「ビジネス」と「働き方」を変革する

　11月12日から開催される「NEC Visionary Week」。そのなかで「産業～これからの産業のかたちを創る～」を軸としたテーマセッションが実施されるが、ここでは“ビジネスを変える”と“働き方を変える”いうふたつの方向性から展開。これは、個々の業界にフォーカスした取り組みも重要だが、より複雑な社会課題に対応するためには、企業や業種の壁を越えてイノベーションを創出し、ビジネスのかたちそのものや働き方を変えなければいけないということを示唆していく。セッションを紹介しながら見どころを説明していく。

産業のデジタルトランスフォーメーションを加速

　「ビジネスを変える」のセッションでは、NEC Value Chain Innovationを通じ、「業種や業界を超えた取り組み」や、「産業のデジタルトランスフォーメーション（DX）」について語られる。前者の業種や業界を超えた取り組みとしては、三井住友銀行によるビジネスマッチングサービスや、食品ロスの削減に貢献する需給最適化プラットフォームについて紹介するセッションが予定されている。

　そして後者の産業のDXでは、製造・物流・流通領域におけるNECの取り組みの紹介や、事例セッションも取り入れながら、DXの最前線を説明していく。なかでも12月2日に予定されているセブン-イレブン・ジャパン 常務執行役員 大橋 尚司 氏とアビームコンサルティング 代表取締役社長 鴨居 達哉 氏を交えて議論するパネルディスカッションは見どころの一つだ。国内2万店舗を持つセブン-イレブンが、COVID-19による環境変化に対し業務プロセスをどのように変化させているのか、具体的な取り組みを交えながらDX推進のポイントを議論していく。

New Normal時代の「働き方」

　他方で「働き方を変える」のセッションでは、さまざまな角度からこれからの「働き方」が論じられる。COVID-19下での新しい働き方についてはZoomビデオコミュニケーションズインク 創設者 兼 CEO のエリック S. ユアン氏が登壇するセッションがあるほか、NEC社内で実証が進んでいるデジタルオフィスの可能性について語るセッションもある。またテレワーク浸透にむけては、「ハンコ文化」を見直すための取り組みを紹介するセッションもある。

　共創パートナーとの事例セッションも用意されている。働き方の変化を考えるうえで象徴的なケースは、JTBとの共創セミナーにおいて紹介される。JTBとNECソリューションイノベータは、現在ホテルの遊休スペースを使ったシェアオフィス事業を進めているという。業務のリモート化によってオフィスのあり方も変わっているが、デジタル化だけが変化の可能性ではない。ホテルの空き部屋をオフィスとして貸すような取り組みが広がっていくことで、オフィスはもちろんのこと、都市空間のかたちも変わっていくだろう。

5GやAIによるビジネスの変革

　地球温暖化や食糧危機など社会課題が複雑化するとともに深刻化する現在、領域を問わず産業のあり方そのものが変わっていくことが求められている。さらにはCOVID-19による生活様式の変化を考えれば、わたしたちがこれまでとまったく同じように働くことももはや現実的ではないだろう。「産業」のセッションは5GやAIによるビジネスの変革を説明するセッション複数用意されている。テクノロジーを活用しながらビジネスの構造や働き方が変わっていく可能性を提示しながら、同時に未来の社会のあり方について考えさせてくれるにちがいない。