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2020年08月25日

New Normal時代に向けた、デジタルシフトの実践
~働き方改革、顧客接点強化、事業継続、拡大するデジタル化の波~

 2020年7月13日、「New Normal時代におけるデジタル改革とは」というテーマで、世界デジタルカンファレンス2020が、WEBライブ配信にて開催された。New Normal時代には、社会やビジネスにどんな変化が求められるのか。デジタルシフトはどのように進めたらよいのか。NECの執行役員 吉崎 敏文がカンファレンスで語ったデジタルシフト推進のヒントを具体的な事例を交えて紹介する。

COVID-19環境下で、デジタル活用が世界的に拡大

日本電気株式会社 執行役員 吉崎 敏文
日本電気株式会社
執行役員 吉崎 敏文

 デジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとして、社会やビジネスの変革を目的としたデジタルシフトへの意識や動きが、各方面で高まっている。一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大による脅威によって、世界中がこれまでにない事態に直面している。

 「外出の自粛や海外への移動の制限、グローバルサプライチェーンの寸断、在宅勤務など、人やモノの動きがさまざまな形で遮断され、新たなワークスタイルやライフスタイルが求められるようになりました」と、吉崎は語る。

 そうした状況の中、顕著な伸びを示しているのが世界におけるデジタル消費だ。感染拡大前と比べて日本ではインターネット通信量が49%増えたほか、全世界のWEB会議参加者数(Zoom)は1日当たり3億人を突破。さらに、インターネットや通信などに対するデータセンターの処理量も大きく増加するなど、社会はデジタル化へ向け急速に変化している。

物理的遮断を越えるデジタルのつながり
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 デジタルカンファレンスのWEBライブ配信では、イベントが行われた会場の収容人数の約9倍となる5600名の視聴者がオンラインで参加したという。物理的な空間や距離を超えた、こうした新しいイベントスタイルもデジタルシフトの一例だと言える。

 COVID-19の緊急時にNECでは、住民からの問い合わせに応えるために、AIを活用した自動応答システムを自治体や医療機関に無償で提供したほか(累計50以上の自治体に提供)、AIを活用したタンパク質の遺伝子解析によるワクチン開発支援などを行ってきた。

 「テレワークについてはかねてから実証実験を行い、COVID-19環境下においてはNECグループ約6万人による円滑なテレワークを実践しています」と、吉崎は新しいワークスタイルの取り組みを語る。

New Normal時代に求められるビジネスや組織の変化とは

 New Normalと呼ばれる新たな時代を迎え、これから社会やビジネスにどんな変化が求められるだろうか。吉崎は、3つのポイントを指摘する。

 1つは、テレワーク、企業イベントのオンライン化、リモートによる製品開発など「働き方の変化」だ。場所に依存しない勤務や業務形態では、これまでの時間管理に代わり業務の質や成果に対する新たな評価が重要になってくる。

 2つ目は、インターネットバンキングやデリバリーサービスの利用拡大など、「顧客行動の変化」である。キャッシュレスやオンラインなどデジタル活用によって蓄積された顧客行動の情報を活かすことで、新しいサービスや製品を生み出すことも可能になる。

 そして3つ目は、「事業継続性の変化」だ。緊急時にコア業務を継続させる仕組みづくりとともにサプライチェーンや業務の見直しなど、枠組みの変革が今後ますます重要になってくる。

 企業や自治体では、“New Normal時代を、デジタルシフトによって乗りきるにはどうしたらよいのか”“効果的なデジタル化は、どう進めればよいのか”などの多くの不安を抱え、デジタルとリアルがいままで以上に融合するNew Normal時代に向けた、変化への早急な対応を求められている。

 そうした企業や自治体をサポートするNECの取り組みについて、吉崎は次のように説明する。「NECでは、お客様に寄り添いながらデジタルシフトの推進を継続的にご支援するために、ビジネスプロセス、テクノロジー、人財の3つのカテゴリーで新たな取り組みを進めてきました。」

New Normal時代のデジタルシフトに向けて
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 ビジネスプロセスでは、ビジネスとシステムと2つの視点から全社のナレッジを「デジタルフレームワーク」という共通の考え方に集約させ、フレームワークを常に進化させていく仕組みを構築した。さらに、「誰に、何を提供するのか」顧客の視点に立ってユースケースの徹底的な整理を行った。

ビジネスプロセス(デジタルフレームワーク)
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ビジネスプロセス(顧客視点のユースケース)
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 テクノロジーでは、顧客が実現したいユースケースやデジタルシフトを迅速かつ効果的にサポートするため、ネットワークからアプリケーションまでグローバルで統一したアーキテクトにもとづく「デジタルプラットフォーム」のリリースを2020年4月から開始した。例えば、セーフティ&セキュリティ分野では、COVID-19に対する水際対策や施設内のリスク低減などに向け、デジタルプラットフォームを活用したソリューションを提供。本ソリューションはハワイ州主要5空港に導入が予定されており、今後グローバルに展開していく。

テクノロジー(NECデジタルプラットフォーム)
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 デジタルシフトの推進では、人財も重要なファクターだ。「NECでは、お客様のデジタルシフト推進を確実に支援するため、独自のプログラムによる3000名を超えるDX人材の育成に加え、NECアカデミー for AIというコンテンツによってAI分野の専門家の育成にも力を注いでいます(2019年度6500名以上受講)」と吉崎は話す。このコンテンツはNECのみならず、社外の人材育成にも役立てたいと考え、6月からオンラインでの提供を開始しているという。

 デジタルシフトの波を見据えた、NECのさまざまな取り組みでは「顧客視点」と「継続的支援」を重視して、いち早く改革が進められてきた。

人材(プロフェッショナルなAI人財)
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自治体、金融、製造など、多彩なお客様とデジタルシフトを実践

 New Normal時代に向けて、パートナーや顧客とNECはどんなデジタルシフトの取り組みを行っているのか。吉崎は、次のような事例を紹介した。

 NTTとのパートナー連携による先進の取り組みでは、新しい光通信技術の活用によって日本初の革新的な技術や製品を創出し、グローバルに展開するための共同研究がスタートしている。

 大阪府からは、COVID-19の感染対策「大阪コロナ追跡システム」に対する住民からの問い合わせに向けた、自動応答システム開発に関して緊急の要望があったと、吉崎は明かす。NECでは、AIやデジタルプラットフォームを活用して、わずか10日でサービスインを実現。時間や場所を問わず、府民から寄せられた多くの問い合わせに対し、行政における円滑で迅速な対応を可能にした。

 横浜銀行との取り組みでは、不正利用口座の検知をホワイトボックス型AIによってサポート。高精度な予測とその根拠の可視化によって、専門性を有していた高度な審査業務の大幅な業務変革を実現している。

 さらにコニカミノルタとの共創では、グローバルな経営戦略としてSDGsを加速させるための高精度な需要予測にAIを活用。サプライチェーンの全体最適化を目指し、2020年度内にヨーロッパから活用がスタートする予定だ。

 デジタルシフトへの取り組みは、各方面で着実に広がっている。デジタル感度を高め、経営戦略やビジネスプロセスなどを見直すことで、これまでにないサービスや製品の創出、働き方改革など、幅広い分野でさまざまなイノベーションが期待できる。

 “New Normal時代に向けた、デジタルシフトの実践”の結びとして、吉崎は次のように締めくくった。「デジタルシフト、DXなど、大上段に構える必要はありません。大切なのは、やれることから着実に実行していくことです。New Normal時代、新しい“変革”をNECと一緒に生み出していきましょう。」

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