日本におけるウェルスマネジメントの変革：
デジタルの活用によってウェルスマネジメントを成功に導くには

　本記事では、「日本のウェルスマネジメント市場の変革」について解説します。

　より詳細な内容はホワイトペーパー：「日本におけるウェルスマネジメントの変革：デジタルの活用によってウェルスマネジメントを成功に導くには」を参照ください。

日本のウェルスマネジメント市場が変わるべき理由

　日本は先進国の中でもリスク回避の姿勢が強い国です。日本における家計資産に対する現金の割合はドイツや英国の約2倍に相当し、家計資産の大部分を現金で保有しています。しかし、近年のインフレ率の上昇や金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」の策定に伴い、日本の家計資産の分散投資へのニーズが高まっています。AvaloqとNECは、ウェルスマネジメントの商品およびサービスへの需要が拡大すると予想しており、今後、日本の金融機関は取引ベースの手数料収入から、顧客の預かり資産に応じた手数料収入が継続的に見込める、顧客本位のサービス提供へのビジネス転換が必要であると考えます。

新たなデジタル機能の構築

　ウェルスマネジメント業界は、投資家の変化するニーズに対応するため、デジタル機能による業務効率化が必要です。日本では、60歳以上の人口が個人資産の70%以上を保有していますが、デジタル・サービスに慣れていない顧客も少なくありません。しかし、高齢化に伴って資産はデジタル・サービスに抵抗がない次世代へ移転していきます。日本のウェルスマネジメント業界も徐々にデジタル化が進んできていますが、バリューチェーン全体を通じて改善の余地があると捉えており、金融機関にとってデジタル化は顧客ニーズに応えるための大きなチャンスであると考えています。

段階的なデジタル・ジャーニー

　AvaloqとNECはウェルスマネジメント事業に必要なソリューションは、金融機関がどこまでデジタル化を進めているかによって大きく3つの領域に分けて提供されるべきだと考えています。1つは、ウェルスマネジメント事業の立ち上げやモダナイズには、バックオフィスからフロントオフィスまでの堅固なプラットフォーム。次に、セールス活動の強化や顧客とのやり取りを加速するために、フロントエンドと投資のデジタルツール。そして最後に、顧客エンゲージメントを向上させるためのSNSの利用を含めたコミュニケーションツール。これらの活用により顧客との関係を深め、ブランド力を強化し、他社との差別化を図ることができます。

デジタルが支えるウェルスマネジメント

　AvaloqとNECは、日本のウェルスマネジメント業界において、バリューチェーン全体を強化するにはデジタル化が必要であることを認識しています。金融機関は、バックオフィスからフロントオフィスまでの業務を支える基盤を確立した後に、フロントオフィス、投資および顧客エンゲージメント・プラットフォームの開発を優先すべきであると考えています。AvaloqはNECと協力し、日本の金融機関がウェルスマネジメントに関する課題に対応できるよう、支援に取り組んでまいります。