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「第3の創業」を掲げるNECの挑戦
価値創造を実現する新ブランド
【参加無料・wisdom特別イベント】(3/11東京開催、3/13大阪開催)
業務DXの一歩先へ!レゴ®ブロック×体験型共創空間で課題解決の糸口をつかめ
業務プロセスやオペレーションの変革など、いま求められる業務変革に向けた新たな一歩を、一緒に踏み出してみませんか?本イベントでは、体験型共創空間「NEC Future Creation Hub」での最新テクノロジーの体感と、過去参加者の満足度No.1を記録したレゴ®ブロックを活用したワークショップを通じて、業務DXに向けた課題と解決のヒントを探ります。
2024年5月、NECは企業や社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる新ブランド「BluStellar(ブルーステラ)」を発表した。これは単なるブランディング作戦ではない。本発表の5年前から「売り方」「売り物」「売る人」という3軸でNEC社内の変革を進め、その成果として、企業と社会のDXを支援し、新たな価値を創造するためのブランドとして「BluStellar」を世に送り出したのだ。新ブランドのキーパーソンであるNECの執行役 副社長であり、Corporate Senior EVP&CDOの吉崎敏文に、立ち上げの背景、ブランドに込められた思いなどを聞いた。
戦略コンサルタントを拡充し「売り方」を変える
パンデミック(世界的大流行)対応に追われた数年間を経て、社会の様々なところでDXが加速している。そんな中、NECは企業と社会のDX支援を掲げ、新ブランドとして「BluStellar」を立ち上げた。この取り組みをリードしてきたNECの吉崎はDXに対する日本企業の姿勢は大きく変化してきたと話す。
「当社が2023年11月に実施した調査(DX経営の羅針盤 CxOから学ぶベストプラクティス)によると、業務のデジタル化やビジネスモデル変革などDXに関係する施策について、8割以上の企業がすでに何らかの形で取り組んでいます。また、長らく課題とされてきたDX人材については、具体的な施策を実行または検討している企業が9割近くに達しており、人材育成の効果が出ている企業も増えています。数年前までは、『DXは重要だと思うが、どこから手をつければいいのか』といった声をよく聞きましたが、今や日本企業のDXは新たな段階に入ったと言えるでしょう」
日本におけるDXのいわば転換期に登場したBluStellarについて、「これは単なるブランディング作戦ではない」と強調する。「これまで私たちはブランドの中身、そこに必要な様々な要素を磨き続けてきました。そして、最後に名称を与えました。ブランド名ありきではなく、まず中身から考えるのがNECらしさであり、私たちの強みでもあると思っています」(吉崎)
では、その「中身」とは何か――。この5年間、吉崎は3つの軸でNECの変革をけん引してきた。「売り方」「売り物」そして「売る人」である。

執行役 副社長
Corporate Senior EVP&CDO
デジタルプラットフォームビジネスユニット長
吉崎 敏文
第1の軸は、従来型の売り方を変えることだ。ビジネスモデル変革といってもいい。
「代表的な変革の1つとして、戦略コンサルタントの拡充が挙げられるでしょう。5年前、このような職能は定義されておらず、したがって社内には1人もいませんでした。現在では、社内に約500人の戦略コンサルタントがいます。私たちはお客様の構想策定や企画の段階から参画し、半歩先の視点から導き、より大きな価値提供を目指しています」
ハード、ソフト、ネットワークの経験と知見
第2の軸としては、売り物の構成要素を整理し、オファリングや共通基盤としてまとめたことだ。
「以前は、お客様の個別ニーズに対応するために、同じような機能をプロジェクトごとに開発することがありました。これでは非効率です。そこで、これらの機能を実現する部品を共通化し、プラットフォーム化しました。この共通基盤は、私たちがお客様に価値提供する際の技術的な基盤となります」と語る。
第3の軸は人材面での施策だ。「DX人材」という言葉がよく使われるが、明確に定義されていない場合も多い。NECはまず、DX人材をデータサイエンティストやデータエンジニアやクラウドエンジニアなど7つに分類し、それぞれの職種を具体的に定義した。
