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AI対談:稀代のアイデアマン×AI・ビッグデータ事業開発のリーダー

人の暮らしや繋がりをもっと楽しく面白くしたい――人の「想い」にAIはどう応えてくれるのか

2017年03月02日

アイデアの「拡散」と「収束」がAIの強み

中村:
 遠山さんはアイデアマンですから、将来的にはAIをアイデアの具現化ツールとして活用するシーンも出てくるかもしれませんね。通常、アイデアを生み出すには、多様性を持った人がいろんな意見を言うことでその価値が磨かれていきます。研究レベルでは、AIの見識に基づいて“発言”してもらうという取り組みがすでに始まっています。

 こうしたAIの活用は2つのパターンに分類できます。1つは様々なアイデアを提案する「拡散」のためのAI。もう1つは様々なアイデアや意見の中から最適解を導き出す「収束」のためのAIです。これをどう組み合わせるかがポイントになるでしょう。ただし、AIはあくまで“参謀”の一人。最終的に決断するのは、やはり人の仕事です。

遠山氏:
 「拡散」と「収束」のAIがあるなら、私はどちらかというと「拡散」のAIに期待しますね。経営会議のブレストなんかにAIを使ってみると面白いかもしれませんね。松下幸之助バージョンとかビル・ゲイツバージョンなどのAIができたら、偉人たちの発想をぜひとも聞いてみたいものです。

中村:
 遠山さんのお話を聞いていると、事業を成功に導くには「自分たちはこれをやりたい」という信念や熱い想いだということを再認識させられました。やりたいことがあるのをどうするか、社会課題をどう解決するかを会社の目標としていて、そのために最新技術がどう使えるのかという発想にブレがない。AIはものごとの真実をわかりやすくあぶり出してくれますが、それをどう使うかは人間次第。もちろんAIは信念や熱い想いまで作りだすことはできません。

遠山氏:
 膨大なデータを活用して新しい価値創出をサポートできるのがAIの本質だと理解しています。既成の価値観に捉われず、新しいことにチャレンジしていくためのツール。そんなワクワクするような楽しいイメージを持っています。今では当たり前になったインターネットですが、それがあるからできることも格段に増えました。AIも社会に浸透していけば、できることも広がるはず。きっと面白い未来がやってくるのではないでしょうか。

中村:
 遠山さんは、様々な現代アートを手がけるアーティストとしての顔も持っていらっしゃるわけですから、そこにAIを使っても面白いかも知れませんね。

遠山氏:
 実は以前に、ある芸術祭で、ロボットを取り入れた現代アートを出展したことがあるんです。このアート作品には、1.食 2.技術 3.おもてなし という3つのコンテクストを下敷きにつくりあげました。ロボットだけど親しみやすく、でも最新技術が使われている。アートは疑問形や投げかけであって、ビジネスのように結論があるわけではありません。ただ「また来たい」「楽しい」と思ってもらえるような「心の動き」を作り出すということでは一緒です。ビジネスでも、アートであっても、人と協調し、人の生活に溶け込んでいく。そんなAIをNECさんと一緒にやってみたいですね。

遠山 正道 氏

株式会社スマイルズ
代表取締役社長

1962年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、三菱商事に入社。情報化推進室でITの導入と活用を推進する。2000年にスマイルズを設立し、「スープストックトーキョー」「PASS THE BATON」「giraffe」「100本のスプーン」「PAVILION」などを展開。アーティストとしても活躍。1日1組宿泊可能なアート作品「檸檬ホテル」(瀬戸内国際芸術祭2016出品)を発表するなど、スマイルズとしてアーティスト活動も行っている。
中村 慎二

NEC
ビッグデータ戦略本部
本部長

1983年入社。入社以来、製造業の設計領域のソリューション(CAD/PLM)のマーケティングを長年担当。その後、スマートデバイス活用・クラウドなどの技術戦略立案、ソフトウェアエンジニアリング技術の開発・展開などを歴任。
NEC独自のAI(人工知能)などを活用した、ビッグデータビジネス開発・ソリューション開発の責任者。

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