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世界デジタルサミット2017(主催:日本経済新聞社、総務省)

デジタル産業革命が拓くサステナブルな社会

2017年06月20日

7つの社会価値創造テーマを通じ、社会課題の解決を目指す

 昨今、社会のデジタル化が急速に進んでいます。IoTデバイスの数は2011年から2020年の10年間で、104億個から304億個へ増加するといわれており、センサまで含めると数兆個のデバイスがさまざまな「モノ」につながる時代がやって来ます。こうした動きは不可逆のもので、今後も指数関数的に伸び、社会に変革をもたらしていくでしょう。

代表取締役 執行役員社長 兼 CEO
新野 隆
急速に進むデジタル化の波

 「デジタルトランスフォーメーション」と呼ばれるこのような流れを、NECは単なるトレンドではなく、産業構造を変えるほどのインパクトを持つものと捉え、「デジタル産業革命」と呼んでいます。NECは2014年に“Orchestrating a brighter world”を企業ブランドメッセージとして打ち出し、7つの社会価値創造テーマを通じて「デジタル産業革命」に向けた取り組みを進めてきました。これにより、お客様の事業を支援し、変革を実現することで、社会課題の解決を目指しています。

 世界的な動きを見ても、国連が2015年に地球規模の社会課題の解決に向けて17のSDGs(2030年に向けた持続的開発目標 Sustainable Development Goals)を定めていますが、こういった社会課題の解決、サステナビリティの実現にはデジタルの活用が不可欠であり、そこにICTが貢献できることはたくさんあると考えています。

デジタルを活用した社会価値創造の事例

 デジタルを活用することで、いったいどのような変革が起こり得るでしょうか。今回は3つの事例をご紹介します。

 はじめにご紹介するのは、京都府警様が導入した「犯罪予測システム」の事例です。年間8,700万人を超える観光客が訪れる世界でも有数の観光都市である京都府様は、京都府警様と一体となって「安心まちづくり強化事業」を推進しています。京都府警様は、NECと共同で最先端技術を活用した犯罪予測システムの開発に取り組み、2016年10月から、全国に先駆けてこのシステムを活用したパトロールを始めています。

 このシステムは、京都府内の各地域で発生した過去の犯罪データと、犯罪理論の2つを組み合わせて分析し、犯罪リスクの高い場所や時間、犯罪の種類などを予測するものです。犯罪予測に基づいたパトロールルートをシステムが警官に提示することで、効率的なパトロールが可能になりました。今後は、天候、気温、地理情報などのデータを加えて分析し、犯罪予測の精度をさらに高めることを検討しています。

 続いては、データに基づくプラントの予知保全を実現している事例です。石油やガスのプラントを手掛けるエンジニアリング会社である日揮様は、近年は設備の長寿命化、熟練工の高齢化やノウハウの属人化が相まって、プラントのオーナー様の安全で効率的なプラント運転の継続が課題となっていました。そこで、日揮様の持つプラント周りのノウハウと、NECのAI技術である「インバリアント分析技術」を組み合わせ、プラントの異常予兆を捉えるシステムを構築しました。

 「インバリアント分析技術」は、プラントに設置したさまざまなセンサデータの相関関係をモデル化することで、プラント全体を監視する技術です。これによって、センサデータだけでは気付けなかったトラブルの予兆を早期に発見することが可能になります。結果として、プラントのダウンタイムが低減できるとともに、保守用パーツの適正在庫に役立つなど、これまでより一層の運用の適正化が行えるようになるのです。

インバリアント分析技術とは

 そして、カゴメ様の事例です。カゴメ様とNECでは、ノウハウがなければ難しい加工用トマトの露地栽培にデジタルを活用し、熟練農家と同様の収穫が得られる営農支援を進めています。そこでは、人工衛星を活用することで、人手をかけずに多くの情報を「見える化」することに成功しました。見える化したデータとNECのAI技術によって仮想圃場、いわゆる「デジタルツイン」を創り出し、約2万通りものシミュレーションを行うことで、これまで気付かなかった変化を見える化して予測できるようになりました。

 カゴメ様では、シミュレーションによって収穫量や作物のストレス、圃場ごとの最適な栽培方法などを導き出し、その結果をもとに農家に対してアドバイスを送ることで初年度から安定した収穫を実現しています。天候などの人の制御が難しい条件が多い露地栽培においても、デジタル化によって収穫量や収穫時期を最適化することで、工場の加工量に応じてトマトの収穫量をコントロールでき、廃棄ロスの削減も可能になります。生産から加工までのバリューチェーン全体の最適化が図れます。

 ここまで3つの事例を見てきましたが、これらはお客様が保有しているさまざまな暗黙知を、デジタルを活用することで「見える化」したという点が共通しています。これをさらにお客様のノウハウと掛け合わせることで、事業や業務のあり方や進め方の抜本的な変革を可能にしているのです。

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