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2021年10月13日

マスク対応の顔認証で入退を管理
New Normal対応の新オフィス「SMBC豊洲ビル」

オフィスビルの利便性と安全・安心を実現~マスク対応の顔認証:SMBC豊洲ビル~

 三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)の決済・コンシューマーファイナンスビジネスの新しい拠点として2021年4月に開業したSMBC豊洲ビル。グループ会社間や社員間の垣根を越えたコミュニケーションを活性化して、新しいビジネスを発信するきっかけとしてほしい。そのような思いから、会議エリアをはじめ、リフレッシュエリアや食堂などを、入居するSMBCグループ各社で共有するオープンな設計を採用している。さらにSMBC豊洲ビルのもう一つの特徴となっているのが入退館、入退室管理である。最新の顔認証技術を採用しており、マスクを着用したまま、顔をかざすだけで入退館ゲートを通過したり、入退室のキーを解除したりできる仕組みとなっている。利便性と安全性にこだわった新拠点について、キーパーソンに話を聞いた。

本格的な実用が進む顔認証技術

 IoTやAIなど、さまざまな技術が社会の変革に役立てられている。生体認証も、その一つといえよう。暗証番号、パスワードのように他人に推測されたり、鍵やカードのように紛失や盗難に遭ったりする可能性もなく、唯一性によって安全性を強化できるのが採用される理由の一つだ。

 指紋認証から研究が始まった生体認証は、技術や利便性の向上から目覚ましい進化を遂げている。特に現在、社会への実装が加速しているのが「顔」による認証だ。新型コロナウイルスの感染拡大によって非接触が新しい常識になるなか、デバイスに触れる必要がない顔認証は活躍する場所を増やしている。政府施設や空港のような高いセキュリティが求められる交通機関をはじめ、近年はマンションやホテル、コンサート会場、イベント施設、そして、店舗決済やオンライン本人確認など幅広い分野に普及している。

 2021年4月に開業した「SMBC豊洲ビル」は、この顔認証を全面的に採用した、最新のオフィスビルである。

シナジー効果を活かして新しい価値を提案

 現在、金融業界は大規模な価値のシフトが起こっている。いわゆるFinTech企業が多数参入し、スマートフォンなどを使って新しい提案を行うようになった。また、キャッシュレス決済も普及し、もはやスマートフォンをレジ端末にかざして買い物をする人の姿は当たり前の日常になった。

 このような変化に対応してSMBCグループは、どんな提案をしていけるのか。そうした思いがSMBC豊洲ビルの背景にはある。

 「三井住友カード、SMBCファイナンスサービス、SMBCコンシューマーファイナンスという、SMBCグループの決済・コンシューマーファイナンスビジネスを担う企業の本社機能を集約。シームレスな環境で場や知識を共有し、そこから生まれるシナジー効果を活かして、大きな環境変化が起こっている金融ビジネスに新しい価値を提案していく。SMBC豊洲ビルは、そのプラットフォームとして位置付けられています」とSMBCグループの進藤 晃氏は語る。

三井住友フィナンシャルグループ
管理部 開発グループ グループ長
進藤 晃氏

 そのためにSMBC豊洲ビルは、執務フロアこそ各社の業務に合わせているものの、会議エリアをはじめ、リフレッシュエリアや食堂なども共有して利用できるオープンな設計となっている。このようなオープンな空間で生まれる偶発的な出会いによって、シナジー効果を高めてほしいという期待があるからだ。「これまではすれ違う機会すらなかったかもしれませんが、一つのビルに集まり、さまざまなスペースを共有するようになれば、自然と出会いやコミュニケーションが生まれる。そこから化学反応が起き、新しいアイデアやビジネスの発信につながることが期待されています」(進藤氏)。

マスクをしていても顔で認証が可能

 このように「自由」「風通しの良さ」を重視しているSMBC豊洲ビルではあるが、オフィスビルである以上、セキュリティ対策は無視できない課題となる。自由が力を発揮するには、安全の前提があってこそともいえよう。

 そこでSMBC豊洲ビルでは、ビルセキュリティの基本となる入退館、入退室管理に顔認証を採用している。しかも、マスク対応というNew Normal仕様の最新の顔認証技術だ。

 「もともとPCのログインに顔認証を使っていましたから、既に社員にはなじみの技術となっており、導入の障壁は小さいと考えました。その上で、紛失や盗難によって生じるなりすましや不正入館などのリスクを低減できることなどを総合的に判断して顔認証の採用を決めました。もちろん、非接触で認証でき、感染症対策につながることも大きなポイントでした。また、SMBC豊洲ビルはグループの未来を象徴するビルですから、グループの先進性を示す象徴の一つという意味合いもあります。実際、開業後に訪問されたお客様が『本当にマスクをしていても問題なく認証されるんですね』と何度も感心しておられたと聞いています」と進藤氏は話す。

 SMBC豊洲ビルの利用者からは「マスクを着けたまま認証されるため、スムーズにゲートを通過できるところがいい」「非接触での認証は感染症対策としても有効だと思う」など、便利で安全な仕組みとして受け入れられているという。一つのゲートあたり1分間で最大20人以上の認証が可能で、入退館ゲートの混雑緩和にも役立っている。また、業務を変革する現場のリーダーの中には「先進技術に触れることで刺激を受け、新しいビジネスを考えるモチベーションやきっかけにしてほしい」という期待の声も上がっているという。

ほかの用途でも応用が可能な顔認証

 開業時点では、エントランスにある6台の入退館ゲートに加え、17のフロアに260台以上の顔認証端末が備えられており、この時点でオフィスビルへのマスク対応顔認証システムの導入事例としては日本最大級となる。

 システムを提供したNECは顔認証技術におけるリーダー的存在である。

 一般的に顔認証は目、鼻、口などの位置や形、大きさの特徴点を抽出し照合を行うが、今回SMBC豊洲ビルに提供したマスク対応の顔認証技術は、マスク着用の有無で顔認証エンジンを切り替える仕組みとなっている。マスクを着用していると判断したときには、マスクで覆われていない目の周辺に重点を置いて特徴点を抽出し、照合するのである。NEC社内での評価では、マスク着用時の1:1認証での認証率が99.9%以上(※)となっており、マスク着用者と非着用者が混在しても、高精度な認証を実現している。

(※)他人受入率10万分の1のときの本人受入率

 「導入時には、西日を受けたときや、照明の暗い廊下でどうやって認証精度を維持するかなどの課題に直面しましたが、それらもクリアして、SMBC豊洲ビルに最適な提案を行ってくれました。そのおかげで、想像していたよりもスムーズに導入できたと思います」と進藤氏は言う。

 現在、同社が活用しているのは、入退館、入退室管理の仕組みだけだが、顔認証が応用できる幅は広い。広く知られているのは、NEC本社の売店。この売店は、NECの社員なら顔認証で決済を行うことができるようになっている。同様の実証実験は、社会のさまざまな場所で行われており、顔認証は社会の重要なインフラを担おうとしている。

 「複合機やロッカーなど、オフィスを見回すとさまざまな設備が認証機能を備えています。そのような設備が広く顔認証に対応するようになれば、利便性はさらに高まるでしょう。NECのようなベンダーには、そのような環境づくりも期待したいですね」と進藤氏は言う。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が頻繁に取り上げられるように、現在、社会はさまざまなデジタル技術によってアップデートされようとしている。顔認証技術で利便性と安全性の向上を図ったSMBC豊洲ビルの事例も、その一つといえよう。SMBC豊洲ビルのオープンな環境でのシナジーによって、SMBCグループが社会にどんな新しい価値を提案するのか。今後の同社に注目したい。

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