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2022年07月22日

日経MOOK『スマートシティ3.0』(2022年6月28日 日本経済新聞出版)より転載

「技術×構想力×粘り強さ」で地域らしく進化し続けるまちづくり

 地域がもつ固有の「らしさ」と新しい「らしさ」を引き出し、人々が安心して活き活きと暮らし続けられるスマートシティをめざすNEC。先進技術に強い企業が見出した「技術の前の取り組み」の重要性について話を聞いた。

技術だけにとらわれないNECの気づき

 2021年9月、NECは自治体や地域の観光、健康・医療・福祉、防災、行政など複数分野の課題解決を目的とした、クラウド型データ連携利活用サービス「NEC都市OS」を発表した。すでにいくつもの自治体に提供してきた、オープンAPIを採用したグローバルスタンダードである「FIWARE(ファイウエア)」を使ったデータ利活用基盤機能に加え、個人同意管理に対応したパーソナルデータ利活用基盤機能、AI活用のデータ分析機能、生体認証活用の個人認証機能、ID連携管理機能、フルレイヤーセキュリティ機能など、価値の源泉であるデータを生み出し続けるために必要な機能を盛り込んでいる。

 これまでも全国の自治体におけるスマートシティ事業に数多く参画するとともに、国が進めるデータ連携基盤整備のための調査やAPIやデータモデルの策定、あるいは国内外でのスマートシティづくりに関わってきた。遡れば、電気・電子機器、ICT、半導体、コンピュータ、宇宙産業などに関わる多種多様な製品とサービスで、国内外の社会インフラを支えてきた実績がある。NEC都市OSは、いわば長年にわたって積み上げた社会インフラ技術の1つの到達点とも言える。

地域課題を解決する多様な分野横断サービス
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NEC都市OS
分野ごとに分かれたスマートシティのサービスは、都市のオペレーティングシステムである「NEC都市OS」を使って組み合わせることで、より効果を発揮し、人々の生活を便利で快適にする。また、NECの強みである、5Gなどのネットワークを組み合わせたサービスも提供している

 だが、スマートシティ事業推進部門スマートシティスペシャリストの西岡満代さんは「スマートシティに関わるほど、地域の方々の課題解決が一筋縄ではいかないことを実感した」という。

 「スマートシティへつながる取り組みは、IoTなどの技術を街中に導入してまち全体の高度化・自動化をする着想から始まりました。しかしその後、実証を手がけるにつれて、対面サービスやケアなど、人間にしかできないことを人間に任せるために技術を使う、技術を使うことで人が集まったり、コミュニケーションが深まったりと、単に効率や利便性だけではなく、人々の生活の豊かさを軸にまちづくりを考えることが大切だと考えるようになりました。

 そのために重要なテーマとして掲げているのが、「構想力」、「技術」、「粘り強さ」の3つだ。中でも西岡さんは粘り強さを大切に取り組んでいる。

住民が価値を享受できる世界に誇れるまちの姿

 まちづくりでは、自治体が地域としてどうありたいかを描く構想力が重要になる。理想のまちのイメージが固まり、目標が定まってくれば、現実とのギャップが見えてくる。すると、そのギャップを埋めるために何をすべきなのか、施策を維持するためには、どのくらいの予算や稼働人員が必要なのかが、自ずと見えてくる。

 だが、あるべきまちの姿を描くことはたやすくない。住民の声が引き出せず、本質的な要望に応えきれないケースが多い。NECでは、地域におけるスマートシティ協議会などの組織の立ち上げ時から参画し、理想のまちを描くところから一緒に関わってきた実績がある。そのうえで住民や自治体担当者、企業などのステークホルダーへ丁寧にヒアリングを行って本質を引き出し、言語化する作業を住民や自治体と一緒に粘り強く行っている。

NEC スマートシティスペシャリスト
西岡 満代

 「NECは先進技術によって、構想を実現するための高いハードルを下げることに加えて、技術以前の取り組みも重視して、地域の皆様と取り組んできました。スマートシティには技術もデータも必要ですが、それだけでなく、技術とデータと人を信頼でつなぐ粘り強さが必要です」

 こうした粘り強さは、住民をはじめとしたステークホルダーが価値を享受する接点であるサービス開発にも活かされている。

 高松市では、NECと共同でデータ連携基盤FIWAREをもとに「たかまつIoT共通プラットフォーム」を構築し、防災・観光・交通・福祉など多様な分野における新たなサービスの開発実証と実用化を支えている。この活動の成果は、市職員の業務へのデータ利活用のみならず、防災情報の可視化や、迅速かつ的確な情報提供など、高松市公式ホームページ上に設けられたダッシュボードなどを通じて、市民サービスの向上にも表れている。また、2020年からは近隣の綾川町、観音寺市とプラットフォームの共同利用が開始され、これらの活動が広域へと展開されている。

2025年に200都市めざすNECの展望

 スマートシティに必要な都市OS提供やサービス開発を進める一方で、更に広く社会実装を進めるためには、議論の場、共創の場を増やすことが重要だと西岡さんは考えている。

 「スマートシティが支える住民の暮らしには健康・医療・福祉、防災、移動など全ての分野が関わります。また地域課題も多岐に渡るため、様々な知見や技術をもった人が組織や立場を越えて共創することが重要です。NECはそのための場の創出も牽引していきたい。そして地域密着体制で長らく取り組んで来た経験や人脈と、都市OSが結ぶデータ連携を活かして、地域らしいスマートシティの実現に貢献していきたいです」

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