ここから本文です。

2019年08月26日

社会価値創造レポート Lifeline infrastructure

交通と物流のデジタル化
移動弱者の解消から始める地方創生と持続可能な社会の実現

 少子高齢化の進展に伴い、公共交通に代表される交通インフラの維持・運営が困難な地域が急増しており、日常生活を送る上で必要な移動手段を確保できない「移動弱者」の問題が生じています。さらに、需要の減少や後継者の不足、自動車運送業の担い手不足による物流機能の低下等の様々な要因によって、小売店の撤退等、地域経済の衰退を招いています。

 これらの課題に対処していくため、政府や業界団体、企業が垣根を超えて連携すると共に、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)等の最先端技術を活用し、交通・物流インフラの改革に向けた取り組みを積極的に進めています。

 本レポートでは、公共交通と物流をとりまく社会動向の変化と課題、政府および企業による課題への取り組み事例を紹介するとともに、社会のライフラインともいうべき交通・物流インフラを最先端のデジタルテクノロジーを駆使して高度化、効率化することで人々の豊かな生活と経済の成長を支援する、NECの考え方や取り組み、ソリューションやサービスをご紹介します。

 レポート全文はPDFダウンロード(NEC ID登録が必要)にてお読みいただけます。

このレポートをPDFでダウンロード

 以下、本レポートの前半部分を掲載しています。
交通と物流のデジタル化を実現するNECの考え方や取り組み、ソリューション、サービスについてはレポートをダウンロードしてお読みください。

生活や産業を支える交通・物流インフラの維持が困難に

日々深刻さを増す「移動弱者」の問題

 超高齢社会への突入により、日常生活を送る上で必要な移動手段を確保できない「移動弱者」の問題が急浮上しており、公共交通網へのアクセシビリティに困難を抱えている高齢者や、運転免許証返納等による移動の足を持たない高齢者は、買い物や通院等日々の生活に支障をきたす状況となっています。一方、移動手段として自動車が手放せない高齢者も多く、高齢者による事故の増加は社会問題となっています。

 特に地方部ではこの問題が深刻で、人口減少・過疎化より交通インフラの維持が困難となり、交通空白地帯が拡大しています。バス、鉄道といった公共交通網では、運賃収入やドライバーの担い手の減少によりその衰退が進展しています。2000年から2016年までのバスの輸送人員の推移では、首都圏、中京圏、京阪圏の三大都市圏では2%の減少に留まっているのに対して、その他の地域では24%も減少しています*1。また、廃止される全国の鉄道路線長も年々増加する等、交通インフラの維持が困難になっている実態が浮き彫りとなっています。

交通・物流インフラ衰退による地方の人口流出と経済縮小

 過疎化が進む地域では、需要の減少や後継者不足、自動車運送業の担い手不足や輸送需要の減少による物流機能低下等の様々な要因によって、小売店の撤退などの地域経済の衰退を招いています。進行状況によっては、日常生活での買い物等「モノへのアクセス」を低下させ、「買物弱者」を生み出しています。

 この問題の背景には日本の少子高齢化に伴う人口減少があります。人口減少が交通・物流インフラを衰退させ、地域経済の衰退を招き、それがさらなる人口減少につながるという「負のスパイラル」に陥っています。

 このような負のスパイラルを解消していくためには、「ヒトの移動」を支援する視点と、「モノへのアクセス」を向上させる視点の2つに基づいて、解決策を打ち立てていく必要があります。しかし、各事業単体に着目した施策を個別に講じただけでは、採算の担保が困難であり、超高齢化社会における持続可能な交通・物流インフラには成り得ません。したがって、最新のデジタル技術を活用し、交通インフラ全体を見据えた効率化を図っていくと同時に、人々の生活や産業を支える物流インフラについても、全行程を通じた効率化を実現していくことが急務となっているのです。

*1 出典:経済産業省 IoTやAIが可能とする新しいモビリティサービス関する研究会「中間整理を踏まえた調査結果」

画像を拡大する

官民一体で進む次世代交通・物流インフラの実現

政府が推し進める新しいモビリティサービスの社会実装

 「Uber」や「Lyft」といった海外発の自動車配車サービスが急速に普及し、移動弱者対策の1つとして注目を集める一方、既存産業にディスラプション(破壊)をもたらしています。日本でも先行する海外の動きに触発され、移動弱者の増加、そして地域経済の衰退といった問題への対応策として、官民の連携により、AI(人工知能)やIoT等の最先端技術を活用した、“新しいモビリティサービス*2”の実用化に向けた取り組みが積極的に進められています。

 その1つが、国土交通省が実施している「新モビリティサービス推進事業」です。これは、MaaS*3等の新たなモビリティサービスの実証実験を政府が支援することで、地域の交通課題解決に向けた事業モデルの構築を推進しています。全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行う「先行モデル事業」19事業を選定し、今後、実証実験の支援を行っていく計画です。

