2017年03月21日
画像や映像を解析して公共の「安全」と「快適」に貢献する
NECのパブリックセーフティソリューション
人の動きから異常を検知し事故・事件を防止
高度映像解析・行動検知システム「IAPRO」も注目の技術だ。これは対象の振る舞いに着目し、人・車・物体などリアルタイムで動くものを高速かつ高精度に検知する。重要施設や危険区域付近での不審行動や置き去りものの検知といった防犯対策のほか、駅プラットフォームからの線路内への立ち入り/転落検知、駐車禁止エリアにおける違法駐車検知など公共の場における安全対策にも威力を発揮する。


IAPRO画面イメージ
アルゼンチンのティグレ市はこの技術を用いた街中監視システムを実現。犯罪につながりやすいバイクでの2人乗りやノーヘルメットの検知、不審な行動や車両の検知など街中の安全対策に役立てている。
また「群衆行動解析技術」は防犯カメラを活用して、大規模な群衆の行動をリアルタイムかつ高精度に推定・予測する。群衆映像から混雑状況や異変を検知する世界初の画期的な技術だ。数万人規模の混雑環境下でも群衆の混雑度と流れを定量的に把握し、正確にデータ化する。

画像を拡大する
2016年5月に日本の三重県で開催されたG7伊勢志摩サミットの期間中には警視庁と連携し、東京都内でこの技術を用いた先進警備システムの実証実験を実施した。不審物の置き去りや混雑状況のリアルタイム検知に活用し、事件・事故の未然防止、混雑エリアの適切かつ効率的な誘導に効果を発揮した。
観客数数万人規模のスポーツイベントの実証実験では、リアルタイムな群衆誘導に必要な10分先の混雑状況を、20%以内の誤差で予測できることを確認したという。人が密集するエリアでの混雑緩和のほか「特定箇所に一気に人が集まる」「四方に人が拡散する」といった通常の行動とは異なる動きを検知することで、事件・事故の早期発見も可能になる。
東京都豊島区ではこの技術を防災対策の強化に活用している。具体的には主要駅や幹線道路の防災カメラ映像を基に混雑状況を把握するとともに群衆の行動を見える化。地震などの災害発生時に適切な誘導や情報発信を行う「安全・安心なまちづくり」「災害に強いまちづくり」を推進する。
紹介した3つのソリューションはすでに実用段階にあるが、NECはさらなる技術革新に取り組んでいる。音響検知の国際的コンテスト「DCASE2016 日常音検知部門」で第1位を獲得した「音状況認識技術」と組み合わせ、認識精度の向上を図る仕組みはその一環だ。映像だけでなく「音」とともに状況を分析することで「いま何が起こっているか」をより正確に把握できるようになる。
グローバル化は国や地域を越えた人の移動を活性化していく。それによってビジネスチャンスが広がる一方、想定外の事態が起こる可能性も高まっている。公共の安全をいかに守るか。そのための方策が強く求められているのだ。NECは先進のICTや知見を融合した革新的なパブリックセーフティソリューションの提供を通じ、安全・安心で豊かな社会の実現に貢献していく。