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2017年02月27日

地方創生現場を徹底取材「IT風土記」

大分発 営農の見える化を実現 農業再生の道開く原価管理

NECのおススメITソリューション|大分篇

 子どもの頃、田舎に住む祖父から、よくお米が送られてきたのをおぼえています。
自分たちが食べる分と、東京の娘世帯に送る分をつくる、土いじりが祖父の楽しみでした。孫の私が大好きなさつまいもを作ってみたよ、と一緒に入れてくれたこともありました。

 おじいちゃんの送ってくれるお米は美味しいでしょう。田んぼに入れる水の量が難しいの。タイミングや量のわずかな違いで、穫れるお米のおいしさが変わってくるのよ。母は、届いた段ボール箱を開けながら、よくそんなことを言っていた。おじいちゃんはお米づくりがとても上手なの。

 水の量で、お米の味がそんなに大きく変わるものかしら、とその頃の私は半信半疑だったけれど、大人になって、祖父の作るお米が食べられなくなってから、それが素晴らしく美味しかったこと、そして、農の営みがとても繊細で奥の深いものであることにようやく思い至ったのでした。

 日本の農産物は、世界でも折り紙付きの高品質。それを支えてきたのは、営々と伝承されてきた「匠の技」です。しかし、熟練した農家の経験や勘(暗黙知)は、高齢化や後継者不足により次世代に伝わらないまま消失しつつあるといわれています。農林水産省は、ICTテクノロジーによって暗黙知を形式知化し、誰もがそれらを学ぶことができるようにする新しい試みを推進しています。AI(アグリ・インフォマティクス=農業情報科学)農業です。

 NECでは、そうした動きを加速する農業ICTソリューション「NEC農業技術学習支援システム」を提供しています。マニュアル化が困難とされてきた熟練者の高度な農業技術を、「eラーニング」によって伝承する仕組みを実現します。

  • 指導者が、スマホのカメラで現場作業を撮影、簡単に農の学習教材をつくることができます。
  • 学習者が、農の現場でタブレットで教材を参照しながら、生きた学習ができます。

 おいしいお米をいただくと、日本に生まれた幸せを感じます。この国の農の精粋が、いつまでも受け継がれていきますように。

 次回は兵庫県の取り組みをお届けする予定です。

(By NEC IT風土記編纂室 R)

産経デジタル SankeiBiz編集部
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