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2016年07月22日

“世界トップ10”の教師が確信する、ICTが激変させる教育界の未来像 ~工学院大学附属中学校教頭 高橋一也教諭インタビュー

企業の人材育成で“高橋メソッド”は応用可能か

──教育の目標とは、競争を勝ち抜く術を身に着けさせることではなく、“社会に貢献できる人間を育成すること”。それは教育にとどまらず、人類全体が改めて目指すべき指針とも言えますね。グローバル化が叫ばれる今、高橋先生の取り組みは企業でも応用可能だと思われますか? 例えば、もし高橋先生が企業の人事部長だったとしたら、どのような社員教育を展開されるでしょうか?

高橋氏:
 まずは、社内の空気感作りに努めますね。学校の空気感は職員室に現れますが、私たちの学校では、職員室の前でアウストラロピテクス(約400万年から100万年前にかけて生息していた初期の人類)の像が「落とし物はこちら」と示していて、笑いを誘うんです。そういう工夫をすることでワクワク感が生まれ、生徒たちが「面白いものがあるかな」と足を運ぶようになる。それが創造的な環境へと繋がっていきます。

 また今、世界で叫ばれているのがSEL教育(Social and Emotional Learning、対人関係能力育成)の重要性で、コミュニケーションやソーシャルスキルを子供の頃から鍛えなければならないと「ハーバード・ビジネスレビュー」などでも取り上げられています。その一環で、教育現場ではPBL(問題解決型学習)やグループ学習を行っていますが、企業でも、例えばクロスファンクショナルな部署を社内に作って、既存のアイディアを議論しなおす。場合によっては壊す。そうやって“さまざまな視点を持てる人材”を育成してゆくことが、重要なのではないでしょうか。

(取材・文/松島まり乃、写真/今井紀彰)

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