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2016年07月28日

地方創生現場を徹底取材「IT風土記」

沖縄発、「星の島」で動き出す新観光施策とは

 那覇の南西へ約410キロ。東シナ海と太平洋に挟まれた石垣島は、竹富島、小浜島、西表島など11の有人島と無数の無人島から成り立つ八重山諸島の玄関口だ。観光を主要産業にするこの島で、新たな施策が動き出そうとしている。ICT(情報通信技術)で観光客の利便を図ろうという取り組みだ。

ICTによる将来ビジョンを熱く語る中山義隆石垣市長

美ら星ゲート構想

 エメラルドグリーンの海に囲まれた石垣島は「星の島」でもある。新月の夜などは文字通りの「満天の星空」となり、南十字星など本州では見ることが叶わない星や星座を観測することができる。

 島には古くから航海や漁業の目安にした星図が伝わり、口径105センチの反射望遠鏡を備えた石垣島天文台や、電波望遠鏡で銀河系の3次元立体地図を作るVERAプロジェクトを進める国立天文台石垣島観測局などの施設がある。毎年夏には星にちなんだ学習ができる「南の島の星まつり」も開かれている。ただ、こうした公共施設の見学は事前予約が必要で、イベントも期間限定だ。いつでも自由に楽しめるわけではない。

入り口を魔除けのシーサーが守る石垣島天文台

 「星の島」石垣の魅力を常時発信する施設を設置してはどうか。石垣市が今年3月にまとめた「地域創生総合戦略」にはそんな構想が盛り込まれている。

 舞台は利用客が年にのべ300万人を超える石垣港の離島ターミナルビルだ。9年前にこの1階に「とぅもーるネットセンター石垣」という観光情報案内センターがオープンした。

 ここを、石垣島に訪れるお客様へのサービス向上を目的に、石垣・八重山諸島の「満天の星空」を体験できるプラネタリウムや、島内の星にまつわる唄や生活スタイルなどをデジタルサイネージで紹介するコーナーを設置し、新たに「美ら星(ちゅらぼし)ゲート」という情報発信基地の場にするという構想を現在検討している。

「ここが美ら星ゲートへの改装案が出ているエリアです」と案内する石垣市役所の翁長隼大観光推進班長

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