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DX人材とは?求められる役割と人材不足の背景・解決策について解説

 デジタル技術の進化に伴い、多くの企業が業務プロセスやビジネスモデルを革新するDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。その一方で、DXの推進を担うDX人材の不足が課題となっている企業も多くあります。

 この記事では、DX人材の定義や役割、人材不足の背景を解説するとともに、DXに関して企業がどのように対応すればよいかを解説します。

DXとは何か

 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して製品・サービスのデジタル化をはじめ、業務プロセスやビジネスモデルを変革し、新たな価値や競争優位性を生み出す取り組みのことです。

 これまでも、ビジネス文書を電子化するなどのデジタル化が多くの企業で進められてきました。しかし、DXは単なる業務効率化やコスト削減を超え、より大きな価値を創出することを目指す取り組みです。

 昨今では、デジタル技術の急速な進化や顧客ニーズの多様化などを背景に、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。その変化に対応するとともに、同業他社との差異化を図るため、DXの取り組みはこれまで以上に重要となっています。

関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?推進するメリットと取り組み事例を紹介

DX人材とは

 DX人材とは、企業におけるDXの推進と実行を担う人を指します。全社的な方針や施策を検討する役割から、現場でデジタル技術の導入・展開を推進する役割まで、幅広い職務の担当者がその定義に含まれます。

 DXは特定の部門や役職者だけで解決するものではなく、企業全体で取り組む重要なテーマです。そのため、DXを効果的に進めるために、さまざまな分野で活躍できる人材を確保することが求められます。

 それぞれの役割に応じたスキルや知識を持つ人材を確保し、適切に配置することが、DX化を進めるためのポイントとなります。

 経済産業省/IPAが取りまとめた「DX推進スキル標準(DSS-P)」のなかでは、DX人材の類型として、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティ、データマネジメントの6つが定義されています。

 データマネジメントはAI活用が進む中、更なるAI・データ活用を推進するためのデータ整備やその仕組み化、企業内の推進を担う類型として2026年4月に追加されました。各人材類型の詳細は後ほど「DX推進スキル標準(DSS-P)」による6つの人材類型の見出しで解説します。

DX人材とIT人材の違い

 DX人材とIT人材の違いについてお伝えします。

DX人材とIT人材の違い

 IT人材は、デジタル技術を活用し、企業内の情報システム開発や運用などを担当する人を指します。DX人材と混同されやすい言葉ですが、IT人材は主に情報システムの開発や運用、技術的な課題解決を担うのに対し、DX人材は技術を活用して経営課題の解決や新たな価値創出を担う点で異なります。

 DX人材には、デジタル技術の専門的な知見だけでなく、企業のビジネス戦略や現場業務への理解など、デジタル技術を用いてビジネス目標の達成に導く力が求められます。

解消に向かうも依然として続くDX人材不足

 DXを推進する上で人材の確保が必要となっているものの、多くの企業ではDX人材の不足が続いています。

 IPA(情報処理推進機構)が国内企業に行った調査によると、2025年度にDXを推進する人材の「量」が「大幅に不足している」と答えた企業は50.1%でした。2023年度の62.1%、2024年度の58.5%から3年連続で低下しており、IPAも人材不足は「やや解消傾向にある」としています。

 一方で、「やや不足している」を含めた不足感は85.5%に達しており、依然として高い水準です。「大幅に不足している」と答える企業が減り、不足の深刻度は和らぎつつあるものの、DX人材が足りている状態にはほど遠く、確保に向けた取り組みは引き続き重要といえます。

出典:IPA|DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか別ウィンドウで開きます

DX人材が不足している背景

DX人材が不足している背景

 それでは、なぜDX人材が不足しているのか、その背景について解説します。

社会での需要の急速な高まり

 近年、AIやIoT、クラウドなどのIT技術が急速に進化し、これらを活用したDXの需要が高まっています。DXの需要はさまざまな業界で生まれており、社会全体でDX人材を求めるようになっています。

 特に生体認証、AI、5Gなどの先端技術を扱う領域では、企業間の人材獲得競争が激化しています。

労働人口の減少

 日本では少子高齢化が進み、労働人口そのものが年々減少しています。この影響で、DXに必要なスキルを持つ若年層の人材確保が難しくなっています。

 また、社内の人材にデジタルスキルを習得させることにも時間がかかるため、人材不足の解消が進まない状況にあります。

人材育成・教育体制が整っていない

 DX人材の育成に必要な教育体制が整っていないことも、人材不足を引き起こしている要因の一つです。

 人手やノウハウの不足により社内の教育体制が不十分であったり、予算不足により教育体制が整っていなかったりと、DX人材の育成に必要な環境を整備できていない企業が多くあります。

