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地方創生現場を徹底取材「IT風土記」

山形発、地域産業の情報発信を支えるITとは?

2016年02月22日

 パソコンやスマートフォンなどの情報端末を使ったインターネットは毎日の生活に欠かせない情報源。地方創生の息吹のなかIT(情報技術)で地域を元気にする試みが続々と始まっています。そうした取り組みや将来展望などを紹介するシリーズ「IT風土記」を月1回掲載します。第1回は雪の山形で拾った話から。

地元密着店の情報発信

「ボンシュール」の那須智宏・冨士子夫妻

 山形市伊達城のフレンチレストラン「ボンシュール」は老舗ホテルで料理長を務めていた那須智宏さんの店だ。地元の食材を使った基本に忠実な本格料理でありながら、リーズナブルな値段で人気を集めている。この店には常連客に加えて1日に1組か2組、新規の客が来店するという。

 ネットでお店情報を発信しているからだ。ボンシュールは「東北サプライズ商店街」というネット上の仮想商店街の加盟店契約をしていて、那須さんがパソコンに新しいメニューの紹介やイベント案内などを入力して商店街のサーバーに送ると自動的に画面にアップされる。

 サイトを見る側はパソコンでこの情報を見られるだけでなく、この商店街の会員になって、気になる店を「お気に入り」に登録すれば、自分のスマホやタブレットに「今日のランチのおススメはこれ」などと店からのメールがリアルタイムで送られてくる。登録は無料で会員の割引クーポンが手に入るほか、地図や問い合わせ先も確認できる。
 「ぐるなび」や「食べログ」などと同様のしくみにメールマガジン機能を組み合わせたものと考えればわかり易いかもしれない。衣料などの物販店もあるがリアル店舗への集客が目的なのでネット販売機能はつけていない。

「ハーブカントリー」の豊田裕子さん

 山形市旅籠町のハーブとアロマの専門店「ハーブカントリー」も商店街の加盟店だ。この店ではハーブティの量り売りや植物が持つ香りや有効成分を凝縮した精油などの物販のほか、精油で体調不良などの心身の不調を癒すアロマテラピーのスクールを開校しており、ハーブを使った料理のレシピや、風邪の症状を和らげる精油の使い方などを発信している。

 「店頭でお客さまにお話するようなことをちょこちょこご提案しています」と発信元の豊田裕子さん。受験やインフルエンザなどタイムリーな話題だと500件から600件のリアクションがあるし、逆にリアクションが少ないと、「あ、これはお客さんの興味がない話題なんだ」と分かるので接客の参考になる。

商店街での画面(ハーブカントリー)

 「自分でブログを作って立ち上げるのは大変ですが、この商店街はある程度書式が決まっていて気軽に発信できる。ハーブやアロマを知らない方にお伝えするツールとして欠かせないですね」と満足気だ。

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