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2017年01月24日

「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」特別講演

シンギュラリティの、その先へ ~未来の科学とテクノロジー~

自分の心臓を培養できるように

科学分野における2つ目の大きな目標は、ガン治療です。1970年代初頭に推進されたガンとの戦いが失敗したのは、現在の「ゲノム・プロジェクト」が存在しなかったからです。ゲノム・プロジェクトにより、ガンが損傷を受けた遺伝子であることが明らかになりました。現在ではデジタル化が可能になり、研究は日進月歩で進んでいます。研究は人間ではなくコンピュータによって行われ、コンピュータが数十億組の塩基対を解析し、学習センターに送信します。コンピュータと通信が、治癒のカギを握っているのです。

2016年中には、初のリキッドバイオプシー(液体細胞診)が利用可能になる見込みで、ガン化コロニーが腫瘍になる前に検出できるようになります。また、トイレでコンピュータチップを利用して、腫瘍が形成されるはるか以前に、タンパク質、酵素、遺伝子のガン診断用解析を行えるようにもなります。身体部位の置換の動きも始まっています。科学者は、消耗する身体部位、例えば耳、鼻、軟骨、さらにそう遠くない将来には心臓さえも培養できるようになるでしょう。

夢を写真に撮ることが可能に?

人間の脳全体のマッピングは、達成が非常に難しいプロジェクトですが、精神疾患を治療・治癒する方法を科学的に模索する上で重要性があります。酸素分子を分析して脳内血流を調べることで、電気活動が集中している箇所が明らかになります。脳内を移動する考えを実際に目にすることができるようになるのです。

脳に関する理解は、動作の回復を助ける外骨格にまで及んでいます。光遺伝子学という新たな研究分野により、研究者は、脳の一部が身体の特定部分とどのようにつながっているかを理解できるようになりました。記憶を記録し再生する機能の習得に特化した研究もあります。記憶を記録できるチップが将来的に誕生し、夢を写真に撮ることさえ可能になるかもしれません。さらにそのすぐ先には、脳のデジタル化が実現する可能性もあります。死後も自分のコネクトーム(神経連絡の「配線図」または総合マップ)は永遠に生き続けるのです。その意味では、人間が不死身になると言えるかもしれません。

インターネット – シームレスな情報ストリーム

将来的に、インターネットは安価なチップを利用することになるでしょう。端末が目に見えないほど完全に私たちの生活に組み込まれ、コンピュータという言葉すら消えるかもしれません。インターネットは、ほとんど気づかないほど自然に日常生活に溶け込むことになります。カク氏は、未来のデバイスとして、コンタクトレンズを例に挙げました。コンタクトレンズを装着すると、あたかもイタリアを旅行しているように歩くことができ、バーチャルリアリティで古代ローマの光景が目前に広がるのです。また、医学の分野では、コンタクトレンズのデジタル化が始まり、糖尿病患者がインスリンや血糖値を測定しやすくなるでしょう。

インテリジェントな壁紙と無限の情報

情報はどのように利用されるようになるのでしょうか?バーチャルリアリティとは、ビューアでリアルなイメージやその他の知覚を体感することです。拡張現実とは、情報が「現実に上乗せされる」ことを指します。将来的には、「情報がシームレスに流れて知るべきことを教えてくれる」ような、バーチャル世界と拡張世界が融合した世界に暮らすことになるだろうとカク氏は言います。

何か買おうと思ったら、簡単に値段を確認できます。拡張現実が、あらゆるものの価格を教えてくれるからです。利幅を詳しく調べることも可能です。カク氏の言葉を借りれば、「現実に対して無限の情報が上乗せされることになる」のです。

カク氏は無限の可能性を指摘します。知っているのに名前が出てこない人について、すぐに情報を呼び出すことができます。3Dプリンターを使って、ぴったりのサイズのものを購入できます。ほぼ何もかもその場で思い通りにプリントできます。衣料やアクセサリーだけではありません。人体の部位も、細胞ごとに作り上げることが可能になっています。銀行取引の方法も変わり、すべてスマートフォンで行うようになるでしょう。クリックするだけで取引は完了します。

将来的に、PC、ラップトップ、タブレット、スマートフォンの機能は壁紙スクリーンに統合され、好きなようにサイズを変更できるようになります。この壁紙がインテリジェント化すれば、実際に話しかけて指示することも可能になるでしょう。医療や法律に関する疑問にも、選択した言語でしかもほぼ無料でしっかりしたアドバイスを速やかに得られることになります。

本文ここまで。

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