「当初、7職種を合わせて1万人を目指しましたが、すでにこの目標をクリアしました。人材育成は想定以上のスピードで進んでいます。売り方と売り物、売る人という3軸の変革が一定の水準に達したことで、これらの取り組みの全体像に名前をつけようと考えました。こうして生まれたのが、BluStellarというブランドです」
テクノロジーとビジネスの融合という観点でも工夫がある。「データサイエンティスト、データエンジニアなどのDX人材を組織ごとに戦略コンサル部門と統合し、AIコンサルタントとして強化していきます」と言う。
BluStellarは生まれた時点ですでに高い完成度を備えている。そこには、NECが長年培ってきた強みが随所に組み込まれている。ただし、強みの提供の方法(売り方と売り物)は従来と同じではない。
「NECの強みはハードウエアとソフトウエア、ネットワークに関する経験と知見です。これらの領域をまたがった技術を組み合わせ、お客様のニーズに基づいてインテグレーションするSI(システムインテグレーター)は長らく当社の主力事業であり続けました。ただ、労働力不足の深刻化が懸念されるこれからの時代、多くのマンパワーを要する従来型のSIビジネスには限界があります。だからこそ、私たちは3軸での変革を進めてきました」。BluStellarは従来型SIに代わる次世代型の価値提供モデル(Value Driver)への挑戦でもある。また、NECが5年にわたって取り組んできた事業構造変革の表象とも言える。
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顧客の先にいるエンドユーザーと社会を見据えて
NECはAI(人工知能)やIoT(あらゆるモノがネットにつながる)などの先端技術分野でも数々の強みを有している。こうしたテクノロジーは必要に応じて、BluStellarとして提供される。
「例えば、独自開発の生成AI『cotomi(コトミ)』は超高速で、優れた日本語処理能力を持っています。ネットワークを含めたトータルスループットも高く、極めて高速な処理を実現します。ハードウエアとネットワークの技術蓄積があるから、ソフトウエアで強みを発揮できる。cotomiは当社の幅広く、厚みのある技術力を実証するものと自負しています」(吉崎)
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生成AIをはじめとする先端技術は、SI事業の変革を加速する上でも重要な役割を担う。「BluStellarにより、システムの開発工数は激減します。運用の自動化も大きく前進します。さらに、今後はcotomiをはじめとするAIの実装を強化していきます。こうした取り組みによって、AIを単なるコスト削減だけにとどまらず、新しい価値をお客様に提供していきたいと考えています」と吉崎は話す。
吉崎の言う「新しい価値」は、企業によって様々だろう。新規事業の創出もあれば、既存事業の変革もある。いずれにしても、「何のためにDXをするのか、DXの目的を達成するために、企業の成長ドライバーとして、私たちの言い方では『Value Driver』として、 BluStellarを活用していただきたい」と吉崎は語り、そして、こう続ける。「お客様のビジネスが成長するためには、『お客様のお客様』またはエンドユーザーの満足が欠かせません。私たちはお客様の先にいるエンドユーザー、さらに社会全体を視野に入れて、3軸の変革という枠組みの中で様々なアセットを進化させてきました。BluStellarの発表を受けて、こうした進化のプロセスはさらに加速します」
NECは1899年の会社設立、1977年に提唱した「C&C(Computers and Communications)」に続いて、「BluStellar」を第3の創業の成長をけん引するキードライバーと位置づけている。NECの「第3章」の幕は開き、企業と社会への新たな価値提供というエキサイティングな物語が始まる。
Stellarは「星」を意味する。BluStellarは、青く輝く星。夜空の星が船を目的地へと導いたように、BluStellarはDXという航海をドライブしていくだろう。
(「NEC Digital Platform」は2024/5/30のBluStellar発表と同時に名称が廃止され、BluStellarとして統一)
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未来へ導く、光となる。