2015年09月11日
日本企業必見!興隆アジアの新ビジネス事情
タイ進出の前に知っておきたい「ビジネス習慣10選」
「仕事・生活のインフラ」編
7.天気の移り変わりをしっかりと把握する
「バンコクは東南アジアでもトップクラスのひどい渋滞が起きる都市ですが、近年はBTS(Bangkok Mass Transit Systemとよばれるスカイトレインの略)や地下鉄網の発達で、朝と夜の通勤時間を除けば比較的スムーズに車で移動することができます。 一方で雨が降るとその状況は一変。バンコク市内の中心部は水捌けが悪いエリアも多く、少しスコールが降っただけですぐに道路が冠水します。すると、道路はますます渋滞し、普段10分で到着できる場所でも1~2時間かかることもあります。また、そうなると普段はメーター制のタクシーが交渉制に変わることもあり、英語に不慣れな出張者にはつらいです。そのため、5~9月の雨季には天気の移り変わりを敏感に察知し、「雨が降りそうな気配があればアポイントの時間よりかなり早く出発する」「できるだけ車での移動は避ける」ようにしましょう」(若井さん)
8.配車アプリを積極的に使う
「タクシーやトゥクトゥク(旅客用オート三輪)の「ぼったくり被害」には気をつけています。対処法は、タクシーは流しを使う、バイクは停まっているのを使う、トゥクトゥクは乗らないこと。タイ在住者はぼったくり被害に遭うことは少ないですが、出張者はぼったくりに遭遇しやすい。タクシーやバイクタクシーを配車できる「GrabTaxi/Bike」「uberX」などのアプリを活用することがオススメです」(越さん)
9.通信の不安定さは覚悟しておく
「中心部は4Gもあたりまえになったバンコクですが、日によっては、モバイルインターネットやWi-Fiがほとんど使えないことがあります。通信の不安定さになにかパターンがあるわけではないので、こればかりは対策のしようがありません。また、電圧が安定しないのか、配線の問題なのかは分かりませんが、電源ケーブルから火花が飛び散ることもよくあります」(木村さん)
たしかに、バンコクは日本と違って、オフィスの通信状況が必ずしも安定しているとは限りません。通信状況が不安定になっても冷静に対応できるように、自宅のネット環境を最大限整えるなどの工夫が必要でしょう。

「会社設立・ビザ取得など手続き」編
10.すぐに諦めないで担当官にアプローチをし続ける
「私たちのような外資企業は政府からの許認可取得で苦労するケースが多いのですが、それは粘り強いコミュニケーションで解決しなければなりません。すぐに諦めたりクレームをつけたりせずに、寛大な心で手続きを進めることが重要です。たとえば最近よくあるパターンが、化粧品などの越境eコマースでタイ市場へ本格進出する際に起きる、化粧品や食品を海外から輸入する際に必要な認可のFDA(Food and Drug Administration)取得問題です。タイで化粧品や健康食品の販売にはFDAを取得することが必須ですが、多くの外資系企業が一度はつまずきます。その際に重要なのは、すぐに諦めず問題点について担当官に相談し続けるなど、コミュニケーションを取り続けることです。ですから、数カ月単位の時間的余裕を持って申請したり、ノウハウや実績のある企業にサポートを依頼するのがよいでしょう」(若井さん)
「ビザ取得の手続きの仕方や承認の基準が、担当官によって異なることがあります。そういうときはよいひとにあたるまで、複数の担当官にアプローチする必要があります」(越さん)

筆者はタイの首都バンコクに長期間滞在し、その際、周辺の東南アジア諸国も訪れましたが、他国よりも経済成長が著しいと感じました。物価はどんどん上昇しており、高級ブランドが多数出店している新しいデパートや高さが314メートルの高層ビルが建設中であったりと、まさにバブルのような状況です。
タイは、現地の日本人ネットワークも強く、優良な進出支援企業がいるのはもちろんのこと、起業家同士の交流や情報交換も積極的に行われています。もし進出を計画している企業は、そうしたネットワークを頼ることがカギとなるでしょう。
(編集協力:岡徳之)