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2019年04月10日

社会価値創造レポート Safer Cities & Public Services

行政のデジタル化で実現する
利用者視点でイノベーションを創発する社会へ

 スマートフォンやIoT(Internet of Things)機器の普及により、個人が望む情報やサービスにいつでもどこからでもアクセスできる環境が世界中で急速に普及する中、各国政府や地方公共団体は行政のデジタル化への取り組みを強化しています。行政のデジタル化は、社会全体の効率を上げコストを抑制すると共に、国民一人ひとりに対して、最適なサービスを公平に提供することを可能とし、官民の枠を超えたデータ連携を促進します。先進国では、行政サービスのコスト削減と、官民連携によるイノベーションの創出を目指し、新興国では生体認証を活用した国民IDの整備を進め、国家レベルのデジタル化を一足飛びに実現することを目指した取り組みを進めています。

 本レポートでは、行政のデジタル化の国内外の動向を紹介すると共に、利用者を中心とした安全・安心、効率的で、公平な行政サービスの提供や、官民が一体となりイノベーションを共創できる社会の実現を目指したNECの考え方や取り組みを紹介します。

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 以下、本レポートの前半部分を掲載しています。
レポートの後半部分、利用者を中心とした安全・安心、効率的で、公平な行政サービスや、官民が一体となりイノベーションを共創するNECのソリューション・サービスのご紹介は、レポートをダウンロードしてお読みください。

行政のデジタル化へのシフトは世界的な潮流に

デジタル化の波が、各国の取り組みの追い風に

 インターネットやモバイルの急速な普及により、個人が望む情報やサービスに常にアクセスできる環境が世界中で浸透しています。様々なモノがIoTによりインターネットに接続され始め、ヒトやモノ、社会の見える化も加速しています。このような背景のもとで、各国政府はデジタル化による行政の変革を目指す取り組みを推進しています。

 国連が2年ごとに発行する「E-Government Survey」の2018年版では、調査開始以来、初めてオンラインサービスの導入が、すべての収入グループ※1で見られたことが指摘され、先進国に限らず行政のデジタル化が進んでいる状況を示しています。193のすべての国連加盟国で中心的な管理業務を自動化するためのポータルサイトとバックエンドシステムが整備されており、140カ国が少なくとも1つ以上のオンラインでの取引サービスを実現しています。

 行政のデジタル化は、社会全体の効率を上げコストを抑制すると共に、国民一人ひとりに対して、最適なサービスを公平に提供することを可能とします。また、官民の枠を超えたデータ連携を促進し、新たな社会インフラや新産業を創造することで、経済の活性化を促すことも期待されています。実際に、国連の電子政府ランキング1位となったデンマークでは、税金の請求書発行業務をデジタル化することで年間150万ユーロを削減、またすべての国民に電子私書箱を保有させる等、公平で質の高いサービスを実現しています。

先進国も新興国も政府自らのデジタル化が共通課題に

 様々な国際的機関が行政のデジタル化を後押しする施策を進めています。OECD※2は「OECD Digital Government TOOLKIT」の提供を通じて、加盟国の行政のデジタル化戦略を支援しています。また標準化や相互運用性を重視するEC※3は、地域全体の底上げを目的に、各国の取り組み状況を評価した「デジタル経済・社会インデックス 2018」※4を発行しており、接続性、人的資本、インターネット利用、デジタル技術の統合、デジタル行政サービスの5つの指標でベンチマークができるように各国の状況について評価しています。

 今や行政のデジタル化は世界共通の潮流です。先進国では行政サービスのコスト削減を進めながら、官民一体となったデータ流通の促進や、サービス同士の融合による利用者視点の新たなイノベーションの創出にも取り組み、国民一人ひとりの幸福度や国力の維持、強化を図っています。新興国ではこれまで不可能だった行政サービスを一足飛びに実現することで国力の向上に取り組んでいます。デジタル化による社会や産業構造の変革を加速させるためには、政府が自ら戦略的にデジタル化に取り組むことが共通課題となっています。

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※1 収入グループとは、国連が同レポートで定める4段階により各国の収入を分類したもの

※2 OECD(Organization for Economic Co-operation and Development): 経済協力開発機構

※3 EC(European Commission):欧州委員会

※4 ECの発行するDigital Economy and Society Index Report 2018

国民IDをベースとした各国の先駆的な取り組み

先進国で進む行政のデジタル化

 国連が発表した2018年の「世界電子政府ランキング」で首位となったデンマークでは、社会保障番号(CPR番号)を使って、学校での成績、診療履歴、社会保障、税務等、誕生から死亡に至るまで国民一人ひとりの様々な情報を一元的に管理しています。また政府や地方公共団体、エネルギー、環境、交通システム等、様々な分野でデジタル化が進んでおり、そこで蓄積されたビッグデータの利用や、世界中の大学や企業とデンマークの専門家とのコラボレーションを通じ、新規ビジネスの創出に向けた研究開発の取り組みが進められています。

