ここから本文です。

2018年11月27日

「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018」レポート

AIやIoTを活用した自然災害の事前対応と人命保護

 世界中で自然災害が頻発化・激甚化しています。日本でも2018年は、8月に台風21号が近畿地方を、9月には最大震度7の大地震が北海道を襲い、甚大な被害をもたらしました。災害による被害を軽減するためには、対症療法的な事後対応だけでなく、積極的・総合的な事前対応の推進が求められます。「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2018」では、防災に関する3つのソリューションを紹介しました。

AIによるカメラ画像分析で河川の水位を検知

 画像解析技術を駆使した河川監視では、監視カメラ映像を、AIが画像分析して水位を検知します。ディープラーニング(深層学習)で水際情報を学習し、水領域・非水領域を判定することによって、危険水域に達したことを検知するとアラームを出す仕組みになっています。河川の安全を守るには、たくさんの河川映像を監視する必要がありますが、AIを活用したこの技術が、水位の異変の見逃しや監視業務の負担の低減に貢献します。

 画像処理には、映像鮮明化技術を活用しており、霧・もやなどが発生しても検知が可能です。監視モードとして、単一の映像を20秒間隔で繰り返し監視する「集中監視モード」と、20秒間隔で別映像に切り換えて監視する「巡回監視モード」を搭載しています。

 国土交通省仕様のHD/SDマルチキャストストリーム映像に対応しているため、すでに設置してあるカメラをそのまま使用できます。初期設定も容易で、河川の様子を映したカメラ画像上で検知エリアや警報水位を決めるだけで、すぐに監視をスタートできます。

水位検知装置のデモ展示
テレメータ水位計と比べても非常に高い検知精度を試験で実証していることを紹介しました

土砂災害の予兆を検知して住民の被害を回避

 「土砂災害予兆検知ソリューション」は、土砂災害が発生する恐れのある斜面にセンサーを設置し、そこからの情報を収集・解析することによって、災害の危険性を「見える化」するシステムです。

 NECのデータ解析技術を活用した独自の手法によって、センサーが実測した土中水分量にもとづいて、土砂災害の危険性を斜面の安全率として定量化する仕組みになっています。斜面の崩壊(事後)を検知するのではなく、予兆(事前)を検知することによって、住民を安全に避難させることが可能になります。

 すでに、このシステムを稼働させている自治体もあります。長崎県諫早市は、市内の中学校の裏山にシステムを設置し、水分量のデータを計測しています。計測状況は常時クラウドにアップロードされ、市役所本庁の大モニターにより斜面崩壊の危険性を確認しています。

土砂災害予兆検知ソリューションのデモ展示
会場では土中水分センターが土中水分量を実際に測定する様子をご覧いただきました

災害時のSNSを分析して「どこで何が起きているのか」を素早く把握

 「最先端の自然言語処理を活用した高度自然言語処理プラットフォーム」と名付けられたソリューションでは、災害が発生した際に投稿されるSNS情報を分析して、「どこで何が起きているのか」を素早く網羅的に把握することができます。SNSの投稿に含まれるインフラの被災状況や被災者、避難所、帰宅困難者の状況などの情報をリアルタイムで解析し、場所やカテゴリごとに分類して地図上に表示します。

 本研究開発は、総務省による「IoT/BD/AI 情報通信プラットフォーム」社会実装推進事業の一環であり、現在は全国各地で実証実験中です。画面やAPIは、誰でも利用できます(*1)

 今回の展示では、過去の災害時に流れたSNS情報を分析した結果のデモンストレーションを行いました。例えば、2018年9月の北海道胆振東部地震では、大規模な停電の発生を報道よりも早く把握できた様子が分かります。

 NECでは、最新テクノロジーを駆使することで自然災害の被害を低減するとともに、人命保護に貢献するソリューション・技術の開発を進めています。

(*1)本研究開発は、総務省の「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム」社会実装推進事業による委託を受けて、アビームコンサルティング株式会社が代表研究機関として実施しています。
「最先端の自然言語処理を活用した高度自然言語処理プラットフォーム」ポータルサイト
https://www.nlppf.net/portal/

「どこで何が起きているのか」を一目で把握することができます。実際のSNS投稿も確認することが可能です

関連キーワードで検索

さらに読む

この記事の評価


コメント


  • コメントへの返信は差し上げておりません。また、いただいたコメントはプロモーション等で活用させていただく場合がありますので、ご了承ください。
本文ここまで。
ページトップ