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2019年12月23日

サブスクリプションコマースとは?国内外の10事例を紹介

 近年「サブスクリプションコマース」と呼ばれるビジネスモデルが広まっています。この記事では、ECサイトのマーケティングを担当する人に向けて、サブスクリプションコマースの概要や国内外の事例などを解説します。効果的にサブスクリプションコマースを実践して、今後の売上拡大に役立ててください。

サブスクリプションコマースとは?

 サブスクリプションコマースとは、定額制サービスともいい、顧客が毎月決まった金額を支払うことで商品が定期的に届いたりサービスを利用することができる、定期購入型のビジネスモデルのことです。

 具体的にどのようなサブスクリプションコマースがあるかは記事の後半で紹介します。

従来の定期購入との違い

 従来の定期購入とサブスクリプションコマースは、形としては同じようなビジネスモデルです。しかし、従来の定期購入は製品をサービス側が選び、顧客に紹介して購入してもらうという考え方でした。サブスクリプションコマースはそれぞれの顧客に合わせて商品を紹介し購入につなげる、という点に違いがあります。

 また、サブスクリプションコマースは直接顧客とつながり、顧客とより深い関係性を築くことで個別のニーズを汲み取り、サービスを提供する点も従来型とは異なります。

サブスクリプションコマースが広まった背景

 インターネットやスマートフォンが普及し、消費者は買い物に対してより利便性を求めるようになりました。そういった背景から、定額で使用したい期間だけ自由に利用できるサブスクリプションコマースに注目が集まったのです。

サブスクリプションコマースの今後

 サブスクリプションコマースに注目する人は今後も増加していくと考えられます。その流れに従って、サブスクリプションコマースを導入する企業も増えています。今後はさらに多くの業界でマーケットが拡大することが予想されます。

サブスクリプションコマースの種類

 サブスクリプションコマースの種類には、「キュレーション型」「コンビニエンス型」「トライアル型」の3つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴について説明します。

キュレーション型

 キュレーション型とは、業界の第一人者や有名人が選んだ商品を、「入手することが難しい商品や価値のある商品が欲しい」と考えている顧客に向けて提案・販売するものです。高付加価値の商品であれば、値段が高くても契約する富裕層は多くいます。

コンビニエンス型

 コンビニエンス型は、日用品や雑貨などを定期的に配送する販売モデルです。「普段忙しく、買い物に出かける時間がないので代行してほしい」と考えている顧客にとっては、便利なサービスといえるでしょう。

トライアル型

 トライアル型は、試供品・サンプルを配送し、商品購入につなげる販売モデルです。化粧品であれば顧客の肌や髪の悩みに合った商品を送るなど、単なるサンプルの配布よりも現品購入につながりやすいという特徴があります。

ECサイト側のメリット・デメリット

 ECサイト側が、サブスクリプションコマースを導入するメリット・デメリットについて解説します。

メリット

 サブスクリプションコマースは定額制のサービスです。毎月顧客から料金が支払われるため、継続的に安定した売上が得られます。契約数を把握することで販売予測もしやすく、在庫管理も容易になります。

 さらに、顧客と継続的かつ良好な関係性を築けるので、顧客データの蓄積も可能です。データからニーズを把握することで、顧客が求める商品開発が可能になります。

デメリット

 サブスクリプションコマースは、サービス開始直後は顧客が少なく、軌道に乗るまで時間がかかりやすい傾向があります。顧客を増やすためには宣伝費などのコストも必要になるため、そのための費用も事前に確保しておくことが重要になります。また、継続的に利用してもらうには、顧客が満足する商品を開発し続けなければいけません。

 さらに、サービス開始後は、顧客サポートにもコストや人員を割く必要があることも覚えておきましょう。

購入者側のメリット・デメリット

 次に、購入者側がサブスクリプションコマースを利用するメリット・デメリットを解説します。

メリット

 サブスクリプションコマースでは、自分の嗜好に合った製品を届けてくれます。商品のラインナップも豊富であるため、選択肢や嗜好の幅が広がりやすいことがメリットです。

 また、日用品であれば買い忘れを防ぐことができます。通常購入よりも安価で購入できることも多いので、お買い得感も得られるでしょう。

デメリット

 サブスクリプションコマースは毎月料金を支払う必要があるため、使用していないときも課金されることになります。複数のサービスを契約して、結果的に毎月の支払いが増えてしまうなどのデメリットはあるでしょう。

