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CeBIT2017
開催国のドイツ、パートナー国の日本。最新テクノロジーは、両国が抱える課題、そして世界の課題へどう貢献するのか?

2017年05月11日

 互いに重要なパートナーであるドイツと日本。特にテクノロジー産業において顕著だ。両国が開発する自動運転車、AIなどといった最新テクノロジーは、どのように、両国、そして世界の課題解決の鍵となるのだろうか。

 5日間で20万人が来場、3,000の企業・団体が出展する、最新デジタル技術を一堂に集めた産業分野向けICT見本市CeBIT。今年のテーマは「コネクティビティ」。ホスト国であるドイツと、2017年のCeBIT公式パートナー国である日本には強い「コネクティビティ」がある。

 ともに高い技術力を武器にしており、コンペチタ―の印象もある両国だが、貿易や研究開発などでは深い協力関係にある。CeBIT会場にてドイツのアンゲラ・メルケル首相自らが安倍首相を案内していたのが印象的だ。

 そして、両国とも同じ深刻な課題を抱えている。高齢化、低成長率だ。しかし、今回の展示を見て、この問題がむしろ両国の産業イノベーションをドライブしているようにも思える。

自動車トレンドから見る日独の違い

 地理的に孤立している人を容易に交通機関へアクセスできるようサポートする、ドイツ鉄道のカプセル型ドライバーレス車など、高齢化を意識した典型的な例だ。このような自動運転技術の研究が行われている一方、ドイツらしいエンジニアリングに特化したアプローチも見られた。例えば、フォルクスワーゲンは、コンセプトカー「Budd-E」でそのエンジニア力を見せつけていた。誰もが知る昔ながらの”ワーゲンバス”の面影を残しながらも、未来的なデザインのBudd-Eは、時速150キロ、バッテリー容量の8割を15分で充電可能だ。

Budd-E

 一方、日本では、トヨタが自動運転車やITS(高度道路交通システム)を通して、高齢者のモビリティ活性化に焦点を当てていた。このような社会課題解決へのAI応用は、日本がSociety 5.0(「超スマート社会」)、即ちテクノロジーが社会変化を先導するとともに、産業や経済の安定を担うというコンセプト実現を目指している象徴といえよう。

 このような取り組みが、経済の活性化に貢献するかは未知数だが、日本からインスピレーションを受けていると言うドイツのテクノロジー業界の重鎮もいる。ドイツの大手IT業界団体Bitkomのトルステン・ディルクス会長は、自動車産業を含む多くの分野で産業のデジタル化を取り入れ、テクノロジーを活用している日本を賞賛していた。日本を「未来創生ラボ」と称するディルクス氏は、人口統計の変化に伴う問題について日本から学ぶことが多いとした上で、「ドライバーレス運転プロジェクトで協力したい」と語った。

質の高い製造を重んじる両国

 一方、NECの久木田主席技師長は、日本とドイツは高品質を追求するものづくりの姿勢が似ている」という。「ドイツが日本から学べることはあるか?」という質問に、久木田は「互いに得るものがある」と答えた。

 NECのAIを融合させた生体認証技術について、「公共の場でのセキュリティを高めたり、VIPや顧客を認識して適切な応対をするなど様々な応用ができる」と語る。このテクノロジーは、米国国立標準技術研究所(NIST)による第1位の照合精度を有するとの評価を得ている。

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