「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」基調講演
2016年11月02日
デジタル産業革命を支えるNEC
~安全・安心・効率・公平な社会の実現~
世界を取り巻くメガトレンドとデジタルテクノロジーの波
本日は『デジタル産業革命を支えるNEC』というテーマで、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)などを中心に、様々な事例を交えてお話させていただきます。

新野 隆
私たちのおかれた環境を見ると、地球人口は現在の70億から2050年には約1.3倍の90億を超え、特に都市部の人口は現在の35億人から63億人と1.8倍に膨れ上がると言われます。極端な都市部への人口集中がもたらす影響を考えますと、これから2030~2050年までにモノの移動は2.4倍、食糧需給は1.7倍。廃棄物発生量(ゴミの量)は2.1倍に増えるとされます。
一方ICTの領域では、コンピュータの処理性能はこの20年間で57万倍に、モバイルネットワークの伝送速度は2020年までの20年間で10万倍に伸びていきます。IoTにより、モノやコトの状態をあらわすデータがリアルタイムに集められます。この影響もあって、世界のデータ量は2020年までに、2000年の約6,500倍まで膨らむ見通しです。
今注目されるIoTですが、総務省によると、2020年には530億個のモノ(IoTデバイス)がインターネットに接続され、あらゆる『モノ』がつながる時代になっていきます。様々なデバイスから生成されたあらゆるデータがつながることで、たくさんの『コト』が生まれ、データ活用できる機会が一挙に広がると共に新たな価値創造の可能性も膨らみます。

AIも注目を集めています。AIが囲碁のプロ棋士イ・セドルに勝ち大きな話題になりました。AIが人に勝てるレベルに達するまでは長い歳月を要すると考えられていましたが、ディープラーニングという技術革新により、あっという間に膨大な数の対局を学び進化したわけです。AIは97年にチェスで勝利して以来16年かけて将棋のレベルに到達し、そこからわずか3年弱で囲碁のレベルに達したわけですから、いかに進歩が早まったことかお分かりでしょう。
私たちは、地球規模で起きている社会課題に対し、ICTの力を最大限活用して取り組むべき7つの社会価値創造テーマを定めました。
- ①地球との共生
- ②安全・安心な都市・行政基盤
- ③安全・高効率なライフライン
- ④豊かな社会を支える情報通信
- ⑤産業とICTの新結合
- ⑥枠を超えた多様な働き方
- ⑦個々人が躍動する豊かで公平な社会
いずれのテーマもNECが「社会ソリューション」という事業を通じて具体化していくものです。
