2017年03月23日
モバイルワールドコングレス 2017
世界中から5G・コネクテッドカー・ロボットなど最新技術が集結
テクノロジーが社会的価値を構想し創造する
MWCでは将来のテクノロジーが展示されていた一方で、今現在、テクノロジー業界が直面している課題についても多くの議論がなされていた。
イベント初日、GSMAの「Big Data for Social Good(社会的利益のためのビッグデータ)」は、ビッグデータを災害や伝染病などにおいて人道支援に応用することを目的としている。
2日目には基調講演にてNECの代表取締役執行役員社長CEOの新野隆が登壇し、国連が掲げる「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)」達成のために技術をどう応用すべきかというテーマで語った。
「民間企業は、国連のSDGs支援において、重要な役割を担う」と新野は話す。
NECは「デジタルトランスフォメーション」をキーワードに、SDGs達成を支える取り組みを行っているという。例えば、アルゼンチンのティグレ市で、顔認識技術を利用して犯罪を減らすことに成功した事例。同市内の自動車の盗難は80パーセントも下がったそうだ。
Netflixのリード・ヘイスティングスCEOは、基調講演で今後5年から20年のテクノロジーの展望について尋ねられ「テクノロジーを予測するのはとても難しい」と答え、エコネット創業者のスボライブ・マシイーワ執行会長は「実験の文化が必要だ」と話し、冒険することの大切さを説いた。
新野は、デジタルトランスフォメーションはSDGs達成を促進させるとともに、NECのブランドメッセージである「Orchestrating a brighter world」にもつながると語る。テクノロジーには、「社会的価値を生み出す」ことに意義があり、「収益だけで企業価値をはかる時代はとうの昔に終わっている」と語る。
今後、テクノロジーがどう未来を変えていくか、展望するのは難しい。しかしモバイルワールドコングレス2017は、テクノロジーが未来創造の原動力になるということを、我々に再認識させてくれたといえるだろう。
