2019年12月18日
自主性とは?生き残る「自律型」組織の特徴や育成方法を解説
ビジネスシーンではよく「自主性や主体性をもって行動するように」といわれます。しかし、自主性と主体性の違いがわからなかったり、言葉の意味はわかっていても具体的にどんな行動を指すのかわからない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、自主性と主体性の違いから、自主性のある人の特徴、自主性を身につけるための方法を解説します。ぜひ参考にしてください。
自主性と主体性の意味とは?
自主性と主体性は、言葉は似ていても意味は同じではありません。まずはそれぞれの意味を正確に理解しましょう。
自主性の意味
自主性とは、「ある事柄に対して誰かに指示される前に行動できること」です。自分のやるべきことが明確になっていたり、あるいは自ら明確にしたりして、自らその事柄について率先して行動します。やる気や行動力とも言い換えられます。
自主的な人とはどういう人?
自主性がある人は自ら率先して動くため、誰かの指示を待っていて何もしていない、ということがありません。1つずつ指示を出さなくても、自分のやるべきことに気づき、行動できます。特に、新入社員に対して求められる姿勢といえるでしょう。
たとえば、学校の宿題について、親に言われる前に自分で取りかかれる子どもは自主性があります。ビジネスシーンでは、会議で出席者に資料を配付する必要がある場合、上司に指示される前に自分で気づき、人数分の資料をコピーして用意できる人も、自主性があるといえます。
主体性の意味
主体性とは、「何をするべきかを自分で考えて決め、行動に移せること」です。行動すべき内容が決まっていない場合でも、何をするべきかを自ら考えます。つまり、主体性には行動力に加えて、創造的な行為を伴うといえます。
主体的な人とはどういう人?
主体的な人は、与えられた課題に対して自ら問題点を見つけ出し、改善点を探ります。たとえば、やるべき仕事をこれまで通りただ実行するのではなく、よりよいものにするために自らアイデアを出して行動できます。
ただし、主体性を発揮した結果、組織の方針と異なる行動や結果になるケースもあります。そのため、場合によっては行動に移す前に周囲に相談する必要があります。
自主的な人と主体的な人の違いとは?
自主的な人は、与えられた課題などに対して自ら行動するという積極的な「態度」が重視されます。一方、主体的な人も積極的な態度をとるという点は同じですが、そのうえで、行動すべき内容を自ら考え、判断するという「意志」をもっています。
つまり、自主的な人と主体的な人の大きな違いは、態度と意志のどちらに主眼が置かれているか、ということです。スキルとしての難易度は、主体性のほうが高いといえます。ただし、どちらがより優れているというわけではありません。ビジネスシーンでは、両方を備えた人が求められます。
自主性のある人の特徴とは?
さて、話を自主性に戻しましょう。自主性のある人に共通する特徴とは、どのようなものでしょうか。部下や後輩、そして自分に当てはまるかどうか確認し、あてはまらない場合は参考にしてみてください。
自分に自信をもっている
自主性のある人は、自分に自信をもっています。できるという自信が積極的な行動を起こしている、ともいえます。
ビジネスシーンにおいて、自信は大きな武器のひとつです。自主性のある人は自分の能力に絶対の自信があるので、困難に見える課題にも積極的に取り組めます。取り組むべき問題が明確になると、自主性を発揮して一気に解決へと導きます。
物事を率先して理解しようと努めている
物事を理解しようとする気持ちは、わからない事柄を理解したいという欲求から生じます。知りたいという欲求は積極的なものであり、自主性のある人に見られる特徴のひとつです。
わからないことがある状態で仕事をただ実行しても、成果は期待できません。しかし、自主性のある人は、仕事を実行する上で感じた疑問点や不明点を放置しません。自分で疑問点や不明点を整理・解決し、仕事に取り組むため、成果を出すことができるのです。
指示を待たずに動くことができる
先に紹介したように、自主的な人は誰かに指示される前に動けます。ひとりで深く考え込むよりも、まずはやってみるという非常に能動的な性質をもっています。自主性のある人に対しては、指示を出す余計な労力と手間をかけずにすむため、組織としても最小限の指示のみで仕事を回せます。
なにごとにも柔軟に対応できる
考えるよりも先に行動するという、ある意味猪突猛進なイメージもある自主性ですが、実は柔軟性がなければ、自主的な人とはいえません。
たとえば、仕事に予想外のアクシデントが起きた場合、どのように対応するか悩み、実際に行動するまで時間がかかってしまう人は多いです。しかし、自主的な人は悩むよりも先に行動できるので、アクシデントに対しても柔軟に対応できます。トラブルに強く、常に前向きな人と言い換えることもできます。
自主性をもつにはどうすればいい?
