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モバイルワールドコングレス 2017

世界中から5G・コネクテッドカー・ロボットなど最新技術が集結

2017年03月23日

MWC:世界最大級の最先端テクノロジーの祭典

 モバイルワールドコングレス(MWC)が、モバイルデバイスやキャリアの枠を超えたイベントに成長したことについて、同イベントを主催するGSMAのマイケル・オハラ 最高マーケティング責任者(CMO)はこう語る。
「30年前、コミュニケーション手段の一つにすぎなかったモバイルは、今や人々の活動すべての基盤にまで進化したのだ」

 MWCは、将来のトレンドを垣間見たいという人々を魅きつけ、そのトレンドを生む技術が初めて世に姿を現す場となっている。今年は10万人が来場、2200の企業・団体が出展し、その数は年々伸びている。会場では人工知能(AI)やドローン、IoT、ロボット、仮想/拡張現実(VR/AR)など幅広い技術が展示されている。

世界を次世代につなぐ最新技術

 2017年のMWCで一番話題になっていたテクノロジー、それは、5Gだ。5Gは今年のMWCの流行語大賞と言ってもいいだろう。5Gのインパクトは、スマートフォンの登場に匹敵するとまでいわれている。5Gという「革命」が起きた時に最前線で戦えるよう準備していると話す出展企業は多かった。

 NEC 海外ビジネスユニット 主席技師長の久木田信哉は、「今は、5G導入の準備をし、道筋をつけるのに適したタイミング」と話す。

 もっとも、5Gの正式な仕様は、まだ決まっていない。通信各社の間で未だ合意に至ってないためだ。4Gの時がそうであったように、技術基準の決定は民間セクターが先導していくこととなるが、詳細は未定だ。しかし、ベライゾンやAT & Tなどが行った初期テストでは、4Gよりも1000倍も速い結果も出ているという。映画よりも大きなファイルを、わずか数秒でダウンロードできる。

 一方で、5Gは経済的に採算が合わないのではないかという声もある。欧州委員会が2016年に行った調査では、5Gを2020年までに実装するには、欧州だけでも約560億ユーロ(約6兆7800億円)もの費用かかると予測されているが、見込まれる経済効果は10年間で1130億ユーロ(約13兆6800億円)にとどまるという。

 5Gの他に話題になっていたのが、グラフェン。グラフェンは炭素原子ひとつ分の厚さしかない物質で、肉眼では見ることができないが、MWCではその用途が大々的に喧伝されていた。

 その中のひとつが、イタリア技術研究所(IIT)*1と同国の国立労働災害保険協会(INAIL)*2が共同で開発した義手である。ユーザーは、前腕や上腕、肩の筋肉を動かすだけで義手をコントロールできる。グラフェンの電極は薄いため、すべて義手の中に収まる。

*1:IIT : Istituto Italiano Di Tecnologia

*2:INAIL : Istituto nazionale per l'Assicurazione contro gli Infortuni sul Lavoro

 AIとロボットの展示も目立った。Ubuntuのブースに行くと、地元バルセロナの企業PAL Roboticsが開発した「Reem」と「Reem-C」が出迎えた。Reemは人型接客ロボットで、企業やイベントなどで案内係ができる。AIなどの研究に使用されているReem-Cも同じくヒューマノイド型で、こちらは二足歩行。押されて倒れそうになっても、バランスを崩さずに立ち続けることができる。UbuntuのIoT向け軽量版「Ubuntu Core」で動作するこれらのロボットは、まだ一部の市場でしか出回ってないものの、企業側の市場拡大にかける熱意が伝わる展示だった。

 NECのパートナーロボット「PaPeRo」は顔認識機能を持ち、犯罪者を見つけたり、困っている人の手助けができ、警備などに役立つとされている。ブースでは、PaPeRoがショッピングセンターで迷子になった子どもを捜すというデモストレーションが行われた。

 スタートアップ企業に特化した4YFN(4 Years From Now)イベントでは、VRがこれから数年間でどのように実用されていくかというテーマのもと、VRを使った機内エンターテインメント「Inflight VR」や、ARとVRを通してユーザーの勉強やショッピングなどの体験を向上させる「LiveRoom」というプロジェクトなどが紹介された。

 MWCでは、Roboraceのロボカー、プジョーのコンセプトカー「Instinct」などのコネクテッドカーや、自律走行車も披露された。Instinctには、2つの自動運転モードと2つの通常運転モードがあり、運転手は必要に応じて運転方法を切り替えるできる仕組みとなっている。InstinctはサムスンのIoTクラウド、ARTIKを取り入れている。サムスンは視覚障害者のために視界をデジタルでビジュアル化するスマート視覚エイド「Relúmĭno」や、サングラス型のヘッドギアで、モニターがなくてもARとVRを切り替えることができる「Monitorless」などを紹介していた。

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