 また、自分の嗜好とは異なる商品や必要のない商品が配送されることもあります。そのような商品は結局使用しないままになってしまうことも多く、支払った料金に対して価値を感じられない可能性があります。

海外のサブスクリプションコマース5選

 ここでは、海外のサブスクリプションコマースを5つ紹介します。

Amazon~日用品の定期購入・動画配信サービス~

 Amazonでは、日用品の定期購入を促進する「Subscribe & Save」を提供しています。日本においては「Amazonの定期おトク便」という形で展開しており、購入商品が最大10%オフになります。また、会員制有料プログラム「Prime」向けには、映像・音楽配信サービスや電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」を提供しています。

Birchbox~化粧品サンプルお届けサービス~

 Birchboxは、化粧品や生活雑貨を毎月配達するサービスです。具体的には、女性にはメイクアップ商品、男性にはアクセサリーなどを提供しています。化粧品の場合は、申し込みの際に自分の肌質や髪質などを入力して、そのデータに基づいた化粧品サンプルが配送されるかたちになります。

Stitch Fix~AIとスタイリストが洋服をチョイス~

 Stitch Fixは、AIとスタイリストが洋服やアクセサリーを選んでくれるサービスです。体型や好みなどファッションに関するアンケートから、AIが顧客に合うアイテムを絞り込みます。その内容をもとに、プロのスタイリストがアイテムを5つ選んで届けてくれます。

ナイキ~子供向けスニーカー提供~

 ナイキでは、2~10歳の子供を対象にした「ナイキ・アドベンチャー・クラブ」を提供しています。このサービスを利用することで、育ち盛りの2~10歳の子供に、定期的に新しい靴を届けてくれます。100種類以上のスニーカーがあり、サイズも豊富であるため顧客は幅広い選択をすることが可能です。

MealPal~ランチをテイクアウト~

 MealPalはランチをテイクアウトできるサービスです。ランチの回数券を購入するというイメージに近く、事前にアプリでお店に注文して、料理を受け取ります。事前に注文しておくため、顧客は長時間待つ必要もありません。また、店舗側が準備するのは、「MealPal」掲載用の1種類のメニューだけになるので、店側も準備が楽でコストも抑えられるメリットがあります。

国内のサブスクリプションコマース5選

 次に国内のサブスクリプションコマースを5つ紹介します。

Hulu~国内外の動画配信サービス~

 動画配信サービスであるHuluは、米国発のサービスであり、海外ドラマのコンテンツが多いことが特徴です。さらに、日本テレビが国内事業を買収したことにより、日本製ドラマを中心に国内コンテンツの配信も充実するようになりました。日本テレビ以外にも、TBSやNHKなどの人気番組もカバーしています。

エアークローゼット~月額定額制で洋服借り放題~

 エアークローゼットは、月額費用を支払うことで好きなブランドから洋服を借りられるサービスです。サービス登録時に、ファッションの好みや悩み、洋服のサイズなどの情報を聞き出してカルテ化をします。また、作成したカルテは、洋服返却時のアンケート内容によりデータを更新して精度を上げています。

BLOOMBOX~サンプルコスメが毎月配送~

 BLOOMBOXは、毎月サンプルコスメを配送するサービスです。スキンケアやメイクアップ、フレグランスなどを5ブランドほど詰め合わせて届けてくれます。毎月さまざまなブランドのコスメを試すことができるため、女性からの支持を集めています。

オイシックス~食品宅配を展開~

 オイシックスは、手料理キットや食材を配送するサービスです。有機野菜や特別栽培野菜など安心・安全基準を満たした食品を届けてくれます。月額1280円で利用できる「プライムパス」では、野菜やフルーツ全品が20%オフになるなどのお得な特典も受けられます。

subsc(サブスク)~全国の注目ショップによる厳選商品~

 subscは、全国の人気ショップが厳選した商品を、毎月1回届けてくれるサブスクリプション専門のECモールです。ご当地グルメやスイーツ、雑貨などさまざまな商品を取り扱っています。契約はいつでも解約することができるので、幅広い商品を気軽に試せるのも魅力の一つです。

まとめ

 サブスクリプションコマースは、日用品以外でも広がり続ける注目のサービスモデルです。アメリカでの市場は拡大し続けており、日本国内でも多くの業界で注目されています。

 「wisdom」にはアメリカで拡大し続けるサブスクリプションコマースについて紹介している記事があります。サブスクリプションコマースについてより詳しく知りたいと思う方は、ぜひ情報収集に役立ててください。

 アメリカでのサブスクリプションコマースの記事はこちら

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