 先進的な電子政府の取り組みで知られるエストニアは、ICT活用を国策とし、高い効率性と透明性のもと国民に様々な電子サービス「e-Estonia」を提供しています。エストニアの国民ID(Personal Identification Code)と併せてe-Estoniaの基軸となっているのが、行政サービスに関連する情報をインターネット上で交換できる情報交換基盤「X-Road」です。15歳以上の国民に配布される電子IDカードは、X-Roadとの連携により安全性を確保した上で、納税・警察・教育・医療・選挙等の行政サービスをペーパーレスで利用することができます。

生体認証を活用し行政のデジタル化を推進

 新興国では、これまで十分に整備が進んでいなかった住民台帳を新たにデジタル化で整備し、行政サービスを住民に広げる動きが進んでいます。インドでは貧困層も含めた国民すべてに社会保障が行き渡り、銀行取引等のサービスが利用できるように、国民一人ひとりに固有のIDを発行する「Aadhaarプログラム」の導入を進めています。すでに約12億人に発行されている12桁の固有番号は、氏名、生年月日、性別、住所に加え、顔写真、十本の指の指紋、虹彩といった生体情報も組み込まれています。生体認証の活用で二重登録やなりすまし等を防止すると共に、社会保障の受け取りや口座開設等において本人確認を確実、スムーズに行えます。

 官民連携で様々なサービスの提供が拡大する中、住民データの管理・保存のあり方は重要度を増しています。エストニアのX-Roadは、データを分散して保有することで信頼性向上を図っています。官民そして住民がデータを安全・安心に運用するため、今後も議論が続くと考えられます。

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日本のデジタル・ガバメントへの取り組み

デジタル化により利用者中心の行政サービスを実現

 2017年5月、高度情報通信ネットワーク社会推進本部(IT本部)・官民データ活用推進戦略会議が決定した「デジタル・ガバメント推進方針」において、デジタル・ガバメントとは「サービス、プラットフォーム、ガバナンスといった電子行政に関するすべてのレイヤーがデジタル社会に対応した形に変革された状態を指す」と定義されました。同方針を具体化するべく、デジタル・ガバメント閣僚会議では2018年1月に「デジタル・ガバメント実行計画」を決定しており、2つの目指す社会像が示されています。

  1つ目が「必要なサービスが、時間と場所を問わず、最適な形で受けられる社会」です。その実現に向けてベースとなるのが利用者中心の行政サービスです。実行計画は、手続き・サービスがデジタルで完結する「デジタルファースト」、一度提出した情報の二度提出を不要とする「ワンスオンリー」、手続き・サービスを1カ所で実現する「コネクテッド・ワンストップ」を3原則とし、行政サービスの100%デジタル化を目指します。例えば引越、介護、死亡・相続、法人設立等の手続きのワンストップ化が可能になります。個人や民間企業における行政手続きのデジタル化を実現するためには、地方公共団体も含めて行政分野のデータの標準化やオープン化を図り、オープンAPI※5を整備することが必要です。

イノベーション創出を支える分野間データ連携基盤

 実行計画が目指す2つ目が、「官民を問わず、データやサービスが有機的に連携し、新たなイノベーションを創発する社会」です。内閣府の諮問機関であるCSTI※6やIT総合戦略室を司令塔に、農業・エネルギー等、分野ごとに進めてきたデータ連携基盤を相互に連携させる「分野間データ連携基盤」の構築が進められています。様々な社会課題の解決に向け、スピードと共にコスト抑制が求められる中、官民をまたぐ手続きの変革や、知識や情報の分野間での共有による枠を超えた課題解決への取り組みが急務です。この基盤では政府や地方公共団体だけでなく、民間企業のデータも含めて分野間連携させることで、官民を通じたデータ流通の促進と共にサービス同士の融合による新たなイノベーションの創出を目指しています。

※5 オープンAPI( Application Programming Interface):システムへの接続仕様。オープンAPIはその仕様が外部の利用者に公開されているAPI

※6 CSTI( Council for Science, Technology and Innovation):総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を目的とした総合科学技術・イノベーション会議

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 レポートの後半部分では、利用者を中心とした安全・安心、効率的で、公平な行政サービスや、官民が一体となりイノベーションを共創するNECのソリューション・サービスをご紹介しています。PDFをダウンロードいただき、是非ご一読ください。

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