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2017年01月27日

社会インフラとしてのネットワークを支える、NECの5G技術

5Gを実現するNECの先進技術

──NECの5G実現に向けた取り組みについて教えて下さい。

渡辺:
 NECは、長年にわたって培ってきた無線技術やネットワーク技術などのアセットを保有しています。そのアセットの上に、新しい技術を加えていくことで、新たなサービスが実現できます。

 例えば、自動運転サービスでは、伝送遅延の最小化や信頼性の高いネットワークの実現が必要不可欠になります。そうしたネットワークを実現するには、5Gの要素技術である「Massive MIMO(マッシブ・マイモ)」「Mobile Edge Computing (MEC:モバイル・エッジ・コンピューティング)」「NFV C-RAN」の3つが非常に重要になってきます。

 NECでは、これらの技術検証や、この技術を利用して何ができるかというユースケースを策定しています。

──各技術について、もう少しく詳しく教えてください。

渡辺:
 「Massive MIMO」は、広い帯域幅が確保できる高い周波数帯(マイクロ波)を活用し、複数の特定方向に向けて別々に電波を飛ばすBeam forming(ビームフォーミング)を実現する技術です。このMassive MIMOを大規模スタジアムなどに配備すると、大勢の人で混雑していたとしても、それぞれの人に別々の無線ビームを届けられ、混雑を気にせず快適な映像配信などを楽しむことができるようになります。

 MECは、通常通信事業者のコアネットワークにあるコンピューティング処理機能の一部を、無線基地局などのネットワークの末端(エッジ)部分に配備する技術です。エッジ部分でデータを一次処理することにより物理的な伝送距離が低減できるので、超低遅延の求められる自動運転や交通制御などのサービスが実現できます。

 NFV Cloud-RAN(Radio Access network)は、ネットワーク機能の仮想化を携帯電話の無線基地局で実現する技術です。これまで専用機で実現していた無線基地局の機能を汎用サーバ上のソフトウェアで実現できるので、無線ネットワークの効率的な運用が可能になり、Massive MIMOやMECによるサービスをフレキシブルに実現します。

エンドユーザの価値をイメージし、社会に貢献する製品やソリューションを提供

──最後に5G実現に向けた想いをお聞かせください。

渡辺:
 NECは、5Gを実現するこれら3つの要素技術をバランス良くカバーできているのが強みです。その要素技術を発展させることによって、社会に貢献できる製品やソリューションを創り上げていくことこそ、われわれに課せられた使命であると考えています。また、サービスやアプリケーションなどは、単に技術者視点で開発するのではなく、どのような使い方をすれば、もっとエンドユーザに喜んでもらえるのかを考えることが大切です。ですから、常に最終的なエンドユーザの価値をイメージしながら開発に取り組む姿勢を大事にしています。

 今後、5Gを実用化していく上で、来たる2020年は、ひとつの重要なマイルストーンになり、5Gの技術を活用する最初の良い機会になると考えています。2020年を迎え、さらに、そのあとに続くものをどのように創っていくのか。ユーザに高い価値を提供し、社会へ貢献するにはどうすればよいのか。われわれは、パートナーとともに革新的で新しい5Gアプリケーション開発に取り組んでいこうと考えています。

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