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2017年01月24日

「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」特別講演

シンギュラリティの、その先へ ~未来の科学とテクノロジー~

人間は失業してしまう?

特に反復作業などの一部の仕事は将来的になくなりそうですが、人間にしかできないことも数多くあります。陪審員や裁判官の前で弁論できるのは人間だけです。社会的倫理を理解し、慎重を期する事案に対処できるのは人間だけです。それでもなお、将来的に表舞台に立つのはロボットで、人間は新たな専門分野を模索せざるを得なくなりそうです。

カク氏は、どこにでもあり、どこにもないことこそ、インターネットの真の意味であると確信しています。プラットフォーム間の移動は「フリクション(抵抗)なくシームレスに」行われることになります。コンピュータの進歩によりフリクションは消滅します。車は自動走行になり、ロボット化します。自動車産業はロボット産業に吸収されるでしょう。フリクションが消え、生活は「シームレスにカスタマイズ」されます。飛行する車も現実化すると考えられますが、富裕層以外の一般市民には手が出ない値段となりそうです。一方で、超音速商業旅行は手ごろな値段で利用できるでしょう。衝撃波音を最小限に抑えた超音速航気流のシミュレーションを通じて、物理学が航空機の設計に貢献しています。ニューヨーク・東京間の飛行時間は約3時間になるでしょう。宇宙旅行の費用さえも、一般市民が宇宙に旅立つことができるほどの値段にまで低下し続ける見込みです。

フリクションのない未来 – 新たな資本主義

カク氏はこう問いかけます。「コンピュータとコミュニケーションがこれほどの規模に発展した中で、拡張現実、バーチャルリアリティの世界で暮らすということ、フリクションがなくシームレスでカスタマイズされた生活になるということは、何を意味するのだろうか?」。カク氏の答えは「資本主義の完全化」です。カク氏の定義によると、資本主義とは、価格が需要と供給によって決まる私有にすぎません。現在の資本主義は完全ではないため、裏事情、つまりモノの実際の価値や誰がだまそうとしているかがよくわからないのです。カク氏は最後にこのように指摘しました。「将来的には、買おうとするものについて何もかも把握できるようになるので、資本主義が完全化する」

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