意思決定を、もっと速く、もっと深く。
ふくおかフィナンシャルグループがNECと挑む経営ダッシュボード構築
ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)は、データに基づく迅速かつ高度な意思決定を目指し、データドリブン経営への変革を進めている。その具体的な取り組みの一つが、NECとともに進める「経営ダッシュボード」の構築だ。FFGは、NECが自社改革で培った知見を生かし、構想策定から開発、運用・定着までを一貫して協働することで、短期間で経営ダッシュボードを構築し、自らの力で動き出している。
単なる情報の可視化にとどまらず、将来的に現場にも展開し、自ら改善・発展させていくことを見据えた両社の挑戦。伴走支援を通じて、自走・内製化へとつなげる道筋とは──6人のキーパーソンが語り合った。
SPEAKER 話し手
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ

上野 隆一 氏
DX推進本部 副本部長 データソリューション部長

園中 貢介 氏
DX推進本部 データソリューション部 グループ長

古賀 聡 氏
DX推進本部 データソリューション部 副調査役
NEC

下條 裕之
データ&アナリティクス事業部門 データ&アナリティクスオファリング統括部
データマネジメントグループ 上席プロフェッショナル

吉田 安寿
データ&アナリティクス事業部門 データ&アナリティクスオファリング統括部
データマネジメントグループ マネージャー

島田 貴行
第四金融ソリューション統括部 西日本ソリューション営業第二グループ
アカウントマネージャー
紙ベースの報告から脱却し、意思決定を迅速・高度に
下條(NEC):今回、経営ダッシュボードの構築に取り組まれた背景をお聞かせください。
上野氏(FFG):従来の報告資料は手作業・紙ベースのものが多く、経営に届くまでのリードタイムが長いうえに解像度も低いという課題がありました。一方、DXを進める中でデータ基盤の整備や内製のケイパビリティも蓄積され、経営ダッシュボードを活用して、データドリブン経営をさらに前進できる段階にも来ていました。2025年4月に、組織横断でデータ活用を推進するデータソリューション部を設立し、全社的に取り組む体制ができたことも大きな理由です。
DX推進本部 副本部長 データソリューション部長
上野 隆一 氏
園中氏(FFG):この部署に来るまでは融資統括部にいましたが、そこではデータを扱うスキルを持つ人が限られ、必要な情報の取得や分析が属人化していました。ダッシュボードによって誰もが必要な情報を容易に確認し、共通のデータを見ながら議論できるようになれば、データ活用の裾野も広がると考えています。
DX推進本部 データソリューション部 グループ長
園中 貢介 氏
下條:経営ダッシュボードには、どのような役割を期待されていますか。
上野氏:例えばこれまでの経営会議は、担当部門からの報告や資料の説明・確認など、まず必要な数字を把握するまでのやり取りに時間を要していました。経営ダッシュボードを活用すれば、すでに必要な数字を把握した状態で、すぐ議論に入れます。その意味で、意思決定のスピードと精度を高めるためのツールと捉えています。もちろん、対象は経営層に限りません。支店や現場を含め、各エリアを一番よく知るのはそこで業務に携わる人たちですから、あらゆる階層に情報を届けることで、様々な所管・支店も含めてより迅速で的確な判断につなげていきたいと考えています。
ワンチームで構築、自走化まで見据えた伴走支援
下條:経営ダッシュボードの構築にあたり、NECをパートナーに選んでいただいた理由を教えてください。
上野氏:最初のきっかけは、洗練されたダッシュボードを見せていただいたことでした。ただ決め手はデザインではなく、ダッシュボードを作って終わりにせず、内製化や定着化までを見据えて伴走していただけるという確信があったからです。NECには、自社でデータドリブン経営に取り組んできた知見と実績もあります。その実践知があるからこそ、データに基づく迅速かつ高度な意思決定を実践し、その仕組みを自ら改善・発展させていくという、私たちが目指す組織の姿を実現するうえで、最適なパートナーだと考えました。
島田(NEC):NECでは、自らを“0番目のクライアント”として改革に取り組み、そこで得た経験やノウハウをお客様に提供する「クライアントゼロ」を推進しています。今回も、まずNEC自身の経営ダッシュボードやデータドリブン経営の実践を見ていただき、課題や目指す姿について対話を重ねました。そのうえで、構想策定から構築、運用、定着支援まで一貫して支援するBluStellar Scenario(※)の考え方のもと、営業とコンサルタント等が一つのチームとなって取り組んでいます。
