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2016年7月13日

NECのイノベーターズたち

世界のリテール・サービスをICTで進化させるチームリーダー

国内大手のコンビニで、ベストプラクティス実績

――グローバルリテールの海外事例で、小池さんが果たした役割とは何ですか。

写真:小池 雄一 氏

小池:
 台湾、インドネシア、インドなどのリテール企業向け決済ソリューション事例のほか、貧困層の方たちに向けたモザンビークの事例にも、私は関わっています。

 具体的な業務としては、個々のお客さまの課題をきちんと見定め、文化や商習慣、法律などの違いを考慮しながら、課題を解決する技術や製品を組み合わせて、最適なソリューションを組み立てることが、主な仕事でした。

 現在、事業部に所属してリテールITソリューションのグローバルな拡販を手掛けていますが、長年電子マネーの研究者として培った技術や知見が、海外の取り組みにも役立っています。

――グローバルリテールソリューションを展開する上で、NECの強みとは何ですか。

写真:小池 雄一 氏

小池:
 国内のコンビニ大手のお客さまのベストプラクティスをサポートした実績が、NECの大きな強みです。ベストプラクティスの実現では、2つのポイントがあります。

 1つは、お店の運営を支えるスタッフの方々の業務をサポートする店舗システムの構築です。店舗に設置されたストアコンピュータ(店舗サーバ)には、商品の単品管理データや過去の売上げデータ、売れ筋商品情報、地域のイベント情報など、各店舗に必要なさまざまなデータが集約されています。きめ細かな情報を活かした発注システムを構築することで、店員の方々の力を最大限に引き出す画期的な仕組みづくりを実現しています。

 2つ目のポイントは、ストアコンピュータが24時間止まることのないよう、高信頼性の実現です。信頼性の高いサーバの採用はもちろんですが、故障する前にサーバを交換する予防保守が大きな特長です。CPUの温度やディスクの状況など、稼働するサーバを常時監視して、異常を検知したら故障が発生する前にサーバの交換を行います。IoTの先取りとも言える監視システムは、1990年代から活用されています。NECはサーバ、PC、端末など店舗に関わるシステム提供のほか、24時間ノンストップの予防保守など、店舗関連システムを総合的にサポートしました。

 このべストプラクティス事例をはじめとする国内の豊富な実績に加え、最新の技術をいち早くソリューションに取り込んでいる点も、グローバルに事業を展開するNECの強みになっています。今後、中国やAPACの国々でコンビニエンスストアが普及してくるにつれ、NECの強みがより活かされてくると思います。

個々のニーズに最適なグローバルリテールソリューションを提供

――電子決済マーケットにおける、現在のNECの実績について教えてください。

写真:小池 雄一 氏

小池:
 日本国内、台湾、インドネシア、インドなどの市場を含め、NECは10万台の電子決済端末を提供し、1日当たり100万トランザクションの運用が行われています。電子決済でシェアNo.1のコンビニ市場をはじめ、テーマパークやシネコン、家電量販店、ドラッグストア、ショッピングモール、ファストフードなど、NECの実績は多岐にわたります。あまり知られていませんが身近な自動販売機にもNECの電子決済端末が数多く採用されています。

――グローバルリテール事業の今後の展望を、聞かせてください。

小池:
 NECでは、国内の豊富なリテールITソリューション実績をベースに、電子決済だけでなく、小売業のグローバルなニーズにマッチした多彩なプロダクトやサービスをトータルに提供していきます。

 FinTech関連の3つの領域でリテール企業向け電子決済ソリューションについては、カードの種類が増加する電子マネーシステムや新技術に対応したプロダクトなど、小売業のお客さまが必要とする決済ソリューションを総合的に提供します。

 2つ目のリテール・サービス業向け高度ソリューションでは、消費者の買い物スタイルの向上や変革を実現します。リテール・サービスで足かせとなっている決済や支払いを、もっと自由に、もっと便利にするのが狙いです。

写真:小池 雄一 氏

 例えば、衣料量販店でレジの前に長い人の列があると、商品を買わずに諦めて帰る人が多くなる傾向があります。そこで、消費者のストレスをなくす商品購入とお店の販売機会ロスをなくす一石二鳥の手段としてFinTechの活用を考えています。

 消費者がお店で気に入った商品を選び、スマートフォンで電子決済を済ませると、お店から自宅に商品が届くようなシステムが構築できれば、レジに並ぶ必要がなくなります。NECではすでに、この取り組みについて大手の量販店のお客さまと実証実験を行っています。
さらにNECでは話題のオムニチャネルへの対応も進めていきます。

 3つ目の領域のイノベーティブ・サービス向けFinTechソリューションでは、顔認証によるセキュリティ向上のほか、顔パスといわれる電子決済の取り組みも現在進行中で、まもなく実証実験を行う予定です。NECが世界に誇る分析エンジンによって、ビッグデータを活用した高精度な商品需要予測なども提供していきたいです。

PDCAサイクルでは、「D」を大切に

――小池さんが仕事において心がけていることを、教えてください。

小池:
 私たちの仕事は、お客さまが描くビジネスデザインを、いちばんいいカタチで具現化するお手伝いをすることだと思っています。

 仕事で心がけているのは、「まず、やってみる」こと。机に向かって提案資料づくりに手間や時間をかけるより、やるという決断と実行が大事だと思います。私が描くPDCAサイクルのイメージでは、Dの文字が他より2倍くらい大きくなっています(笑)。

写真:小池 雄一 氏

――趣味や余暇の過ごし方を、教えてください。

小池:
 趣味として、クロスカントリースキーを長年やっていました。裏磐梯や戸隠にはよく行きました。北海道で行われたクロスカントリースキーの100kmマラソンにも、2回チャレンジしています。子どもが生まれてからは、子どもといっしょにいる時間を大切にしたいので、スキーの方はしばらくお休み中です。

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