2016年07月28日
地方創生現場を徹底取材「IT風土記」
沖縄発、「星の島」で動き出す新観光施策とは
NECのおススメITソリューション|沖縄篇
八重山の人々は、昔から、夜空に強い関心をもってきました。
四季が明瞭でない南の島では、農業や漁業を営む上で、星の運行が時節を知る重要な指標だったのです。
島には、18世紀に書かれたといわれる星の配置を記した「星図」や、星の観測をするときの目印となる「星見石」等が遺されています。
今、石垣市では、人工衛星と交信する管制局の建設が進んでいます。
「準天頂衛星システム」と呼ばれるもので、“日本版GPS”を実現するための取り組みです。
GPSはスマートフォンやカーナビゲーションでおなじみの、米国のGPSによる位置情報を扱う仕組みですが、これを準天頂衛星システムのデータで補正することで位置情報の精度が高まり、より安心で、より高度な活用が可能になります。
「準天頂」とは、日本の“ほぼ真上”を通る軌道を飛行する…という意味。
真上から信号を配信することで、山や高層ビルの多い日本においても、情報をより確実に届かせることができるようになり、今後、このシステムの補強データを活用することで、極めて高い精度の位置情報を活用した様々なビジネスの可能性が広がります。
観光地であれば、観光客に受信機をつけてもらって、その人が移動する場所に応じて、案内情報や割引クーポンをお届けする、といったきめ細やかなおもてなしサービスを実現する事ができます。
また、安心安全な世界を実現する公的インフラとしての活用も色々期待できます。
災害時に通信が途絶したときには、避難所の情報や避難されている方々の状況を衛星経由で伝えることができたり(衛星安否確認サービス)、地震、津波などの災害情報を、電源のある屋外施設(街灯、自動販売機など)や公的建物(学校、病院など)に、衛星から即時に送信することが可能になります(災害・危機管理通報サービス)。
「星見」の伝統をもった八重山で、最先端の人工衛星活用の取り組み……なんだか不思議な縁を感じますね。
(By NEC IT風土記編纂室 R)