第四金融ソリューション統括部 西日本ソリューション営業第二グループ
アカウントマネージャー
島田 貴行
園中氏:実際のプロジェクトでも、クライアントとベンダーという関係性ではなく、「みんなFFGの仲間」という一体感がありました。開発だけでなく、その先の定着化まで一緒になって考えていただき、安心してプロジェクトを進めることができました。
下條:私たちも「作って終わり」のプロジェクトにはしたくないと考えていました。最終的にFFG様自身で改善を続けられる姿を目指し、ワンチームで取り組むことが何より大切だと思っています。
吉田(NEC):そのため、当初想定していたNECに持ち帰って開発する方法ではなく、FFG様と同じ現場で、密接に連携しながら共同で構築を進めるスタイルで臨みました。フェーズ1はNEC主体、フェーズ2は半々、フェーズ3はFFG様主体と、徐々に役割を移し、自走化につなげています。また、開発の進め方も標準や規約、チェックリストなどに落とし込み、ノウハウがFFG様に残るよう工夫しました。
データ&アナリティクス事業部門 データ&アナリティクスオファリング統括部
データマネジメントグループ マネージャー
吉田 安寿
園中氏:今回構築したのは、資金利益や非資金利益などの状況を確認できる「業況概要ダッシュボード」です。Tableauを用いることで、法人貸出金や預金といった領域ごとにデータを掘り下げ、より詳細な状況を確認できるようになりました。今後はAIなども活用し、注目すべき変化や、その対応につながる示唆を得られる仕組みも検討したいと考えています。
古賀氏(FFG):当初、FFGにはTableauの知見がほとんどありませんでしたが、NECとの共同開発を通じて、自分たちでダッシュボードを作れるメンバーが育ってきました。NECが作ったものを参考に、別のダッシュボードを自分たちで作る動きも生まれています。内製化は確実に一歩進んだと感じています。
DX推進本部 データソリューション部 副調査役
古賀 聡 氏
社内を巡る情報の流れを太くし、データドリブン経営を次のステージへ
下條:経営ダッシュボードの活用は、今後どのように広げていくお考えですか。
園中氏:経営層からは、「共通のデータを見ながら議論できるので、意思決定の質とスピードの向上につながる」といった評価を得ています。現在はまだ操作に慣れてもらう段階ですが、今後はダッシュボードで情報を把握してから会議に臨むようにするなど、定着化を進めていきたいと考えています。
上野氏:さらに、経営層だけでなく、現場のあらゆるところで経営の情報が見える状態を目指しています。AIも活用しながら、必要な情報がより早く正確に社内の隅々まで行き渡る仕組みへと広げていくことが目標です。その点で、NECにはデータドリブン経営に対するビジョンの近さを感じています。私たちの先を行く先輩として学ばせていただきながら、いずれは並び立てるところまで追いつきたいですね。
下條:ぜひ追い抜いてください。データドリブン経営は「ここまでやれば完成」というものではありません。世の中やビジネス環境が変化し続ける中で、データやAIを起点に経営やビジネスをより高度化し、変革のスピードを高めていくことがますます重要になっています。NEC自身もクライアントゼロとして、そうしたAIトランスフォーメーション(AX)に取り組み、いわば「終わりなき旅」を続けています。そこで新たに得た知見やノウハウをお客様に還元しながら、ともに次のステージへ進んでいく。これからも、そうした伴走支援を提供したいと考えています。本日は、ありがとうございました。
データ&アナリティクス事業部門 データ&アナリティクスオファリング統括部
データマネジメントグループ 上席プロフェッショナル
下條 裕之
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BluStellar Scenario
NECは、AIやセキュリティなどの最先端テクノロジーの最適な組み合わせや成功事例をもとに、NECが持つ実践知を集約・体系化し、BluStellar Scenarioとして整理しています。
これにより、戦略策定から構築・運用・人材育成まで、お客様のDXを一気通貫で支援し、お客さまの課題解決とその先の価値創造に向け、改革の道筋を描きます。