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2021年10月06日

NECが目指すSmart Work 2.0~「働きやすさ」から「働きがい」へ~
【後編】社員と会社の成長を目指す次なる挑戦

 新型コロナウイルス禍以前から続けられてきたNECの働き方改革。それによって実現したのが「働きやすさ」だった。新型コロナウイルス禍を経て、働き方改革は次のフェーズに入ろうとしている。前編に引き続き、7月30日に開催されたオンラインセミナー「働き方DX Day 改革の次なるステージへ」から、一人ひとりの社員の「働きがい」と成長を目指す「Smart Work 2.0」をめぐる対話の採録をお届けする。

(左から)
NEC 執行役員常務 兼CIO 兼CISO 小玉 浩
NEC 取締役 執行役員常務 兼 CHRO 松倉 肇
モデレーター/Forbes JAPAN Web編集長 谷本有香氏

「キャリアオーナーシップ」の確立に向けて

谷本氏:
 NECはこれまで制度やシステムを変革し、「働きやすさ」を向上させる取り組みを進めてきました。それが「Smart Work 1.0」だとすると、これから取り組むべき「Smart Work 2.0」はどのようなものになるのか。お考えをお聞かせください。

松倉:
 いろいろな仕組みが整備されたことによって、まさしく「働きやすさ」はかなり実現したと思います。では、それによって一人ひとりの社員は本当に生き生きと働くことができているのか。さらに言えば、それによって会社は成長しているのか。そう考えると、やはり働き方改革のさらなるグレードアップが必要だと思います。その次なる取り組みがSmart Work 2.0であり、そのキーコンセプトになるのは「働きがい」である。そう私は考えています。

 「Smart Work 2.0」の基盤となるのも、やはり「Code of Values」です。Under COVID-19の1年半の間に、「Code of Values」の価値はいっそう高まったと感じています。多様性のある社員一人一人が、Code of valuesのもと、何をすべきかを自ら考え、自ら行動し、会社はそれを最大限支援する。社員は自分がやりたいことに打ち込むことで自己成長を果たし、そしてそれが会社の発展につながる。これがSmart Work 2.0のコンセプトで、究極的には、社員一人ひとりが自分自身の「キャリアオーナーシップ」を確立するということです。それが、New Normalの時代には非常に重要なことだと私は思います。

働きがいと社員の自律

谷本氏:
 「働きがい」は一人ひとり異なるので、社員を「マス」ではなく「個」として捉えなければならないわけですよね。デジタル技術を使って、データを上手に活用すれば、それも可能になります。まさにICTカンパニーであるNECならではの働き方改革の方向性と言っていいと思います。

オフィスの機能は「コミュニケーションハブ」と「共創空間」に

谷本氏:
 さて、今後そうしてリモートワークが進んでいったとき、オフィスの役割はどのようなものになるのか。その点についても、お考えをお聞かせください。

松倉:
 一人一人が働きがいを持って、チームと一緒になってバーチャルとリアルの両方を駆使して働くとすれば、ロケーションフリーが基本的な働き方になると思います。これは、自分が一番集中できる場所で、一番いい時間に仕事をし、アウトカムを最大化するということです。デジタル技術でそのようなロケーションフリーの働き方をバックアップすることによって、世界中のいろんなナレッジにアクセスすることもできます。それが、私たちが考える「デジタルワークプレイス」です。

Smart Work 2.0が提供するWorkplace

 そうなると、オフィスの本質的価値はどうなるのか。私は「コミュニケーションハブ」になるだろうと考えます。チームのメンバーのホームグラウンドとして、心理的安全性が非常に高いところで、みんなが思いを語り合って、新しいものをクリエイトしていく。そんな場所です。週に1日か2日程度、集まる必要があるときに集まって、完全フリーアドレスで、誰とでも会話ができる。そんなイメージです。そのようなスペースが、全オフィス空間の3分の1程度あればいいのではないかと思います。

 それ以外に必要なのが、外部の方々と交流する「共創空間」です。今後、より大きな社会価値を実現していくためには、お客さまやビジネスパートナーと体験を共有することが必須だからです。そのような空間が3分の1。さらに残りの3分の1は完全なフリースペースにする。それが、私が考えるNew Normalのオフィスのあり方です。

谷本氏:
 今後も時代の要請に従ってデジタルテクノロジーの役割は大きくなっていくと思います。テクノロジー活用のビジョンをお聞かせください。

小玉:
 これからのNECは「変革」をDNAとし、それをインフラの中に埋め込んでいかなければなりません。それによって実現するものの一つがSmart Workです。テクノロジーを駆使して仕事の効率を上げ、人はより付加価値の高い領域で仕事をし、一人ひとりが思う存分能力を発揮し、創造性を高めていく。そんな働き方です。

 私たちが目指すのは、デジタルテクノロジーによって、時間、場所、言葉といった制約を解き放つと同時に、データの力を解き放つことです。それによって、例えば家庭の事情やライフプランなどによって思うように働けなかった人が最適な環境で働けるようになり、成長していくことができると考えています。

劇的なビジネスアウトカム・インパクト

 デジタルの本質は、人と人、人と場所をつなぐことです。つながることによって人のパワーは最大化します。大切なのは、そこに安心・安全があること、つまり「セキュリティ・バイ・デザイン」という考え方です。そして「Code of Values」を実践することで、本当に劇的なビジネスアウトカムが生まれ、世の中にインパクトを与えることができるはずです。

企業の価値は「人」と「文化」

谷本氏:
 いろいろな企業の経営者にお話を伺っていると、従業員の満足度を上げていくことは非常に大切だけれど、それが本当にビジネスのアウトカムにつながるのかという疑問をお持ちの方が多いと感じます。NECのSmart Workへの取り組みがアウトカムにつながる具体的な道筋についてもお聞かせください。

松倉:
 この5月に、2025年までの新しい中期経営計画を発表しました。その骨格になっているのが、「NECのパーパスを実現する両輪は“戦略”と“文化”である」という考え方です。戦略だけではパーパスは実現できないし、企業は成長できない。文化が必要である。では、文化とは何か。これまで取り組んできた働き方改革の活動をSmart Work 2.0にバージョンアップしたときに生まれるものが、新しい文化であると私たちは考えています。

「未来の共感」を創る
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 NECのパーパスに一人ひとりの社員が共感しながら、エンゲージメントを高め、最高の働きがいをもって仕事をする。そうして「未来の共感」を創り、最高のアウトカムを出していく。それが一人ひとりの成長となり、事業と会社の成長にもなる──。この方程式を、私たちはNECの中期計画の中で実行しようとしています。

谷本氏:
 NECは「Orchestrating a brighter world」という言葉を掲げています。一人ひとりの社員が音楽の「演奏者」であり、それぞれの力を合わせたときに素晴らしいものが生まれるということですよね。そうやって力を合わせるときに必要とされるのが、まさしく「共感」なのだろうと思います。それがまたNECの新しい文化であるということですよね。

小玉:
 そのとおりですね。企業の価値、とりわけ非財務的価値は、まさしく「人」と「文化」です。文化とは、パーパスであり、共感です。事業を創造し、さまざまな課題を解決していくのは人の力です。その文化と人の力が社会価値を創造していくのだと思います。そのような文化をDNAに組み込んでいくことによって、私たちはこれからも成長していくことができる。そう考えています。

 私たちが取り組むべきは、テクノロジーの力で文化の力、人の力を最大化していくことであり、それこそがまさしく働き方改革の本質だと思います。これからも働き方改革を推し進め、企業価値を高めるための努力を続けてきたいと思います。

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