ここから本文です。

これからの社会を支えるICTに、AIとIoTで新たな価値を

2017年12月13日

 2017年11月15日から17日までパシフィコ横浜にて開催された組込み総合技術展「Embedded Technology 2017」、およびIoT総合技術展「IoT Technology 2017」より、AIやIoTを活用した、社会価値を創造するNECの取り組みをご紹介します。

AIとIoTによるデータ活用が、新たな世界を切り拓く

 NEC CMO(チーフマーケティングオフィサー) 兼 執行役員 榎本亮 講演より

実世界を見える化、分析して新たな予見を見出し、対処

 NECが取り組むデジタルトランスフォーメーションは、企業・産業、都市、人に活力を生み出すことを目的としています。それを実現するために必要なことは、「実世界を見える化し、分析して新たな予見を見出し、そして対処すること」です。

 カゴメ様では人工衛星、ドローン、各種IoTセンサーを活用して圃場(ほじょう、農作物を育てる場所のこと)を「見える化」し、AIを使った高精度なシミュレーションを実施。結果として加工用トマトの生産性を毎年10%高めることに成功しました。2017年8月からは事業化も開始し、世界規模で展開を進めています。

 この事例のポイントは、何よりもお互いの信頼関係です。トマト農家の方々は長年の経験に基づく豊富なノウハウを持っていますので、自分たちのやり方に絶対的な自信があります。NECは、長い時間をかけて農家の方々と信頼関係を築き、初年度から結果を出し続けることで、最終的に事業化までつなげることができました。

 カゴメ様とNECは、加工工程の生産性も向上させています。工場の空き具合と収穫のタイミングを、ICTを活用し合わせることで、バリューチェーン上の無駄をなくす取り組みを進めました。さらには、品質改良によって生食用のトマトの生産量を拡大し、付加価値の向上も図っています。

 生産性の向上、バリューチェーンの最適化、品質の改良という3つの成果は、まさにカゴメ様とNECの共創による成果です。

見える化するのは「要注意人物」から「人の気持ち」まで

 英国のサウス・ウェールズ警察による警備でも、NECの「見える化」技術が活用されています。これは、2017年6月にウェールズ国立競技場で開催されたUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦において、その警備にNECの映像認識技術が採用され、安全な試合の実施に貢献したものです。

 具体的には、顔認証技術を用いたソフトウェア「NeoFace」を用い、警察車両に搭載されたカメラに写った人物から要注意人物を即時に割り出すものです。事前に約50万人の画像を要注意人物として登録しておき、スタジアムやパブリックビューイングに集まる17万人の観客を対象に巡回を行ったところ、数名の逮捕につなげています。

 この事例では、対象が自ら正面でカメラのほうを向いていない「非積極認証」を活用しているのがポイントです。対象者が下や横を向いていたり、帽子やマスクなどをしていたりしても、高い確率で要注意人物を割り出すことができました。今はカメラ機材などの設備が必要ですが、近い将来はこの仕組み全体がチップ化され、幅広い用途で活用されると見込んでいます。

 NECの技術は、人の気持ちも「見える化」します。顔認証技術を応用した遠隔視線推定によるもので、人の視点の細かな動きが分析可能です。何を、どういうタイミングでどれくらい見ているか、といった動きから、見ている人の気持ちまで推測でき、流通や防犯の分野での利用が検討されています。

 NECの認証技術は、さまざまな生体認証を組み合わせることができるのが強みです。顔に加え、虹彩、耳音響、声紋、掌紋・静脈、指紋の6つの生体認証を「Bio-IDiom(バイオイディオム)」と名づけ、さまざまな分野に広く提供。誰もが安心してデジタル技術を活用できる世界の実現を目指しています。

データ量が多くても少なくても的確な分析技術で解決

 デジタルトランスフォーメーションが進む社会においては、データ量にも注目しなければなりません。扱うデータが膨大な量になるにつれ、高速の処理が求められるようになっていますが、これにはソフトウェアのアルゴリズム改善に加え、ハードウェアの活用が効果的です。NECではベクトル型プロセッサ「SX-Aurora TSUBASA」の開発により、こうした課題の解決に貢献していきます。

 一方で、災害、疾患、劣化など多くの情報入手が困難なデータもあり、少量のデータからも的確な予測につなげることが重要です。こうしたケースに対しNECでは、「専門家との共創」と「AI分析技術」を組み合わせることで対応しています。

 東京都八王子市にある北原国際病院を運営する医療法人社団KNI様は”デジタルホスピタル”を提唱し、医療分野へ高度なICTを活用することに取り組まれています。NECはこの取り組みに協力し、共同で実証を実施。バイタルデータをAIで分析し、患者の不穏行動(入院患者に起こり得る幻覚妄想・感情不安定・混乱など)の事前検知に成功しています。

 また、入院早期での退院先予測により、患者の入院長期化の回避や早期の社会復帰、院内スタッフの負荷軽減、退院待ちの解消にともなう新たな患者のスムーズな受け入れなど、さまざまな効果が期待できることが確認できました。

