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「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」基調講演

2016年11月02日

デジタル産業革命を支えるNEC
~安全・安心・効率・公平な社会の実現~

世界中で進んでいるNECの取り組み事例

ここからは、NECが具体的な価値提供として取り組んでいる事例の一例をご紹介します。

まず、世界中の都市で始まっている安全で効率的な都市マネジメントを実現する取り組みです。NECはアルゼンチンのティグレ市に対し、顔認証を用いた街中監視を行うことで、犯罪を未然に防止する安全・安心な都市づくりを支援してまいりました。既に車の盗難を80%削減するなど成果も現れています。また、ニュージーランドの首都、ウェリントン市では、欧州にあるクラウド・シティ・オペレーション・センターから市内に設置したセンサーのデータを分析しています。私たちのソリューションは、ひとつの都市をスマート化するに留まりません。参加する都市の範囲を広げれば扱えるデータが増え分析の精度が高まります。

次の取り組みは、カゴメ様と協業の加工用トマト栽培技術の開発です。カゴメ様の持つポルトガルとオーストラリアのトマト農園にて、NECの「分析・予測」技術をご活用いただいております。当社のAIは、時々刻々と変わる状況を踏まえ、何度でも生育を予測するシミュレーションを回し、また、農家当たり東京ドーム10個分の大規模農場を仮想空間で再現し、日々の農家の営農パターンを2万通り以上シミュレーションしています。

次の例は、アサヒビール様が当社のAI技術「異種混合学習技術」を採り入れ、予想と実需の乖離による欠品や不良在庫の廃棄を減らす取り組みです。過去に発売した200品目におよぶ製品の出荷・実販データと、カレンダーや気象情報、製品情報などをデータとして入力。その上で、発売直後の出荷の動きを基に発売後4週間の売れ行きを予測し、以降の生産計画や在庫計画の最適化が可能になります。この「異種混合学習技術」により、それまで「長年の勘と経験」で行っていた予測、あるいはデータサイエンティストが膨大な工数をかけていた予測を、専門家でなくとも実現することが可能になりました。

NECは社会全体のバリューチェーンを見据えたデジタル産業革命を強力に推進します。その際、NECは「見える化、分析、対処」の部分で価値提供いたします。また、それらを支えるコンピュータとネットワーク、そして何より重要なセキュリティで実現します。NECは“ワンランク上の”社会価値創出をめざして、安全・安心・効率・公平な社会を実現します。

共創で進める社会価値創造

一方で、これまでご紹介した当社の取り組みを含め、IoTやAIを活用したビジネスにおいては、NEC1社だけではできることに限りがあります。ビジネスパートナー、大学などの研究機関、国や地方自治体、様々なイノベーションパートナーの皆様と社会価値創造のあらゆる分野で、これまで以上にオープンで積極的なパートナリングをお客様のビジネスを加速させるために進めてまいります。

この新たな共創パートナーとして、NECは10月26日にGE社との提携を発表しました。NECのAIやIoTの先進技術と、OT(オペレーション・テクノロジー)の豊富なノウハウを持つGE両社の提携により、日本企業向けIoTソリューションの開発・導入・運用保守にいたるまで一貫した体制が構築されると共に、グローバルにNECの先進技術やソリューションを展開することで社会価値創造を加速してまいります。

パートナー様との「共創」のように、IoTやAIを活用したビジネスはお客様自身も「何を行ったらよいかがわからない」状況が多くなり、ビジネスにおいても「共創」が重要となります。NECは「共創プログラム」や「コンサルティングサービス」をご用意することで、アイデア創出から仮説実証など、新たなビジネス創出のプロセスをデザイナーも議論に参加しながら、体系立ててサポートさせていただきます。ビジネスのクイックな立ち上げから、その後のビジネス拡大に至るまでお客様と共に取り組んでまいります。
この共創の仕掛けとして、本社、関西支社などに共創ルームをご用意している他、アイデアをすぐに形にできる様々なモジュールのご提供などもご用意しております。

そして、9月29日に、この共創のプロセスに沿い、お客様の課題の明確化から、仮説立案・検証、実証環境立ち上げ、本番環境への迅速な移行を実現させるIoT基盤『NEC the WISE IoT Platform』を発表しました。以下の3点が特徴です。
 ①効率的なデータ収集基盤とAIなどの先進の分析エンジンの活用
 ②ビルディングブロック構造による素早いシステム構築
 ③セキュアで堅牢性の高いシステム構築が可能なIoT基盤

以上のような、共創の取り組みはすでに実運用まで進んだものがでてきております。NECはインド政府、同国の経済発展にとって必要不可欠なロジスティクスの価値創出の中で、インド政府との共創で新会社を立ち上げた取り組みを行い、2016年10月1日にサービスインいたしました。

NECが見つめる未来~2020に向けて

さて、デジタル産業革命後の世界はどうなるのでしょうか?
デジタル産業革命後の世界では、IoT/AI/ロボティクスが隅々まで浸透します。それらの技術は今よりもはるかに高まっています。特に、AIは人の知性を超えた「超AI」や「超人間的知性」が登場している可能性があります。また、この、人の知性を超えた「超人間的知性」は、人にとって便利で役立つものか、脅威やリスクになるかがまだわかりません。
NECは技術に立脚したICT企業として「超人間的知性」が登場する未来を「明るく賢い社会」にします。そのNECが実現したい未来像を描き、そこを目指すには避けて通れない技術だけではない様々な課題を把握するために、社外にいらっしゃる幅広い分野の有識者の方々と共創する新たな取り組みを開始します。
それが、「NEC未来創造会議」です。「NEC未来創造会議」はニューヨーク市立大学のミチオ・カク教授を始めとした各界のトップランナーと共創することにより、更なる”a Brighter World”を描く取り組みです。検討内容は、Webサイトなど、様々な形で発信していきますので、ご期待ください。

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