 また、経済産業省は「IoTやAIが可能とする新しいモビリティサービスに関する研究会」を開催し、有識者や企業と現状や今後の取り組みについて議論と検討を重ねています。さらに2019年4月からは国土交通省とともに、新しいモビリティサービスの社会実装に挑戦する地域等を支援する新プロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」を開始しています。

次世代物流の実現に向け、経済団体からも政策提言

 民間の経済団体からも次世代物流とモビリティに関する政策提言が行われています。日本経済団体連合会は2018年10月に「Society 5.0時代の物流」を発表しました。サプライチェーン統合プラットフォームの構築により、RFID*4等を用いた物流のリアルタイムでの追跡・管理や、業種の垣根を越えた共同輸送、幹線輸送におけるトラックの自動走行・隊列走行、自動走行車・ドローンを活用した小口輸送等による輸送の省人化・省力化を提言しています。また経済同友会も2019年2月に政策提言として「経済成長と競争力強化に資する物流改革」を発表し、先進技術の活用による物流の効率化、標準化に向けて「物流プラットフォーム」の構築と規格の統一化を提唱しています。

 このように官民において、新しいモビリティサービスや物流改革に向けた取り組み進められています。しかし、その実現には、より多くの官公庁、自治体、企業、研究機関等による、さらなる協力と連携が求められています。

*2 モビリティサービス 自動車を移動や輸送のための手段として位置づけ、そのための機能をサービスとして提供する概念

*3 MaaS : Mobility as a Service(サービスとしての移動)自家用車以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念。移動にかかわる総合的なサービス化を行うことから、モビリティサービスよりも広い領域をその範疇としている

*4 RFID: Radio Frequency Identification

画像を拡大する

デジタルによる変革が鍵となる「交通」「物流」の未来

新たなモビリティサービスを目指す共創が加速

 民間企業においてもMaaSや次世代物流に対する関心は高まりを見せており、様々な取り組みが進められています。経済産業省が発表している「「IoTやAIが可能とする 新しいモビリティサービスに関する研究会」中間整理を踏まえた調査結果報告」によると、事業者による取り組みとして、公共交通事業者や自動車会社等の取り組みが始まっています。

 JR東日本は、交通事業者、国内外メーカー、大学、研究機関等が連携し、オープンイノベーションにより公共交通を取り巻く様々な社会課題の解決に取り組む「モビリティ変革コンソーシアム」を設立しています。コンソーシアムでは複数のワーキンググループ(WG)が課題別に組織され、実証実験等の取り組みを行っています。

 具体的には、鉄道を中心にタクシーやバス等の連携を強化し、出発地から目的地までのシームレスな移動の実現を目指す「Door to Door推進WG」、街の特性に応じて駅を核とした新しい街づくりを目指す「Smart City WG」、サービスの品質向上に加え、作業安全性の向上や作業効率化、メンテナンス業務革新を目指したロボット活用を推進する「ロボット活用 WG」、駅および駅周辺での混雑状況を可視化し、安全・快適な人々の移動を目指す「混雑緩和 WG」が活動しています。*5

 また、国内での自動車会社を中心とした取り組みには、ソフトバンクとトヨタによる共同出資会社「MONET Technologies」による活動があり、新しいモビリティサービスの提供を目指しています。

 具体的な取り組みとして、行き先や日時等を指定し、予約してバスなどに乗車する次世代のオンデマンドモビリティサービスの提供に向けた実証実験を、全国17の自治体(2019年7月時点)との連携*6により展開しています。さらに2019年3月には、次世代モビリティサービスの推進と移動における社会課題の解決、および新たな価値創造を目指す「MONETコンソーシアム」を設立し*7、多種多様な業界・業種の企業に参加を呼び掛けています。

 NECもこれらのコンソーシアムに参加してデジタル技術による変革に取り組んでいます。

 このように、国内においてもMaaS、AIやIoT等の技術を活用したモビリティサービスが実証フェーズから実用化に向けて進んでいます。これらの技術を活用した取り組みをさらに推し進めることにより、移動弱者や地域経済の衰退といった社会課題を解決するとともに、企業としての競争力を高めていくことが可能となるのです。

*5 出典:JR東日本ニュースリリース「モビリティ変革コンソーシアムの実証実験開始について」

*6 出典:MONET Technologiesニュースリリース「MONET、次世代のオンデマンドモビリティサービスの提供に向けて、17自治体と連携」

*7 出典:MONET Technologiesニュースリリース「MONETコンソーシアム」を設立

画像を拡大する

 レポートの後半部分では、交通と物流のデジタル化をサポートするNECの取り組みについて、PDFで紹介しています。PDFをダウンロードいただき、是非ご一読ください。

このレポートをPDFでダウンロードして続きを読む

関連キーワードで検索

さらに読む

この記事の評価


コメント


  • コメントへの返信は差し上げておりません。また、いただいたコメントはプロモーション等で活用させていただく場合がありますので、ご了承ください。
本文ここまで。
ページトップ