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NEC BestMove導入事例
株式会社NECライベックス
クローズドマーケットの特殊性を克服
根拠あるデータに基づく、売上向上施策を実現

 NECグループ社員向けの福利厚生サービスを提供する株式会社NECライベックスは、クローズドな特性を持つ市場ゆえのマーケティング課題に直面していました。BestMoveの導入により、この特殊な環境下での根拠あるデータに基づいた施策立案により、売上200%という成果を実現しました。

SPEAKER 話し手

株式会社NECライベックス

海藤 則和 氏

リテイル事業部長

福島 豪 氏

リテイル事業部
シニアエキスパート

事例のポイント

課題:

  • クローズドマーケットという特殊な環境下での市場分析や顧客ターゲティングが難しい
  • 施策立案がバイヤーや担当者の属人的な経験則に依存し、客観的な判断基準が不足
  • クリエイティブ制作の社内リソースが少なく、手が回らない

導入効果:

  • 大手クレジットカード会社のビッグデータを活用した根拠あるデータに基づき、特殊な顧客層の潜在ニーズを明確化
  • AIによる具体的な施策アイデアとキャッチコピーの提案により属人的な経験則から脱却、売上200%増など効果的な販促施策を実現
  • 企画検討や販促物制作にかかる時間を大幅に短縮し、業務効率を向上

導入前の課題:特殊な市場環境でマーケティング業務が属人化

― はじめに、貴社の事業概要をお聞かせください。

海藤氏:私が所属するリテイル事業部は、NECグループの従業員様向けを中心に、オフィスコンビニ形式の売店を全国約30店舗で運営しています。これらの売店は24時間営業が多く、グループ内の多様なニーズに応える品揃えを提供しています。また、社員食堂やコワーキングスペースを併設した「Plaza」という複合施設も展開しており、食と職の空間を一体化させることで社員の皆様の回遊性を高め、利便性と快適性の向上を図っています。さらに、クローズドマーケットの特性を活かし、有名ブランド商品の社員向け特別販売なども手掛け、グループ従業員のエンゲージメント向上に寄与しています。

株式会社NECライベックス
リテイル事業部長
海藤 則和 氏

― 導入前はどのようなマーケティング課題がありましたか?

福島氏:弊社の強みでもある「クローズドマーケット」という点が、逆に大きな課題でもありました。対象がNECグループ社員のみという特定多数で、外部の売れ筋情報や一般的なコンビニエンスストア戦略を取り入れようにも、弊社ではあてはまらないことが多くありました。さらに拠点によっても状況が異なるため、自分たちで模索するしかありませんでした。

海藤氏:昔は同業他社との横の繋がりがありましたが、今は同レベルのサービスを維持している企業がほとんどありません。そのため情報共有ができず、施策立案がこれまでの経験値への依存となり、属人化してしまうという悩みがありました。

福島氏:クリエイターのリソースも大きな課題でした。クリエイターが少ないため、販促物などの制作が企画に追いつかない状態でした。近年、リテイル事業部で専任のクリエイターを採用、育成していますが、それでもリソースが少なく、販促物のレベルに個人差が出てしまう問題がありました。

BestMove導入効果:データに基づく根拠ある意思決定、業務効率の大幅な向上

― BestMove導入後、企画や施策立案におけるアイデア出しはどのように変化しましたか?

福島氏:BestMoveがブレストのような形で、参考となるアイデアを絞り込んで複数提案してくれるのは非常にありがたかったです。業界誌を読んでも自社に合う情報を絞り込むのが困難ですので、BestMoveはそこを補ってくれます。

株式会社NECライベックス
リテイル事業部 シニアエキスパート
福島 豪 氏

― クローズドな市場における顧客の分析やターゲティングは、どのように改善されましたか?

海藤氏:BestMoveの顧客分析AIは、大手クレジットカード会社のビッグデータにNEC独自の属性拡張技術をかけあわせることで、顧客の趣味嗜好性を詳細に見える化できる点が強みです。年齢、性別はもちろん、「職域販売」といった特殊なワードを入れることで、詳細な顧客層の絞り込みが可能になりました。拠点ごとの趣味嗜好性など、さまざまな属性を組み合わせて応用できると感じています。

福島氏:商談から企画、販売計画、販促物作成までを一貫して管理する担当者であれば、BestMoveのよさがさらに実感できると思います。近年は中途採用などで若い世代の利用者様も入社してきており、これまでの経験則だけでは通用しない不安がありましたが、BestMoveが導き出したアウトプットには根拠と信憑性があるため、安心して施策を実行できます。

― 施策立案にかかる時間や手間は削減されましたか?

