ここから本文です。

2017年05月23日

第6回IoT/M2M展 特別講演

共創が導くIoTの未来
~NECが考えるデジタルトランスフォーメーション~

世界と日本が直面する社会課題をICTの力で解決

 “Orchestrating a brighter world”
 NECは、皆さまとより良い社会を作っていくことを意味する、このブランドステートメントを打ち出し、社会課題の解決に取り組んでいます。

NEC 執行役員 兼CMO
榎本 亮

 2050年に世界の人口は90億人を超えると言われています。特に、都市部では現在の1.8倍にあたる、35億人から63億人に急増することが見込まれています。このような人口の増加は社会にさまざまな問題を引き起こすでしょう。たとえば2030年から2050年までに、モノの移動は2.4倍になると言われており、それに伴いCO2の排出量も劇的に増えます。また、食料需給は1.7倍、廃棄物の発生量は2.1倍になることが予想されます。

 一方我が国では、世界の流れに反して人口は減少の一途をたどっており、50年後には約8,800万人まで減ると言われています。しかし、鉄道、高速道路、水道などの社会インフラが人口と比例して縮小するわけではありません。今より少ない人口と税収で、既存の社会インフラを維持しながら、安全・安心な社会を作っていかなければならないのです。

 NECは、世界と日本が直面するこれらの社会課題を、ICTの力で解決していきたいと考えています。

ICT領域の大きな変化

 現在、ICTの領域では大きな変化が起きています。コンピュータの処理性能やモバイルネットワークの伝送速度はこの20年で大きく向上しました。また、IoTが登場したことで、2020年の世界のデータ量総計は2000年に比べて約6,500倍にもなると言われています。1人あたり約4個のデバイスを持ち、303億個のモノがインターネットにつながる社会がやってくるのです。

 IoTが普及すれば「ヒトとヒト」、「ヒトとモノ」、「モノとモノ」がつながるようになりますが、これは課題の解決に向けたヒントになるのではないかと考えています。

 AIにも注目が集まっています。AIは1997年にチェスで人間に勝利し、その16年後の2013年には将棋のプロ棋士と対等に競うレベルに達しました。この時点では、将棋よりはるかに展開が複雑な囲碁でAIが人間に勝つには、もっと長い時間が必要だろうと言われていましたが、実際には3年弱で一流棋士を破るに至りました。この点から見ても、AIが驚異的なスピードで進化していることが分かります。

NECが掲げる「7つの社会価値創造テーマ」と、国連の定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の関係

 前述の通り、NECは社会の背景とテクノロジーの進化を前提に、“Orchestrating a brighter world”を提唱しています。そして、地球規模で起きている社会課題に対し、ICTの力、特にIoTやAIといったデジタル技術を最大限に活用して取り組む「7つの社会価値創造テーマ」を定めています。

  1. (1)地球との共生
  2. (2)安全・安心な都市・行政基盤
  3. (3)安全・高効率なライフライン
  4. (4)豊かな社会を支える情報通信
  5. (5)産業と情報通信技術の新結合
  6. (6)枠を超えた多様な生き方
  7. (7)個々人が躍動する豊かで公平な社会

 いずれのテーマもNECが「社会ソリューション事業」を通して具現化していくものです。このような社会課題に取り組むテーマの策定は世界でも大きな潮流になっており、その代表が2030年に向けて国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」です。SDGsではグローバルに取り組むべき17の目標と、さらにブレークダウンした169のターゲットが定められています。NECの「7つの社会価値創造テーマ」との親和性も高く、我々の社会ソリューション事業が貢献できると考えています。

NECが定める「7つの社会価値創造テーマ」
画像を拡大する
国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」
画像を拡大する

関連キーワードで検索

さらに読む

本文ここまで。
ページトップ