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2019年11月26日

フードテックとは?世界的に深刻化する食糧問題を解決する最先端テクノロジー

 フードとテクノロジーを融合させたフードテックという技術が注目されています。注目を集めていることは知っていても、具体的な意味合いや取り組みまではわからないという人も多いのではないでしょうか。

 この記事では、テクノロジーの領域がどれほど食に適用されているか、その具体的な取り組みを解説していきます。

フードテックとは

 フードテックとは、最新のテクノロジーを駆使することによって、まったく新しい形で食品を開発したり、調理法を発見したりする技術です。新たな食の可能性として注目されています。

 たとえば、フードテックによって、植物性たんぱく質から肉を再現したり、単品で必要な栄養素を摂取できるパスタを開発したりすることが可能です。そのため、フードテックは世界的に深刻化する食糧問題を解決する方法としても、非常に注目されています。

フードテックが解決できる問題

 フードテックが生み出す最大のメリットは、食に関するさまざまな問題が解決できる可能性があるという点です。ここからは、フードテックが解決できる問題を取り上げ、どのような取り組みが行われているのか解説します。

食糧不足の問題

 世界的に見ると、現代の人口は増加する一方です。2055年には、世界の人口は100億人を超えると予想されており、深刻な食糧不足の問題を抱えています。

 食料不足を解消する方法として期待されているのがフードテックです。たとえば、AIが搭載された機械で無人農場を経営する技術が開発されれば、効率的に農産物を生産できます。食物生産の新技術や新素材などの開発が、食料問題解決の糸口として期待されているのです。

飢餓問題の解決

 フードテックでは、食材を長期保存する方法も開発・研究されています。世界には、食糧不足による飢餓に苦しむ人がいる一方で、先進国においては常に多くの食糧が廃棄されているのが実情です。フードテックによる食材の長期保存は、世界規模で見た食糧バランスを均等にできる可能性があります。

菜食主義のひとの代替品の製造

 世界には、菜食主義により動物性の食品を避けた食事をする人も多く存在します。宗教的な問題や、動物愛護の観点、もしくは健康に配慮して菜食主義志向になるなど、理由はさまざまです。

 そんな菜食主義者にとって、植物性たんぱく質による代替えミートを生産するフードテックが注目されています。

食の安全

 食品が傷んでいるかどうかを診断するフードテックツールもあります。この技術により、腐敗した食材を口にするリスクが減り、食中毒を防止することが可能です。

 また、安全に長期保存ができる梱包材料も、フードテックによって開発が進んでいます。傷みを軽減するほか、何かの拍子に異物が混入してしまう可能性を減らすことが目的です。より高い食の安全性が期待できます。

人材不足の解決

 国内では農業や漁業などの第一次産業のほか、食品製造業なども常に人材不足に悩んでおり、事態は深刻です。さらに、労働人口の減少に伴い、外食産業の人材不足もささやかれています。しかし、フードテックによりロボットやAIが開発されることで、省人化や無人化ができれば人材不足の解決につながります。

フードテックはお金がかかる

 食に関する問題解決が期待される一方で、フードテックはお金がかかることが課題です。たとえば、太陽光に代わる光を作るための電気代や、雨水に代わる水道代がかかります。

 また、必要な栄養が入った栄養液代のほか、肉を科学的に作り出すための科学用品代など、食品開発にも多くの費用が割かれてしまうのです。

フードテックで注目される最先端テクノロジー

 フードテックによって、まったく新しいテクノロジーが数多く生まれ、注目を集めています。災害時に役立つものや、多様化する消費者のニーズに応えるものなどさまざまです。ここからは、フードテックによって生み出された、最先端のテクノロジーをいくつか紹介していきます。

人工肉

 菜食主義者の代用食品として注目を集める最新テクノロジーの一つが、限りなく本物の食用肉に近付けた人工肉です。水や小麦、自然由来の油などを用いた植物由来の肉によって、本物の肉を食べなくても、健康に害を及ぼさずに栄養を摂取できるとして注目されています。

 人工肉は大豆ミートやグルテンミートといった製品として、すでに市場に出回っている食材です。特に、アメリカなどの国外の市場では、肉ではないのに肉売り場に置かれるなど、すでに一般的な食材として認知されつつあります。

植物工場

 農業は、異常気象や害虫など、外的要因に強く影響をうける産業です。これは国内外問わず、世界的な問題として常に取り上げられてきました。

 この課題を解決するために生まれたのが、植物工場というフードテックです。屋内での栽培が可能になったことで、生産量が天候や害虫に左右される心配がありません。

 また、砂漠や、栽培に向かない気候の地域でも、農業を営むことができるようになります。各生産者の生産性が飛躍的にアップすることが期待されています。

細胞培養

 細胞培養とは、動植物の食べられる部分の細胞だけを抽出し、それを培養させる技術です。本物と変わらない牛肉や魚、野菜などの食材を作り出すことができます。たとえば、培養肉は牛などの動物の幹細胞を培養し、増殖させて作り出した代替製品のことを指します。

 膨大なコストがかかることが課題ですが、地球環境にもやさしく、衛生管理もしやすいことから、非常に期待されているテクノロジーの一つです。

新食材

 これまで人類が食してこなかった食料を生産するようなフードテックもあります。ミドリムシを粉末にしてクッキーやドリンクにした製品、必要な栄養がすべて採れるグミなど、新食材と呼ばれるものです。

 なかでも昆虫は、栄養価が高く、環境にかかる負担も低いため、商品開発やレシピの研究が進められています。食材として認められれば、低コストで大量生産も可能です。国によっては高級食材として扱われるほどで、注目度の高い新食材の一つです。

まとめ

 フードテック業界は常にめざましい成長を遂げており、新しい技術や企業が次々と生まれています。2019年8月、都内では食・料理とテクノロジーの融合を追求する「スマートキッチン・サミット・ジャパン 2019」が開かれました。

 同サミットにはキッチンメーカーや料理人、医学研究者、デザイナーといった、さまざまな分野の個人や企業、約300名が参加するなど、各界における業界への注目度の高さが知れる結果となっています。

 このように、さらなる活用が期待されるフードテック業界に関する最新情報を収集することは、ビジネスをするうえでも重要です。トレンドの技術をきちんと理解するためにも、まずはフードテックの最前線についての記事を読んでみてください。

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