海藤氏:BestMoveは最適な施策アイデアを抽出して提案してくれるため、調べる手間がかからないのが大きなメリットです。少人数で多くのタスクを抱える当社では、その時間を省略できる効果は非常に高いです。

― ニッチな商品や新規商品の販促においては、どのような効果がありましたか?

福島氏:通常のWebサイトに情報が少ない商品についても、個人のブログや口コミサイトなど、オープンデータソースから生成AIが探し出してくれます。これは通常の検索では、見つけるのにとても時間がかかります。BestMoveの知見発見技術(ThinkWell技術)が、多様なデータソースから連鎖的に情報を探索、仮説立案と評価を繰り返すことで解像度の高い知見を導き出すという強みを活かして、かなり精度の高いものがまとめて出てくるのは助かります。特にニッチな商品や、販促手法が未確立な商品でも有効です。先日、新規で地元店のサンドイッチを販促したのですが、そのようなケースでも有効なキャッチコピーが出てきて助かりました。

― BestMove導入によって、具体的な売上向上などの数値効果はありましたか?

福島氏:弁当の販売数量が利用前と比較して200%増となった事例があります。BestMoveを使ってターゲット層に最適なクリエイティブやキャッチコピーを検討し、ポスターを作成した結果、短時間での完売となりました。これは、BestMoveの反応予測AIやフェルミ推定AIで施策効果を事前に予測できたことで、確信を持って施策を実行できた成果です。

― クリエイティブ制作の質や効率面では、どのような変化がありましたか?

海藤氏:BestMoveに搭載されている、画像生成AIが広告見出しやコピーに合わせたビジュアル案を自動で生成する機能は、発想力がすごいです。希望を伝えて瞬時に生み出されるアウトプットには、感動しました。

福島氏:また、BestMoveのナレッジ共有AIや施策案学習AIが成功ノウハウを蓄積し、それを部門内で共有することで、施策立案プロセスとスキルの底上げ・向上を支援する効果を感じています。具体的には、アウトプットや企画時の考え方を他の販促活動にも活かせるようになり、ポスターを単なる商品カタログではなく、適切な物差しを持って制作できるようになりました。

今後への期待:活用領域を拡大し、さらなる効率化と販促力の強化に期待

― 今後の展望や、BestMoveの利用拡大についてお聞かせください。

海藤氏:BestMoveを活かせる領域はまだたくさんあると感じています。今後も効率よく、PRツールをさらに質の高いものへ改善していきたいです。

福島氏:今後はお客様が日常的に購入する頻度が高い、日用品や食料品などの「最寄り品」への活用も検討しています。市中でも買える商品を社内で買ってもらうためには、PRの精度を高める必要があります。そこにBestMoveが活用できると期待しています。また、健康保険組合と連携して展開する、家庭用常備薬の拡販にも役立ちそうです。薬剤師などの専門知識人材がいなくても、BestMoveがプロモーションの企画検討をサポートしてくれると期待しています。

― それでは最後に、BestMoveへの期待、ご要望をお聞かせください。

福島氏:BestMoveには導き出されたアウトプットやベストプラクティスを社内で共有する機能があります。今後、それをユーザー企業同士で共有できると、さらにスキルやナレッジの向上につながると思います。ぜひ、コミュニケーションプラットフォームとしてのさらなる進化を、続けて欲しいと期待しています。

海藤氏:BestMoveは、これまで十数人が何十時間もかけて行ってきた社内の販促会議が不要になるくらいのインパクトがあります。時間をかけずに施策案を出し、タイムリーに取捨選択と実行に移せるようになるよう、使いこなしていきたいです。これからも機能の拡張と、当社への利用促進に向けた支援に期待しています。

  • 会社名 : 株式会社NECライベックス
  • 所在地 : 東京都港区三田一丁目4番28号
  • 業種  : サービス業
  • 事業内容: 福利厚生、オフィスビジネス等のサービス業
  • 従業員数: 1,000人~2,000人
  • 課題  : 顧客ターゲティング

株式会社NECライベックスは、創業から55年の歴史を持ち、NECグループの従業員を対象に、社員食堂、社内売店などの福利厚生施設を運営しています。特に、リテイル事業ではオフィス内の売店運営を通じてNECグループ社員のエンゲージメント向上に貢献し、多様な品揃えや独自イベント、スポット商品の提供に加え、社員食堂やコワーキングスペースとの連携による快適な職場環境の創出にも注力しています。

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