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デジタルトランスフォーメーションが創るリテールの未来
「リテールテックJAPAN 2018」レポート

NECグループは、3月6日(火)~3月9日(金)の4日間にわたり、東京ビッグサイトで開催された「リテールテックJAPAN 2018」に出展しました。
今回は、「デジタルトランスフォーメーション*が創るリテールの未来」をテーマに、流通・小売業界の働き方や、消費者の購買体験を大きく変え、社会に新たな価値を生み出す、最新のソリューションをご紹介しました。
*デジタルトランスフォーメーション…「リアルとサイバーをつなぎ合わせる情報技術で新たな価値を創造し、経済や生活をより良い方向に変えていく」という概念。
当日ご紹介した主な展示・デモンストレーション、および、ご来場者の関心を集めた技術を、ピックアップしてご紹介します。

AIを活用した新たな購買体験~次世代店舗でワクワク購買~

レジがない、並ぶ必要もない、新しいショッピング

お店の繁忙期にたびたび発生する、レジの大行列…。レジ担当者の業務負荷が増大することはもちろん、買い物客にもストレスがかかります。また、レジ前の長蛇の列は、機会損失の原因にもつながります。
こうした課題を踏まえて、NECは店舗オペレーションを自動化し、レジ待ちの無いストレスフリーな買い物を実現するソリューションをご紹介しました。

顔認証技術を用いた、スマートな買い物のデモを実施

レジがなく、スタッフもいない次世代の無人店舗を会場に設置。ご来場者には、自分にマッチした情報を参照しながら商品を選べ、“顔パス”で会計が済んでしまう、スマートでスムーズな購買体験をしていただきました。

購買体験デモのPOINT!

  • 顔認証技術を用いて、本人確認。
  • 買い物途中の手に取った商品に関連する情報、お客様の嗜好に合致したリコメンド情報などをリアルタイムに表示。
  • スマートな決済

ライフスタイルマーケティングを加速するAIエンジン~NEC Marketing Segmentation~

今こそ求められている、店舗の「独自化」

小売業界では、激化している競争環境を生き抜くために、他店との明確な差異化=独自化が求められています。今回出展した「NEC Marketing Segmentation」を活用すれば、商品の個性と顧客の嗜好のマッチングによって購買率が高まり、その結果、店舗の独自性を生み出すことが可能になります。

購買実績のデータを基に、顧客セグメントを自動抽出し見える化

会場では、ID-POSなどの購買実績データを活用して、顧客ごとの趣味や嗜好、ライフスタイルといった詳細なプロフィールを、AIエンジンで高精度に自動推定できる技術をご紹介しました。
本技術は、リテールのお客様と意見交換を重ねながら実証実験を進めている段階です。顧客ごとの詳細なプロフィールが実際にはどのようなプロセスを経て見える化できるのかに焦点を当て、その手法やメリットをご説明しました。

こんな課題を持つお客様に!

  • ID-POSデータを「お客様のより深い理解」に活用したい
  • 手間をかけることなく、ターゲットの関心や購買意向・価値観に基づいた戦略(商品開発・販売戦略)を実施していきたい。
  • 仮説を立ててお客様の嗜好を分類し、プロモーションに利用しているが、「分類の仕方は正しいか」「仮説の前提に見落としはないか」「お客様の嗜好に変化が起きていないか」などの不安がある。

ニオイをデータ化! 食品・品質・環境・店舗管理に活用~嗅覚データの解析・判別技術~

超小型センサーとAIであらゆるニオイをデータ化

ニオイの成分は、世の中におよそ40万種類も存在すると言われています。複数の成分が混じり合ったニオイの解析・判別は、実質的に不可能と思われていました。
会場では、NECが産学官共同によって開発した超小型のIoTセンサーとAIを用い、世界で初めて実現した嗅覚データの解析・判別技術をご紹介しました。

流通・小売業における幅広い可能性を実感

ニオイをデータ化することによって、食品の食べごろ判定、店舗の環境評価、店頭でのお惣菜調理状況など、さまざまな活用が想定されます。
ニオイをどうやって可視化するのか…? 具体的な活用方法は…? など、ご来場者の興味・関心に合わせたご説明を行いました。

たとえばこんな活用方法~果物の「食べごろ」判別~

  • さまざまな熟度のニオイを収集
  • 収集したデータからAIが特徴を分析し、「食べごろ」ニオイの判別モデルを生成
  • ニオイ測定で「食べごろ」判断。果物に針を刺して計測する破壊検査は不要に

訪日外国人をおもてなし! 多言語音声翻訳サービス

インバウンド市場をビジネスに

来る大型スポーツイベントなどに向け、訪日外国人へのおもてなしがますます必要になっています。ポイントは円滑なコミュニケーション。訪日外国人とのコンタクトの際に広がるビジネスチャンスを逃さず、あわせて対応スタッフの負担を減らすことも重要です。
会場では、訪日外国人の接客機会が多い宿泊施設や交通機関、小売業の皆様を対象に、観光会話に特化した音声翻訳サービスをご紹介しました。

翻訳精度の高さと使いやすさを体感

本サービスは、翻訳結果が端末にテキストで表示されるので、「相手にはこう伝わった」が確認できます。また、翻訳データは蓄積されるので、会話内容や利用状況の見える化・共有が可能です。
ご来場者には、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した優れた翻訳精度と、安心かつ容易に会話を進められる様子をご覧いただきました。

すでに活用が始まっています!

  • せとうちDMO 株式会社瀬戸内ブランドコーポレーション様
  • 株式会社小田急百貨店様(新発表の名刺サイズデバイス「BL-02」で実証実験中)

NECグループのブースには4日間にわたって、流通・小売業界のIT部門やマーケティングご担当者など、幅広い世代の方々にお立ち寄りいただきました。ご来場者の皆様に、あらためて御礼申し上げます。