発しました。
「時空間データ横断プロファイリング」とは、複数の場所で撮影された長時間の映像の中から、特定のパターンで出現する人物を高速に分類・検索する技術です。顔が類似しており同一人物と見なせる出現パターンを分類し、出現時間・場所・回数等での検索を行うことができます。映像中の100万件の顔データを解析し、同じ場所に長時間・頻繁に現れる人物の検索・抽出を10秒という短時間で実現します。
今回紹介した「NeoFace Image data mining」は、顔認証技術と「時空間データ横断プロファイリング」を組み合わせたソフトウェアです。これにより、犯罪捜査のほか、迷子の捜索や顧客サービスなど、様々なシーンでの活用が可能です。
そのほか、IDカードをかざしてセキュリティゲートを通過する際、予め登録済みの顔情報と照合を行い二重のチェックを行う「ウォークスルー顔認証システム」や、指紋と静脈で認証を行う「指ハイブリッド認証」など、生体認証を使った入退場管理システムを紹介しました。

異常事態を予防する、映像解析技術を活用した重要施設監視
重要施設の監視は、監視カメラを使った人による映像監視が一般的です。しかし、人による映像監視には限界があります。人が同時に監視できる映像は20程度が限界なうえ、体調不良や疲労による集中力の低下や一つの映像に気を取られて重要な事象を見逃すリスクがあります。
そこで、目の行き届かない場所の監視をシステムにより自動化したり、見落としを防ぐためシステムとのダブルチェックを行ったりなどの対策が必要となります。
NECの高度映像解析・行動検知システム「IAPRO」は、映像をリアルタイムで解析。動く物体を検出し、人/車/物として自動で認識します。その動きを追跡することで高精度な行動検知を実現します。

たとえば、重要施設の周りのうろつきや滞留者、裏口や柵の乗り越えなど正規ルート以外からの立ち入り、建屋内の機器などの不正持ち出しや置き去りの検知などを不穏行動とみなし、アラートをあげることで、問題を未然に防ぎます。