2017年04月05日
未来企業共創プログラム 開催レポート
創発リーダーシップを科学する
ダイアログで理解を深める
参加者同士によるダイアログでは、ゲストトークを踏まえてリーダー論についてテーブルごとに話し合い、以下のような気づきの紹介がありました。
まず、とある企業で30~40代の中堅社員が社長から命じられて10年後に向けたビジョンの作成に携わった事例が語られました。「最初はまさか本当に自分たちが考えたビジョンが採用されるとは思っていなかったが、社長が本気だと分かってからは、会社がどうあるべきか、やりたいことは何なのかを真剣に話し合い、社員全員に伝えた。一番良かったのは、自分たちで考えて自分たちで言葉にしたので、各部署に戻っても、きちんと自分たちの言葉で語ることができたことだった」と発表。
他のテーブルからは、個々の感想から、あるべきリーダーの構成要素を自分たちなりに解釈して発表しました。「前提としてリーダーには人間的魅力があり、ワクワクするビジョンを語る力、聞く力、感性の強さが必要なのではないか。また、イノベーションへと向かう知の探索にはいろいろな方面へ意識を向け続けていくサステナブルなモチベーションを持っていることも必要で、“意識の源泉”のようなものをたくさん持っているリーダーがいると強い会社になるのではないか」とのこと。
また、「日本では管理職とリーダーが同じもののように語られているが、それはどうなのか」といった指摘も出され、それがまた別の意見を喚起するなど、知的刺激の連鎖がいつ果てるともなく続き、質問と意見が交わされ続けました。
最後に、入山氏からは「トランスフォーメーショナル・リーダーシップが重要と紹介したが、将来的にはシェアド・リーダーシップ、すなわち全員がリーダーシップを発揮する組織が一番強くなるに違いないと注目を集めている」と、さらに最先端のリーダー論を紹介があり、第3回未来企業共創プログラム「創発リーダーシップを科学する」は締めくくりとなりました。
全3回の未来企業共創プログラムを終えて、おぼろげながらも“未来企業”のあるべき姿、“未来企業”を牽引する新しいリーダーシップの姿を共有した参加者たちは、第1回で初めて顔を合わせた時の緊張感ある表情とは違い、活き活きとした表情だったのが印象的でした。