DX人材を確保する方法

 それでは、DX人材の不足はどのように解決すれば良いのでしょうか。DX人材を確保する方法を解説します。

社内人材の育成

 お伝えしたとおり、現状、社内のDXに関する人材育成・教育体制を整えられていない企業もあります。しかし、自社で働いている人材は、すでに自社ならではのビジネス戦略や現場業務への理解があるため、育成すれば有力なDX人材となります。

 社内人材の育成にあたっては、環境を整備し計画的に教育を進めていくことが大切です。社内で教育のノウハウがない場合には、専門企業が提供しているDX人材育成プログラムなどを活用すると良いでしょう。

 NECでも、豊富なノウハウを生かしたDX人材育成プログラムをご提供しています。

NECのDX人材育成プログラム:
BluStellar Academy for DX: BluStellar | NEC

採用

 即戦力のDX人材を採用する方法もあります。しかし、DX人材は需要が高いため、他社との獲得競争が発生する恐れがあります。

 また、獲得した人材が自社の業務に合わず早期離職するリスクも考えられるでしょう。DX人材の新規採用を行う際は、求める人物像を明確にして、応募者に自社で働くメリットを伝えることが大切です。

外部リソースの活用

 抱えている社内課題に応じて、必要なリソースを外部に依頼して補う方法です。ITベンダーなどの高度な専門知識を持つ企業に依頼することで、短期間で効率的にDXを推進できる可能性があります。

 一方、短期間とはいえ相応のコストがかかる点、社内にノウハウが残りにくい点には注意が必要です。外部リソースを活用する場合は、活用する目的や範囲を明確化すると良いでしょう。

「DX推進スキル標準(DSS-P)」による6つの人材類型

 経済産業省/IPAは「DX推進スキル標準(DSS-P)」のなかでDX人材の類型を定義しており、ここでは6つの人材類型の役割を解説します。

「DX推進スキル標準(DSS-P)」による6つの人材類型

出典:IPA DX推進スキル標準(DSS-P)概要別ウィンドウで開きます

ビジネスアーキテクト

  • ビジネスアーキテクト
  • ビジネスアナリスト
  • プロダクトマネージャー

 ビジネスアーキテクトは、ビジネスや業務の変革で実現したい目的を定義し、経営視点で最適なビジネスモデルと業務プロセスを設計する人材です。関係者をコーディネートしながらプロセス全体を牽引し、成果を創出する役割を担います。

デザイナー

  • サービスデザイナー
  • UX/UIデザイナー
  • コミュニケーションデザイナー

 デザイナーは、ビジネスの視点や顧客・ユーザー視点に加え、コミュニケーションの視点を総合的にとらえ、製品やサービスのデザイン設計を行う人材です。製品・サービスの方針や開発プロセスの策定に加え、ブランドメッセージやタッチポイントを含むコミュニケーション設計を行う役割を担います。

データサイエンティスト

  • データビジネスストラテジスト
  • データサイエンスプロフェッショナル

 データサイエンティストは、統計学、機械学習、AIなど、データ分析に関する専門知識を持つ人材です。データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データ解析やAIシステムに関する仕組みの設計・実装・運用を担います。

データマネジメント

  • データスチュワード
  • データエンジニア
  • データアーキテクト

 データマネジメントは、組織全体でデータが活用できる状態に整える人材です。データの安全性・信頼性の確保と継続的な流通の仕組みの設計・実装・運用を行い、組織全体の人材を巻き込んだデータの利活用と価値創出を促進する役割を担います。

ソフトウェアエンジニア

  • フロントエンドエンジニア
  • バックエンドエンジニア
  • クラウドエンジニア/SRE
  • フィジカルコンピューティングエンジニア

 ソフトウェアエンジニアは、インフラやプログラミングに関する専門知識を持つ人材です。DX推進に必要となるシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担います。

サイバーセキュリティ

  • サイバーセキュリティマネージャー
  • サイバーセキュリティエンジニア

 サイバーセキュリティは、サイバーセキュリティに関する幅広い知見を持つ人材です。企業のデジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する役割を担います。

DX人材に求められるマインドセット

 DXを推進するうえでは、専門的なスキルだけでなく、変革に向き合う意識や姿勢も欠かせません。経済産業省/IPAの「デジタルスキル標準」は、DXを推進する専門人材向けの「DX推進スキル標準(DSS-P)」と、全てのビジネスパーソン向けの「DXリテラシー標準(DSS-L)」の2つで構成されており、マインド・スタンスは後者のなかで7つの項目として定義されています。本章では7つの項目をDX人材に求められるマインドセットとして解説します。