 NECでは、ビッグデータでもスモールデータでも、状況に応じた最適な技術の組み合わせと共創を通じ、社会価値を創造します。

データ活用を現実のものにするNECの先進ソリューション

 3日間にわたる展示会では、社会を支えるための具体的な手段としてNECのさまざまなソリューションが展示されました。今回はその中から、お客様と共に社会価値を作る共創プログラム、顔認証技術を使った各種システム、IoTを活用した配送業務効率化ソリューション、ガス漏れを早期に検知する光センシング技術をご紹介します。

AIやIoTを使って新たな価値、デジタルビジネスを創出する「共創プログラム」

 NECがお客様と共に社会価値を作る「共創プログラム」では、AIやIoTを活用した新たなデジタルビジネスの創出を目指し、ユーザベネフィット、ビジネス価値、先進技術の視点を柔軟に組み合わせながら、お客様との共創による価値創造を行います。ビジネスにおいては、アイデアを素早く形にし、迅速にスタートさせることが成功への近道ですが、「共創プログラム」では、経験豊富な専門のテクニカルコンサルタントと共にビジネスやシステムの要件を明確化。スピーディーな実証環境(スタートアップラボ環境)でビジネスの立ち上げを支援するなど、専門人材が事業の立ち上げやシステム構築をサポートします。

歩きながらの顔認証で入退場を管理する「ウォークスルー顔認証システム」

 オフィスや工場、施設の入退管理を顔認証で行うことができる「ウォークスルー顔認証システム」(参考出展)は、高精度な顔認証ソフトウェア、カメラなどをパッケージ化したデバイスのため、スタンドアロンで利用することが可能で、さまざまな場所で簡単に導入することができます。また、顔画像を瞬時に照合できる高速な顔認証により、カメラの前で立ち止まる必要がなく、歩きながらスムーズな入退場を実現します。既存のゲートとの入退管理連携、イベント会場での本人確認(チケット転売防止)など用途に応じた導入ができ、お客様の安全性と利便性の向上を実現します。なりすましの防止などセキュリティレベルを向上させたい場合は、搭載されたIDカードリーダーと顔認証を併用した2要素認証も可能です。

顔認証クラウドサービス「NeoFace Cloud」で顔認証の活用シーンを拡大

 顔認証技術を手軽に導入可能な顔認証クラウドサービス「NeoFace Cloud」(2017年10月提供開始)は、屋外などのサーバ設置が難しいシーンや、タブレット端末やスマートフォン、対面型ロボットなどさまざまなデバイスから顔認証が利用できます。1か月単位で契約が可能で、サービス休止モードなど柔軟な料金体系が用意されているため、短期間のイベントなどでも利用しやすいのが特徴です。またクラウドサービス化により、ハードウェア手配や運用管理が不要になるほか、お客様に代わってNECが顔データをクラウド上で安全に管理する点も大きなメリットです。工事現場や外出先での労務管理、受付にロボットを設置してのおもてなしサービスのほか、今回の会場でデモを紹介したスタンプラリーなど、ゲーム的な要素を含んだ新しい領域にも活用の範囲が広がっています。

「IoTコネクティビティソリューション」によりLPガスの配送業務を効率化

 NECが開発した新無線通信技術「LPWA」を使ったIoT無線化ユニットによる「IoTコネクティビティソリューション」。それをベースとしたLPガスの配送業務効率化ソリューションは、ガスメーターに設置したIoT無線化ユニットにより、ガスの指針データをリモートで取得。NECのIoT基盤上に蓄積したデータをAIで分析し、ガス容器の最適な配送日と配送ルートを決めるというものです。ほかにも、コンビニ店舗の冷凍・冷蔵設備の故障予知、業務用車両タイヤのリモート監視などにも活用が検討されています。

「光センシング技術」でガス漏れを早期に検知

 数十~数百メートルの大気中のガスの種類や濃度を検知するレーザーガスセンサ、数キロから数十キロの長区間にわたって温度や振動の変化を捉えることができる光ファイバセンサなどの「光センシング技術」。レーザーガスセンサでは、プラント、工場、パイプラインなどに設置することで広域でのガス漏れが検知でき、火災などの被害を未然に防ぐことができます。また光ファイバセンサでは、パイプラインの亀裂や広大な敷地への不正検知などにも利用が可能です。
なお、NECの光センシングの技術は「ET/IoT Technologyアワード」において「Embedded Technology優秀賞」を受賞しています。

 AIやIoTの活用をコアに、パートナーとの共創により新しい価値を創造する。NECは、これからの社会やビジネスを支える先進的なソリューションを提供していきます。

関連キーワードで検索

さらに読む

この記事の評価


コメント


  • コメントへの返信は差し上げておりません。また、いただいたコメントはプロモーション等で活用させていただく場合がありますので、ご了承ください。
本文ここまで。
ページトップ