自主性をもつためのコツは、考え方や行動に変化を与えてみることです。下記で紹介する内容を意識するようにしましょう。
自分に自信をもつ
自信をもつのは容易なことではありません。特に、仕事での成功体験がなければ、自分が優れているという自信はもちにくいものです。ポジティブな気持ちが少しずつ高まると、自信がもてるようになります。無理に自信をもつよりも、まずは自分をほめることから始めましょう。
無駄なプライドは捨てる
人によっては、妙なプライドが邪魔をして自主的に動くことを妨げてしまうケースがあります。しかし、そのようなプライドはあっても何の役にも立ちません。自分から積極的に動けるようになれば、仕事はどんどん回ります。無駄なプライドは思い切って捨てましょう。
自分の意思で発言する
自らの意志で発言するためには、自分で考え、納得する必要があります。誰かの意見にただ同調するだけでは、積極的な姿勢は身につきません。疑問点や不明点がないかをよく考え、納得できたことだけを周囲に伝えるようにしましょう。
柔軟に動く
予期せぬ問題が起こるたびに腕組みして悩んでいるようでは、自主性があるとはいえません。どのような状況においても、問題解決の方法を積極的に考え、まずは動いてみるという柔軟な姿勢をもつようにしましょう。
自ら率先して動く
できると思ったら、自分から進んで動くようにしましょう。誰かが動くのを待っていることは、指示を待ってから動くことと同じです。慣れてくると、最初に動くことがだんだん癖になってきます。フットワークが軽い人と呼ばれることを目標にしましょう。
失敗を恐れずに動く
「失敗は成功のもと」といわれるように、人は失敗をすることで少しずつ成功に近づいていきます。ですので、失敗を過度に恐れる必要はありません。起こるかどうか分からない失敗に怯むよりも、失敗してもいいというくらいの気持ちで動くことが大切です。
周囲に頼らず動く
誰かに頼ることは、決して悪いことではありません。しかし、いつも頼っていると、自分ひとりでは何もできない人間になってしまいます。自主的な人とは、自ら動ける人です。まずは誰にも頼らずに、自分の力だけでやってみることを意識しましょう。
部下や後輩を自主性のある人間にするには?
指示待ち人間にさせないためにも、これから紹介するポイントをもとに、部下や後輩を自主性のある人間へと育成しましょう。
仕事の指示を細かくしすぎない
仕事の指示を細かくしすぎると、どのような場合でも指示を待ってから行動するようになってしまいます。それでは自主的な人材は育ちません。
自ら動かなければならない環境を与えることで、自主性が養われます。重要なポイントは、頼れるのは自分自身だけという状況を作ることです。指示は最小限に留めて、部下や後輩に考えさせる機会を積極的に作りましょう。
まとめ
ビジネスシーンにおいては自主性や主体性のある人材が求められます。日々の意識を変えましょう。また役職者は、紹介した内容を参考にしながら、部下や後輩を自主性や主体性のある人間に育てる工夫をしましょう。
学校教育でそういったことを学べないまま社会人になってしまった人も多いでしょう。こういった状況を改善すべく、とある教育の場では「教えない教育」という取り組みが行われています。以下の記事でその取り組みについて説明しているので、ヒントにしてみてはいかがでしょうか。