DX人材に求められるマインドセット

変化への適応

 自身や組織が尊重する既存の価値観に加え、環境変化に応じて、新たな価値観やスキルを主体的に学ぼうとする姿勢です。

コラボレーション

 価値創造のために社内・社外問わず、さまざまな専門性を持つ人と協働する必要を理解し、その多様性を尊重する姿勢です。

顧客・ユーザーへの共感

 顧客・ユーザーに寄り添い、その立場に立ってニーズや課題を発見しようとする姿勢です。

常識にとらわれない発想

 顧客・ユーザーのニーズや課題に対応するためのアイデアを既存の概念や価値観にとらわれずに考える姿勢です。また、従来のやり方を改善するだけでなく、「なぜこの進め方なのか」を自ら問い直し、よりよい進め方がないかを考えることも求められます。

反復的なアプローチ

 失敗を許容できる範囲の小さなサイクルで試し、フィードバックを得ながら改善を重ねる姿勢です。前例のない取り組みには成功の保証がないため、仮に失敗しても、原因を分析して都度軌道修正し、学びを得られれば「成果」と捉えます。

柔軟な意思決定

 前例のない状況でも、価値創造に必要であれば臨機応変に意思決定を行う姿勢です。

事実に基づく判断

 勘や経験だけに頼らず、客観的な事実やデータに基づいて判断する姿勢です。判断の前提となるデータが適切でなければ誤った結論を招くため、日頃からデータを正しく入力・管理する意識も含まれます。

DX人材の評価に活用できるスキルマップ

 6つの人材類型ごとにDX人材に求められるスキルレベルが整理されており、社内人材の能力把握や評価基準の策定に役立てることができます。

DX人材の評価に活用できるスキルマップ
出典:NEC作成

DX人材に求められる役割

 DXを実現するためには、全社員が業務への理解とデジタルリテラシーを持った上で、組織内の各DX人材が自身の役割を担い、全うすることが大切です。ここでは、NECが定義しているDX人材の役割について解説します。

DX人材に求められる役割

(1)デジタルリテラシーのあるビジネスパーソンとしての役割

 変革に向けて積極的に行動するスキル・マインドセットは全社員に求められ、また、DXを自分の事として捉えるのはビジネスパーソンとしての役割です。

 DXは全社員の協力があって実現できるものであり、全社員のデジタルリテラシーを底上げしていく必要があります。

(2)マネジメント層としての協力

 組織の社員をマネジメントする立場としてデジタル変革をサポートし、企業・組織内での活動を活発化させることは、マネジメント層の重要な役割です。

 DXへの理解に加え、マネジメント層としての心構えや役割を理解することが求められます。

(3)DXの推進者

 DX推進人材は、データやデジタル技術への知見を持ち、幅広い領域で社内各所とコミュニケーションを取りながらビジネス活用を推進する役割を担います。

 経済産業省の「DX推進スキル標準」で定義されている人材がDX推進人材にあたります。

(4)高い専門スキルを持つ構築・実行者

 DX専門人材は、データやデジタル技術に関する高い専門スキルを持ち、DXの実現に必要な仕組みを構築・実行する役割を担います。

 DX推進人材よりも専門的で高度なスキルが必要となり、その分野のプロフェッショナルとしてDXを推進する力が求められます。

(5)DX推進プロジェクトのリーダー

 DXリーダーは、データやデジタル技術を活用した変革のリーダーとして、周囲の関係者を巻き込みながら良好な関係性を構築し、DX推進プロジェクトを成功に導く役割を担います。

 DXに関する知識に加え、リーダーとしてのマインドセットやスキルも求められます。

まとめ

 DX人材は、デジタル技術を活用して企業の競争力を高める上で欠かせない存在です。しかし、日本ではDX人材の不足が深刻な課題となっています。今後は、社内での人材育成や採用、外部リソースの活用を通じて、DX人材を確保する取り組みがますます重要になるでしょう。

NECのDX人材育成プログラム:
BluStellar Academy for DX: BluStellar | NEC

 NECでは、DX人材の育成を支援する「BluStellar Academy for DX」を提供しています。「組織・風土改革」と「教育・育成」の両面から、DXリテラシー教育やマネジメント教育、DX推進人材・専門人材・DXリーダー育成など、体系的なプログラムを提供しています。NECグループで培った実践知を活かし、企業のDX推進を支援します。

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    wisdomはNECが運営するオウンドメディアです。NECは日本初の外資系合弁企業として1899年に「ベタープロダクツ・ベターサービス」の精神のもと設立されました。現在社会価値創造型企業として第三の 創業期を迎えています。創業以来、テクノロジーによって社会に変革をもたらしてきました。

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