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デジタルトランスフォーメーションが変えるものづくりの未来がここに!
「第29回設計・製造ソリューション展(DMS)」レポート

技術進展、労働力不足、グローバル化等、多くの社会課題に直面する製造業。それらの社会課題に対して、国・産業・業種の垣根を越えた企業活動のつながりを拡大させ、AI・IoTを活用し、ものづくりの新たな価値を創出していかなければなりません。
NECグループは、2018年6月20日(水)~22日(金)に東京ビッグサイトで開催された第29回設計・製造ソリューション展(DMS)に出展。「デジタルトランスフォーメーション」が変えるものづくりの未来をテーマに、今回初公開となる「NEC DX Factory」でものづくりの未来へとご案内しました。その他、ものづくりの新たな価値を創出するためのサプライチェーン全体のスループット向上、品質トレーサビリティ強化、セキュリティ、働き方改革などのソリューションを映像と展示、デモ、セミナーでご紹介しました。

今回は多数のソリューションの中から、特に人気の高かった展示、セミナーの一部をご紹介します。会場にてご覧いただいた方も、会場にいらっしゃれなかった方もぜひご一読ください。

初出展!ロボットと人が協調する未来型ものづくり「NEC DX Factory」

NEC DX Factory内部の様子 AIやロボットと人の協調

多様化するお客様ニーズに応えるためのマス・カスタマイゼーションへの対応、スループット向上、品質向上など、これらは製造工程の一部を最適化するだけでは実現することはできません。NECは製造工程全体の最適化を目指し、NECの先端技術(画像認証、生体認証、セキュリティ等)とものづくり革新のノウハウを融合した未来型ものづくり「NEC DX Factory」を初公開。
部品投入、加工・搭載、組立、検査までの一連の流れをデモンストレーションでご覧いただき、多くの方にAIやロボットと人が協調する未来のものづくりの現場をリアルに体験していただきました。
DMS2018後は、NEC玉川事業所にて製造業のお客様向けに「NEC DX Factory」を開放いたしますので、会場でご覧いただけなかった方はぜひ担当営業までお問い合わせください。

顔が鍵!スキル保有者なりすまし防止ソリューション

QRコードと顔の2要素認証でなりすましを防止

昨今、品質関連のトラブルが多く取り上げられていますが、その中の1つとして、無資格作業者による作業の実施が問題となっています。

そこで有効なのが、「NEC DX Factory」でも実装されているソリューションの1つである、顔認証技術を活用した、スキル保有者かどうかを判定する「顔認証なりすまし防止ソリューション」です。顔認証技術で作業者を特定することで、無資格者がなりすまして作業を実施することを防止します。本ソリューションはデータベース、ネットワークは不要で、システム内に個人情報を保持しない点も、工場内での利用に適していると好評でした。

スループット向上のためにまず取り組むべきこととは?

KPIの達成度合いを視覚的に把握できる「IFS Enterprise Operational Intelligence」

スループットを向上させるには、工場の中だけでなく、サプライチェーン全体のモノの滞留を見える化し、滞留の原因を分析し、継続的に改善を図っていく必要があります。
このPDCAサイクルを高速に回すことでスループットの向上につながります。

DMS2018では、在庫の適正化を例にNECの考えるPDCAサイクルをデモを交えてご紹介しました。

NECのSCM Performance Monitoringはモノの動きをグラフィカルに見える化するので、全体俯瞰で滞留箇所の特定が可能になります。さらに、IFS Enterprise Operational Intelligenceを活用し、在庫数・金額のKPIに対する、顧客別、工場別など様々な視点での達成度合いを視覚的に把握。
問題/異常がある場合は早急な課題解決アクションが可能になります。
たとえば、直近はかんばん枚数を見直しし、3か月以上先の計画はNECの異種混合学習技術を活用したAI需要予測を使い需要予測精度の向上が可能です。
これらの活用により、PDCAサイクルを高速に回すことが可能になり、在庫の適正化を実現、スループットの向上につながります。

PLM強化ポイント ~AIを活用した技術ナレッジの継承とBOPの進化~

今回は、PLMの未来をテーマに、AI活用でベテランから若手に技術ナレッジを継承する【AI設計ナビゲーション】や、IoT活用でものづくりの改善PDCAを強化する【BOPマネジメント】など、最新版の「Obbligato III」を展示しました。

近年、製造業における技術者の高齢化や退職が進む中、企業競争力の源泉である技術ナレッジのベテランから若手への継承が大きな課題となっています。また、AIの活用についても取組みや検討が進んでおり、お客様の注目度も高く、多数のお客様にご来場を頂きました。

先日、販売活動開始を発表した 「Obbligato III / AI 設計ナビゲーション」は、NECの最先端AI技術である「RAPID機械学習」を活用し、ベテラン技術者の勘と経験を可視化、経験の浅い技術者を支援することにより、経験の浅い技術者の早期立ち上げ、ヌケ漏れ防止、設計品質ばらつきの低減を実現します。

また、グローバルものづくりにおける競争力強化の次なる一手として注目され、進化を続けている「Obbligato III / BOPマネジメント」は、ものづくりの基準情報(BOM/BOP)を統合管理し、IoTデータを活用してカイゼンPDCAサイクルを回すことにより、企業全体のパフォーマンスを継続的に最大化する取組みとして、ご紹介いたしました。

IoT・AI活用を支える次世代工場ネットワーク ~高信頼無線× SDN~

セキュアな工場ネットワークを支えるSDN

ものづくり革新を進めるうえで重要なプラットフォームの一つであるネットワーク。
リアルタイムな設備稼働状況の確認やサイクルタイム把握などのスマートファクトリー化において、ネットワークの追加や見直しが必須となりますが、従来のネットワークがボトルネックとなり、なかなか進まないというケースも散見されます。

NECのSDNは工場内の多種多様な設備やMESなどの業務システムをつなぎ、セキュアかつ柔軟に管理することができ、生産性の向上・ものづくりの高度化・技術の伝承のための、止まらない・管理しやすい・つながる工場ネットワークの実現に貢献します。
今回は高信頼性無線LAN技術やSDNのデモを交えてご紹介し、工場のスマート化に際して、インフラの重要性を改めて実感したとのお声をいただきました。

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自動車部品メーカーの課題に対する、グローバルBOM/BOPの活用アプローチ

製造現場の品質マネジメント強化システムをデモでご紹介

昨今の自動車業界が直面する度重なるリコール問題。自動車業界全体の大きな課題となっており、自動車部品メーカーにとっても、「品質」への対応は避けては通れないテーマの1つになっています。また生産工場も国を超えて他拠点に渡っているため、グローバル生産における品質マネジメントをどう進めるべきか、お困りの方は多いのではないでしょうか?

今回、自動車部品メーカーが取り組むべき品質マネジメント手法であるプロセスアプローチ(リスクコントロールとPDCA)に着目し、これを実現するIT施策についてのセミナーを実施。自動車メーカーからの品質管理に関する監査要請に対応しているサプライヤの方、品質保証費削減等の課題をITで解決したいをお考えの方に非常に好評なセミナーとなりました。
また展示会場では、自動車部品メーカーで求められる製造現場のPDCAを実現する品質マネジメントシステムを、BOM/BOP,MES,IoT連携イメージを交えながら、デモ形式でご紹介しました。